映画「ウォークラフト」には、Warcraftファンに向けた「おまけ要素」や「隠し要素」がふんだんに散りばめられています。
それらを、ファンと同等まで楽しめるように解説します。
解説が不要な方にとっては、隠し要素を事前に知ることは「ネタバレ」となる可能性がありますので、ご注意ください。
本編開始前にアニメーション表示されるブリザード社のロゴには、同社のゲームの重要なキャラクターが描かれています。
それぞれ、「Diablo」シリーズのディアブロ、「StarCraft」シリーズのサラ・ケリガン、「Warcraft」シリーズのリッチ・キング、「Overwatch」のトレーサーです。
「ウォークラフト」のオープニングは、ゲーム「Warcraft 3」のオープニングを模したファン・サービスです。
Warcraftやハースストーンでもおなじみである、雄叫びの「Lok-tar Ogar!」をオークが叫びます。
「Lok-tar Ogar!」は「ロク=ター・オガー!」と読み、オーク語で「Victory or Death!(勝利か死か!)」を意味します。
アライアンス陣営が結成された際には、同じくおなじみである「For the Alliance!(アライアンスのために!)」というアライアンス側の雄叫びも発せられます。
映画「ウォークラフト」とゲーム「Warcraft 1」では、人間種族とオーク種族が主役となりますが、Warcraftの世界では他にも様々な種族が活躍しています。
Warcraftやハースストーンで多数登場する、アライアンス陣営所属のドワーフ、ナイト・エルフ、ドラエナイの各種族が見事に実写化されています。
冒頭で映される、ドワーフの首都であるアイアンフォージの内外と、その国王のマグニ・ブロンズビアードは、ファン必見の実写化となっています。
映画「ウォークラフト」では、Warcraftの舞台であるアゼロス大陸の風景が何度もリアルに映し出され、そのたびにファンが感慨にひたることになります。
海外の有志のファンによって、ゲームと映画の風景の比較がまとめられています。
Warcraftやハースストーンのプレイヤーにとっては大変なじみ深い、マーロックという水棲の半魚人種族が一瞬だけ登場します。
ローサーが夜間に馬で宿へ移動している最中に、橋のふもとでマーロックが登場し、マーロック独特の叫び声を発します。
ストームウィンド城の近くのゴールドシャイアという町には、ライオンズ・プライド・インという宿屋があります。
「World of Warcraft」では、人間種族でプレイするプレイヤーが初めて訪れる宿屋であるため、知名度が高い場所です。
そのライオンズ・プライド・インの内外が、凄まじいクオリティの実写化によって再現されます。
Warcraftファンは、その再現を堪能するあまりに、ストーリーの把握がおろそかになることもあります。
オークの侵攻中に、デュロタンとオーグリムが、戦火に見舞われているウエストフォール地方を眺める場面があります。
その場面で、ウエストフォール地方に点在する、刈入れゴーレムの姿を見ることができます。
刈入れゴーレムはハースストーンでも登場するメカ・ロボットです。
かつてメディヴが主人であった城のカラザンは、「World of Warcraft」では過去最高の人気を誇るダンジョンであるため、ファンにとっては大変なじみ深い場所です。
悪魔に支配される前のカラザンが実写化されます。
ゲームではアンデッドのボス敵となるモローズが、生前時の姿で、カラザンの執事として登場します。
カラザン内部の書物庫やらせん階段なども再現されています。
「World of Warcraft」では、途中からミーティング・ストーン(別名サモニング・ストーン)というオブジェクトが世界各地に設置されました。
これは、設置された場所にグループ内のメンバーを召喚できるオブジェクトです。
ダンジョンの攻略などでグループが集う際に便利な移動ツールで、同ゲームのプレイヤーならば、ほぼ全員がお世話になっています。
ハースストーンでも召喚石という名で登場しています。
Warcraftシリーズで登場した、象徴的な武器の数々も再現されています。
ブリザード社の庭に設置されたオークの像が持つデュロタンの斧、ゲームでメイジ用のレジェンド武器として登場したメディヴの杖、ハースストーンでも武器カードとして登場したドゥームハンマー、ゲームで強力な両手剣として登場したローサーのドラゴン・ソードなどが実写化されて登場します。
デュロタン、オーグリム、ブラックハンド以外の、有名なオークの族長も特別出演しています。
ウォーソング氏族の長であるグロム・ヘルスクリームや、シャタード・ハンド氏族の長であるカーガス・ブレードフィストは、原作では最初の侵攻には参加していませんでしたが、映画ではファン・サービスを兼ねて登場します。
グロムは、ハースストーンでも登場する両手斧のゴアハウルを装備しています。
狡猾な性格で、グルダンとも気が合うキルログ・デッドアイ族長も、グルダンの後方で一瞬だけ映ります。
とある事項を密かに探査していたカドガーは、それに気づいたメディヴにとがめられ、探査内容を焼き払われてしまいます。
その際にメディヴは、カドガーが資料として持ち出していたメディヴの本を手にして、「Interesting choice(これを選ぶとは面白い)」とつぶやきます。
この「Interesting」というセリフは、ゲームにおけるメディヴの亡霊が、チェス・イベントの際によく発する単語です。
ハースストーンのメディヴも長考時に「Interesting …」とつぶやきます。
「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」において、全プレイヤーが拠点としていた魔法都市のダラランが実写化されています。
そこで登場する最高位のメイジのアントニダスは、ハースストーンのプレイヤーにとっても大変なじみ深い存在です。
カドガーがグリフォンに騎乗してストームウィンドへ戻る場面は、プレイヤーがグリフォンによる移動でストームウィンドへ到着する模様を、そのまま再現したシーンとなっています。
アライアンス陣営側のプレイヤーのほぼ全員が体験しているシーンです。
映画のカドガーは、Warcraftやハースストーンでも登場する動物変身の魔法を使います。
動物変身は、対象を少しの時間だけ無力な羊に変身させる、メイジの魔法です。
「World of Warcraft」では、プレイヤーのキャラクターのレベルが上がるたびに、キャラクターの周囲に黄金色のオーラが一瞬だけ発生します。
映画で、とある悪魔にカドガーが打ち勝つと、カドガーの周囲にその黄金色のオーラが発生します。
エンディングの直前に、川で何者かが釣りをしている模様が映されます。
その釣りのウキは、ゲーム内でプレイヤーが釣りをする際に操作するウキと同じものです。
スタッフ・ロールでは、初代「Warcraft of Warcraft」のテーマ曲である「Legends of Azeroth」の冒頭部分が演奏されます。
ゲームを起動するたびに流れる曲であるため、プレイヤーは毎日これを聞いていました。
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