これまで当サイトで記載してきた、ハースストーンの世界で楽しくプレイを続けるために知っておくほうがいいと思われる、ゲームの内容以外の重要な注意事項を改めてお伝えします。
このような堅苦しい説教を述べるサイトは海外でも皆無でしょうが、皆無であるからこそ必要性があると思い、あえて掲載にいたりました。
「プレイ地域」「セキュリティ」「禁止事項」の3つの項目に大別してまとめています。
日本からアクセスできるハースストーンのサーバーは、アメリカ地域、ヨーロッパ地域、アジア地域の3種類です。
プレイするサーバーは自由に選択できますが、他の地域のサーバーへデータを移行するのは不可能であることに注意してください。
例えば、アメリカ地域のサーバーで収集したカードや購入した有料コンテンツは、ヨーロッパ地域やアジア地域のサーバーでは一切反映されません。
対戦したい友人や参加したい大会が、普段プレイしている地域と異なる地域を指定している場合は、その地域で一からやり直す必要があります。
プレイを継続する意欲を大きく損ないかねない「やり直し」を回避するためにも、最初にプレイする地域は慎重に選択してください。
2015年10月までは、日本ではアメリカ地域のサーバーでプレイすることが主流でした。
ところが、日本語版のリリース時に、アジア地域が日本のデフォルト地域として公式に指定されました。
これを機に、日本では徐々にアジア地域のサーバーが主流となっていきました。
現在国内において、新規参加者が選ぶサーバーや、多くのコミュニティ・イベントが用いるサーバーは、ほとんどがアジア地域となっています。
そのために、日本でこれからハースストーンを始めるプレイヤーは、アジア地域を選択することが一般的に推奨されます。
もちろん、フレンドがプレイしているサーバーや、参加したい大会やイベントが用いるサーバーがアジア地域以外であるならば、その限りではありません。
プレイ地域とサーバーに関する詳細情報は、以下の投稿で掲載しています。
よくある(ありそうな)質問
- デフォルトの地域って?ゲーム・プログラムやアプリをインストールした際に、自動的に選択されるプレイ地域です。
プレイヤーが能動的に変更しないかぎりは、その地域でプレイし始めることになります。 - 日本語版ではアジア地域でしかプレイできないの?ハースストーンの日本語版とは、「英語版のゲーム・プログラムに日本語の文章や音声のデータが追加されたバージョン」であることを意味します。
したがって、英語版と同様に、日本語版でも自由にプレイ地域を選択できます。 - モバイル端末の機種変更をするときのデータ引き継ぎはどうやるの?サーバーに保存されたプレイ・データには、OSや機種にかかわらず、どの端末からでもアクセスできます。
既存のアカウントにログインすれば、新しい端末であってもサーバーからデータが反映されるため、引き継ぎ作業などは特に必要ありません。 - プレイ・データが初期化されてしまいました!この種の質問の大半は、プレイ地域を間違えて選択したことが発端となっています。
ログイン中のゲーム・サーバーの地域を今一度確認してください。
特に、新しい端末からログインするときに起こりやすい現象です。
以前まで日本の主流地域がアメリカとなっていた最大の理由は、Battle.netにおいては、アメリカ地域が日本のデフォルト地域だったからです。
日本から「http://battle.net/」に接続すると、自動的にアメリカ地域のBattle.netへ飛ばされました(現在は日本版のBattle.netに飛ばされます)。
そのために、日本のプレイヤーのほとんどは、アメリカ地域のBattle.netでアカウントを登録してきました。
そこからダウンロードするBattle.net App(ランチャー)は当然アメリカ版であり、ハースストーンのデフォルト地域もアメリカとなっていたのです。
ハースストーン以外のブリザード社のオンライン・ゲームにおいても、アメリカ地域が主流となることがほとんどでした。
前述したBattle.netのデフォルト地域関連以外にも、接続の問題が要因となるケースが過去にはあったからです。
日本国内からアメリカ地域のサーバーへアクセスする際の接続状況はおおむね良好でしたが、例えばアジア地域などへの接続時には、プレイが不可能となるほどの遅延がよく発生していました。
これらの事由により、日本国内におけるハースストーンも、自然的にアメリカ地域でプレイされることが主流となりました。
ところが、ブリザード社の「日本をアジア地域に組み込む」という意向により、ハースストーンの日本語版がリリースされた際に、日本はアジア地域がデフォルトになることが決定されました。
アジア地域のサーバーにカード資産がない多くの日本国内の既存プレイヤーは、この決定に対して猛反発する姿勢を見せました。
するとブリザード社は、日本在住の全プレイヤーが保有する、アメリカ地域で購入したコンテンツを全てアジア地域にコピーするという、同社にとっては前代未聞の措置をとりました。
他国のプレイヤーもうらやむほどの特別措置が大きな要因となって、結果的には日本の主流地域の移転が成し遂げられました。
ゲームに限らず、「アカウントの乗っ取り」は全てのオンライン・サービスにおいて警戒せねばなりません。
ハースストーンのアカウントは、無数にある他のモバイル・ゲーム・アプリのアカウントよりも盗み取られる可能性が高くなっています。
Battle.netで管理されているためです。
Battle.netは他にも、「World of Warcraft」「Diablo」「StarCraft」シリーズなどの、世界的な人気を誇るゲームのアカウントを管理しています。
そのために、各ゲームのアイテムやアカウントそのものには価値があり、不正ながら取引できる対象となっています。
手当たり次第に奪おうとするトラップが多数存在します。
ブリザード社はアカウントのトラブルにしっかりと対応してくれるため、アカウントが盗まれて不正に操作されたとしても、大抵は元の状態へ戻してくれます。
しかしながら、サポートとの煩雑なやり取りが必要であったり、完全に復旧されるまで数日を要したりします。
乗っ取られるとプレイを継続する意欲が大きく損なわるので、アカウントのセキュリティには十分に気を配ってください。
手っ取り早くアカウントを強力に保護する手段が、ブリザード社も推奨しているBattle.net Authenticator(認証コード)の導入です。
スマートフォンやタブレットをお持ちであれば、無料ですぐにでも利用できるので、ぜひ導入を検討してください。
Battle.net Authenticatorも含めたアカウントのセキュリティに関する情報は、以下の各投稿より参照できます。
Hearthstone Express – アカウントのセキュリティ #2: Battle.net Authenticatorの導入
Hearthstone Express – アカウントのセキュリティ #3: Real ID フレンド登録
Hearthstone Express – アカウントのセキュリティ #4: Battle.net SMS Protect
Hearthstone Express – アカウントのセキュリティ #5: ハックされたりログインできないときは
当然のことですが、ハースストーンをプレイするときに、やってはならない行為がいくつかあります。
新規にプレイする方のほとんどは、その詳細を知る由もないことでしょうが、アカウントを登録した際に同意したBattle.netの利用規約にしっかりと定義されているのです。
よって、処罰を受けた後で「知らなかった」は釈明となりません。
処罰はアカウントの一時停止や永久停止となるケースが大半となります。
もちろん、ハースストーンをプレイする意欲を大きく損なわさせます。
「知らずにやってしまった」となる前に、以下の事項が禁止事項であることをよく留意してください。
- 許可なくゲーム・プログラムを複製、または改ざんすること。
または、それらを配布すること。 - ゲーム・プログラムを改ざんして、プレイ中にチートを行うこと。
プレイ自動化プログラム(通称Bot)を使用すること。 - 許可なくゲームの要素を売買すること。
無断でゲームの素材を商業利用したり、ゲームのアイテムなどを現金で取引すること。 - ゲームのアイテムなどを、正規ではない入手方法で故意に作成したり複製すること。
ゲームのバグなどを利用する複製行為も禁止する。 - 対人戦で、対戦結果を不当に操作すること。
八百長試合では、かかわった全てのプレイヤーを処罰対象とする。 - 許可されていないツールを用いてBattle.netやゲームへ接続すること。
ゲームを介して、不正に複製された個人用のサーバーへ接続すること。 - 許可なくゲームを販売したり、レンタル事業で貸し出したりすること。
- ゲームのプレイ内容や観戦内容を無断で賭博(ギャンブル)の対象にすること。
- ゲーム内やBattle.netにおいて、他のプレイヤーを混乱させたり、環境を著しく損なわさせること。
その他、法律に違反すること。
上記のうち、処罰が軽いだろうと思われがちであり、しかしながら重大違反であることが何度も公式に警告された行為は、Bot(プレイ自動化プログラム)の使用と八百長です。
ハースストーンにおけるBotは、プレイヤーが席を離れていても自動的に試合をプレイし続けるプログラムです。
主にGoldの獲得とHeroのGoldenポートレイト(Ranked Play 500勝が入手条件)の獲得を目的として利用されます。
フェア・プレーの精神に反し、プレイヤーが同時接続する場において環境を著しく損なう行為であるため、厳しく規制されています。
ハースストーンにおける八百長は、Ranked Playや大会などにおいて、故意に特定のプレイヤーへ勝利や有利を与える行為です(1人2アカウントによる八百長も該当)。
もちろん、フェア・プレーの精神に反する行為です。
Ranked Playや大会の順位は公式世界大会の出場権の行方に大きく関わるため、その操作は同大会の高額な賞金を不正に得ようとする手段であり、「世界一決定戦」の根底を覆す行為であるとみなされます。
日本国籍のプレイヤーの違反行為率は0であり続けることを願います。
※2017/12/05 追記
2017年度より、炉端の集い(Fireside Gatherings)に関する禁止行為も処罰対象になることが公式に指定されました。
以下のいずれの行為に及んだプレイヤーには、アカウントの停止処分や、炉端機能の停止処分などが課されることがあります。
- モバイル端末の位置情報(GPS)を偽装して、実際に参加していないのにゲーム内の炉端の集いに参加する。
- 実際に開催されない、偽りの炉端の集いを公式に登録する(あるいは開催すると宣伝する)。
- 実際に到達することができない場所を開催地とする炉端の集いを公式に登録する(あるいは開催すると宣伝する)。
- オープンな環境ではない、個人宅等の閉ざされた場所を開催地とする炉端の集いを公式に登録する(あるいは開催すると宣伝する)。
- 不適切な名前の炉端の集いを公式に登録する(あるいは開催すると宣伝する)。
- 意図的に、炉端の集いの参加者に対して迷惑をかける。
- その他、炉端の集いのサービスに悪影響を与える行為全般。
よくある(ありそうな)質問
- Hearthstone Deck Trackerというツールの使用は禁止事項なの?ゲームのプレイ結果を記録して、別途にディスプレイへ映すツールであるため、禁止事項にはあたりません。
開発陣のBen Brode氏は、「紙とペンでも代用できるならば問題ない」という表現によって、暗に認めています。
しかしながら、セキュリティの観点から、このようなツールの使用は公式に推奨されていません(改ざんされたツールを実行してしまうことも)。
上記の利用規約には直接記載されていませんが、他のプレイヤーに対するハラスメントもよく報告されている禁止事項です。
言葉で傷つける行為はもちろんのこと、無言の行為であってもプレイヤーへの嫌がらせとみなされればハラスメントとなります。
中でも人種差別は、ゲーム内においても厳罰の対象となる行為です。
日本は海外に比べて人種差別の罪の意識が低いとされていて、国内スポーツのシーンでも「差別の意図がない」人種差別行為が発生し、社会的な大問題に発展しました。
受け手がひどい差別行為だと捉えて傷ついたならば、発信者に差別するつもりがなかったとしても、人種差別行為とみなされることがあります。
現在は、日本のプレイ地域に関する議論や要望が発信されています。
その中で、日本はアジア諸国とプレイしたくないのだと勘違いされたり、他地域に「差別された」と捉えられることがないよう、慎重に発信する必要があると思います。