ヒーローの体力の量を、相手のヒーローよりも高めることで得られる優位性です。
ライフ・アドバンテージが増えるほど、自分のヒーローがとどめを刺される確率が下がり、敵のヒーローへとどめを刺せる確率が上がります。
ハースストーンにおけるライフとはヒーローの体力のことで、これをゼロにすることが勝利の条件になっています。
そういう意味では、試合中で最も重要なリソースと言えるかも知れません。
ライフ・アドバンテージを手にすると、唯一の敗北条件である「ヒーローの体力がゼロになる」という事態が、自分側に先に起こる可能性を低くすることができます。
ただ、前述のとおりに、テンポを度外視してライフ・アドバンテージを大きく稼いだとしても、テンポが圧倒的に劣っていれば、その差は瞬く間に縮まります。
やみくもに敵のヒーローへ直接攻撃を仕掛け続けたり、自分のヒーローの回復に執着しても、多くのミニオンを従える相手とダメージ・レースで勝つことは困難でしょう。
ライフは、1を下回らないことが確定している状況下では、その量の多さに大きな意味はありません。
従って、序盤ではテンポやカードの差に比べて、ライフの差は重要視されません。
これが、以前の投稿でも記載した、第1ターンにエルフの射手でヒーローに1ダメージを与える行為が悪手となる理由です。
また、ハースストーンではライフの最大値が定められている(装甲を除く)ことも、ライフ・アドバンテージの活用を制限しています。
自分のヒーローの体力がフルに近い状況で生命力のトーテムを召喚しても、相手にとっての脅威になりません。
いずれかのプレイヤーが、攻撃手段を総動員して相手のライフを削りきれそうなときに、突如としてライフの量は重要性を帯びてきます。
パイロブラストを手札に残しつつ、そのターンで相手のライフを10にできるのならば、カードやテンポのアドバンテージを度外視して相手のライフを減らすことを考えるでしょう。
次のターンにパイロブラストでとどめを刺せる、王手をかけられるからです。
序盤からテンポを高めて場をコントロールし続けていたプレイヤーが、突然に敵のヒーローへ攻撃を集中し始めることがあります。
そのプレイヤーが次のターンでとどめを刺す攻撃手段を持っているか、テンポ・アドバンテージの逆転がないと確信したときです。
このような場面では、テンポを維持するよりも相手のライフ・アドバンテージを急激に失わさせて、「ヒーローの体力がゼロになる」という事態を先に起こさせるよう迫ることが重要になります。