本日の午前中に、ハースストーンの人気ゲーム・ディレクターであるベン・ブロード氏が、AMA――Ask Me Anything――に登場しました。
有名人がフォーラム上でコミュニティから質問をリアルタイムで受け付ける企画であり、過去にはオバマ大統領やビル・ゲイツ氏も行ったことで話題となりました。
その中から、新情報となる主要な返答だけをピックアップし、簡潔な解説を加えて掲載します。
- コミュニティの間で流行したハースストーンの「ネタ画像」のレビュー動画を制作中。
- 1番お気に入りの「ネタ画像」を強いて挙げるならば、特別な愛情を抱いている「4/7/7」に関するもの。
今回の企画で最初にベン・ブロード氏が返答した内容です。
「4/7/7のネタ」とはもちろん、「旧神」時代から猛威をふるった炎まとう無貌のものを揶揄する内容を意味しています。
制作中とされる動画は、ぜひ観てみたいものですね。
なお、同じ「4/7/7」である「不気味な像のことだね」と、コミュニティより同じAMA内でからかわれています。
- 「凍てつく玉座の騎士団」のカード発表は(現地時間の)7月24日から開始される。
既報どおりの「アナウンスのアナウンス」であり、それ以上の新しい情報やちょっとしたネタバレすらも明かされなかったことで、やや不評を受けた返答でした。
当サイトにおいては載せていなかった情報でしたので、こうして記載しました。
- 拡張セットの新要素の段階的な発表に関して、「リリース日に近づくにつれて発表頻度が激減した」というフィードバックを受けた。
よって現在は、発表の頻度を最初に減らし、リリース日間近で一気に増やして盛り上げるようにしている。
これまでの拡張セットにおいては、カードの発表のインパクトが徐々に「息切れ」していたと説明されています。
今は、拡張セットのテーマが発表された時点から次の要素の発表までの間隔が異様に長いと指摘されていますが、「大魔境ウンゴロ」では同じ手法をとったことで盛況の内にリリースを迎えられたと主張されています。
- 弱体化修正を受けたカードを元に戻し、「栄誉の殿堂」セットにするという既報のアイデアは、より慎重に考える事情が生じた。
「スタンダード」におけるハンドロックの復活がもたらされる見通しであり、「ワイルド」の環境も重視している現在では、そうしたアイデアは「ワイルド」でハンドロックをあまりにも強くする恐れがある。
さらっと、「ハンドロックの復活」という予期せぬアナウンスが告げられました。
もちろん、弱体化された溶岩の巨人のことを気に留めているのでしょう。
- 1か月に1~3枚程度のペースで新カードを発行したり、期間限定で「ワイルド」カードを「スタンダード」で使用できるようにしたり、2~3程度のカードセットに限定される「ブロック構築型」のフォーマットを試すなど、メタ環境にテコ入れするバランス調整の手法は以前から検討されてきた。
しかし、どの手法も独自の問題点を抱えており、絶対的な解決法はないと思われる。
新たなバランス調整の手法については、検討をするにはしたが、実施にはどうも否定的なようです。
確かに、頻繁にゲーム・バランスを変更し続けると、長期スパンの大会の開催などにも影響を及ぼしそうです。
今年からアドベンチャーを抜いたカードプールの拡大を実施したばかりであり、まずはその成果を見守りたい意向である模様です。
- 「凍てつく玉座の騎士団」セットでは、各クラスに1枚ずつのレジェンド・ヒーローカードと、1枚ずつのレジェンド・ミニオンカードが用意される。
ウンゴロにおけるレジェンド・クエスト1枚、レジェンド・ミニオン1枚と同じ構成ですね。
各クラスに2枚ずつ、計18枚のクラス専用レジェンド・カードが発行されることになります。
- 年初に掲げたランク戦の改革の目標が更新された。
現在の最重要課題は、月末におけるレジェンド上位争いで強いられる過多な対戦の繰り返しの解消と、下位25%のプレイヤーがランクの向上を滞らせている状況の打開である。 - 新規プレイヤーに対する措置は、このタスクから分けられ、改めて別枠で取り組まれるようになった。
- 究極の目標は、ランク上昇のルールが大変明確であるという現在の利点を損なわないまま、ランク戦のシステムを改善することであり、その両立はできると確信している。
結局、具体的な方策は何一つ示されませんでしたが、ハースストーンの最も重要な部分の一つであるゆえ、徹底的にこだわり抜いてほしいと思っています。
その大まかな方策を今年中に公表できるかもしれないと、示唆されていました。
- コンシューマ版の開発は検討されてきたが、現状は気軽にどこでもプレイできるモバイル版が存在するために、その予定はない状況にある。
去年に「ニンテンドースイッチ」へ向けて、思わせぶりなメッセージを公式に送ったハースストーンでしたが、ゲーム機への移植の見込みは当分なさそうです。
- 毎年に「スタンダード年」を切り替える時点以外で、(基本とクラシックの)カードの「スタンダード落ち」を行うことはない。
- アイスブロックは、おそらくは「スタンダード落ち」の検討をされ続けるカード。
だからといって、フリーズ・メイジやコンボ・デッキの存在を否定している訳ではない。
ガジェッツァンの競売人に続いてアイスブロックも、「ワイルド」限定と化す「スタンダード落ち」の候補として開発陣に認識されていることが明らかになりました。
この返答を受けてアイスブロックの退場についての賛否両論が起こっているようであり、来年の「スタンダード」切り替え間近にも注目が集まりそうです。
- コレクション・マネージャーには、さらなる追加要素を盛り込む予定。
新たなカード抽出ワードやデッキ・コードが導入されたばかりですが、もっと便利なUIに改良することが予告されています。
個人的には、アルバム上でカードの通常版とゴールデン版をスタックさせる機能や、コストの検索を「7+」ではなく「7、8、9、10+」に拡張する機能、「雄叫び」などのキーワードやレアリティなどを1クリックで抽出できるボタンの追加などを望んでいます。
- ミニオンの配置場所によって効果が変動するようなカードは、今後(凍てつく玉座の騎士団含む)も続々と発行される予定。
現状では爆発の一矢、メテオ、裏切りなど、中央に強力なミニオンがいるほど大きな損害を与えるカードが多いものですから、その逆となるようなカードをリリースしてほしいところです。
- ドルイドとウォーロックの追加ヒーロー・スキンのリリースは決定事項。
- ティランダは「なおも検討中」。
未採用クラスと同時に、種族にもぜひ注目してほしいですね。
ノーム、トロル、トーレン、そしてアンデッドよりも先に、ブラッド・エルフやマーロックまでもがヒーローとして登場しています。
ハースストーンがやらかした過去最大の失敗であるティランダの配布については、何かしらの事情が阻んでいるのか、その全世界向けのリリースは相変わらず「実施したいけれども進展がない」状況であるとのことです。
- より詳細な個人および全体の戦績を表示する追加要素について模索されており、その概要を今年の後半には発表したい。
- ただし、「プロフィール」ページのようなものではなく、全てのプレイ地域で同じものが用意されるとは限らない。
細かい試合結果の統計やステータスの閲覧機能は賛同されていますが、「個人向けのプロフィールの搭載がなぜ否定的に捉えられているのか」という質問が多く投げかけられています。
突然死を引き起こすコンボ・パーツともなり得る突撃ミニオンは、やはり慎重にデザインせねばならないカードであるようです。
それゆえにピチピチレザーのホグリーダーや電撃デビルサウルスなど、制限付きの突撃ミニオンがこれまでも試験的に発行されてきましたが、いずれも実際に定着することがなく、突撃との共存の難しさを表しています。
多大なテンポ・アドバンテージをもたらす練気と段取りは、それぞれ「スタンダード」の採用の初年度から弱体化の必要があるとプロ選手から訴えられていました。
- 闘技場において、報酬の一部がコモンカードになるなど、「期待はずれ」の報酬が発生する事象については、近い将来のパッチで解消される予定である。
あまり大きな話題に発展しなくて、すでに報じられていた内容かとも思いましたが、「闘技場の報酬の仕様変更」はやはり新情報であったようです。
「凍てつく玉座の騎士団」のリリース後には闘技場の無料入場券が配られるなどと報じられていて、今夏は闘技場のプレイ人口の増加を開発陣は目指しているようです。
- 今後も「ディアブロ」のような他ゲームの要素を、「酒場の喧嘩やCard Back限定で」ハースストーンに登場させる意向はある。
「Warcraftの世界以外の要素はハースストーンで登場させない」と、リリース初年度に断言された基本方針は、限定的ながらも維持される模様です。
- すでに2017年度の「スタンダード・マンモス年」に属するカードセットは全て開発の完了が間近であり、現在は2018年度の最初のカードセットに力を注いでいて、その次のカードセットのアイデアを模索している。
去年も同じ開発ペースだったと仮定すれば、「ワン・ナイト・イン・カラザン」が発表された頃には、すでに「凍てつく玉座の騎士団」のヒーローカードのアイデアについて検討し始めていたということですね。
ウンゴロのリリース前に大反響を起こしたラップ・ソングを、また発表するかも知れないと示唆されています。