“Greetings from ◯◯◯!”
私も知りませんでしたが、アメリカのレトロなポストカードの一種に「Greetings from」シリーズというものがあるそうです。
カラフルな色彩画と大きな地名の文字が施され、文字の内部には、その土地特有の風景が描かれています。
遠く離れた知人や親族に向けて送ることで、旅行中である土地の模様を視覚的にわかりやすく伝えることができます。
そのポストカードが、ハースストーンの公式ツイッターから届きました!
“Greetings from Gadgetzan!”
日本やアメリカにはこれから冬が訪れますが、常夏の地であるガジェッツァンは本日も陽気に包まれているようです。
ガジェッツァンの内外の模様をイラストで表したポストカードが、全世界のハースストーン・プレイヤーに向けて送られました。
そのガジェッツァンが、ハースストーンの次期拡張セットのテーマになるのではないかと予想されています。
Warcraftの世界におけるガジェッツァンは、交易都市として栄えている港町です。
ハースストーンのファンの間では、ガジェッツァンの競売人の存在によって、馴染みある名前になっています。
ガジェッツァンはアゼロス大陸の南部に位置し、その周囲には、気温が高くて乾燥している砂漠地帯が広がっています。
陸上輸送がガジェッツァンの主な物流手段でしたが、デスウィングが降臨した際の地殻変動によって海岸線がすぐ近くまで到達したため、現在では船による輸送も盛んに行われています。
海岸沿いであることを活かして、海水浴を楽しむためのビーチも併設されました。
「World of Warcraft」のゲーム内では、アライアンスとホードの両陣営のプレイヤーが利用できる中立都市の一つになっています。
様々なガジェッツァン特有の施設の中で、ひときわ特徴的であるのが中立のオークション・ハウスです。
普段は交流できないアライアンス陣営のプレイヤーとホード陣営のプレイヤーが、お互いにアイテムを出品し合って売買できる、唯一の金品の交換手段を提供していました。
ガジェッツァンの競売人は、そのガジェッツァンの中立オークションを取り仕切る進行役のことを指します。
次の拡張セットの発表が約10日後に迫っています。
このタイミングにおける意味深なガジェッツァンのイラスト・メッセージは、拡張セットのテーマとして示唆されているのであろうと、にわかにコミュニティの間で噂され始めました。
テーマがガジェッツァンに確定したとばかりに盛り上がるコミュニティに対して、
「今後に他の場所からポストカードが届くかもしれないし、ガジェッツァンだけがテーマであるとは限らない」
というような慎重論を述べるプレイヤーもいました。
確かにその通りではあります。
ただ、ハースストーンのRedditのユーザーであるBillHicksBoiiiさんが4日前に発見していたある事実が、「ガジェッツァン確定派」を大きく後押しすることになりました。
その発見とは――
「gadgetzan.com」というドメイン名をブリザード社が取得していたことです。
「ワン・ナイト・イン・カラザン」のリリース時にも「karazhan.com」が特設サイトのURLとして用いられていました。
ガジェッツァンをほのめかす公式メッセージが発せられてからは、「ガジェッツァンがテーマで『gadgetzan.com』が用いられる拡張セットがリリースされる」という見方が強まる状況になりました。
なお、この発見をして投稿し、投稿直後はあまり相手にされなかったBillHicksBoiiiさんに対しては、「あんたは正しかった!」と称える返信が、公式のツイート以降に複数寄せられています。
そして26日未明には、公式サイトにおいてガジェッツァンで発行されている新聞が突如として掲載されました。
これをもってガジェッツァンが次期拡張セットに深く関わることが確定的になったために、当サイトでもこうしてガジェッツァンの特集の展開を開始する次第となりました。
ガジェッツァンといえばゴブリン――
切り離せない関係であるため、ガジェッツァンがテーマとなる拡張セットには、ゴブリン種族が多数登場することでしょう。
交易都市のガジェッツァンは、ゴブリン種族の連合の中で最大の規模を誇るスチームウィードル・カルテル(Steamwheedle Cartel)の本拠地でもあります。
ガジェッツァンの住人のほとんどは、そのスチームウィードルに所属するゴブリンたちなのです。
スチームウィードルは、世界中のあらゆる地域で取引先とのコネクションを持ち、運送ルートも豊富に確保している一大商人連合です。
さらなる利益を求めて、何と過去の世界であるドラエナ大陸まで出張して商売を拡張したこともあるなど、アゼロスで最も商魂たくましい集団として知られています。
商大公ガリーウィックスが束ねるビルジウォーター・カルテル(Bilgewater Cartel)はホード陣営だけと取引する連合ですが、スチームウィードル・カルテルはアライアンスともホードとも分け隔てなく取引することで事業を大きく発展させました。
そのために、スチームウィードルが居を構えるガジェッツァンは、両陣営のプレイヤーが利用できる中立都市になっているのです。
ハースストーンでは、すでにスチームウィードルの狙撃兵が、スチームウィードルに所属するゴブリンとして登場しています。
スチームウィードルの実質的な統率者である商大公スチームウィードル(Trade Prince Steamwheedle)が、「World of Warcraft」に先駆けて登場する(あるいは正体を明かす)のではないかという期待の声も挙がっています。
「旧神のささやき」のリリース時には、「World of Warcraft」でも登場していなかった旧神のン=ゾスが、ハースストーンの舞台で最初に姿を現したことが話題になりました。
ガジェッツァンといえばゴブリン――ゴブリンといえばメカと爆発物――
そう連想されるのは自然なことです。
私たちの記憶には、大好評を博した「ゴブリン vs ノーム」セットがあるのです。
ノームと共に同セットの主役になったゴブリンたちは、多数のメカ・ロボットや危険な爆発物を私たちに提供しました。
ゴブリンが操縦する手動操縦のシュレッダーや、メカを操るゴブリンのブラストメイジたちは、メカ種族をメインに据えるメック・デッキをもたらしました。
ゴブリンが発明した火器のフレイムキャノン、光爆弾、闇爆弾などは、「ワイルド・フォーマット」の環境においては今も活躍しています。
「ランダム要素やぶっ飛んだ強さのカードまみれになるのはもう勘弁」
など、「ゴブリン vs ノーム」の再来については、コミュニティの間で賛否両論がある模様です。
「英雄ボルヴァー・フォードラゴンや獣の神マローンよりも、クエスト対象に過ぎない爆弾魔ドクター・ブームが知名度高くなる悪夢再び」
などといったフィードバックも見受けられました。
メカ種族ではなく海賊や盗賊が主役となる可能性は十分にあります。
その理由は5つもあります。
まず、ガジェッツァン、およびスチームウィードル・カルテルが、昔から海賊の被害に悩まされていることです。
南海の甲板員らが所属する南海の海賊団(Southsea Pirates)や、ブラッドセイルの略奪者らが所属するブラッドセイル・バッカニーア(Bloodsail Buccaneers)は、スチームウィードルの交易品を略奪することで生計を立てていました。
「World of Warcraft」においては、これらの海賊を倒すごとに、スチームウィードル・カルテルからの信頼度が上昇します。
次に、海賊種族に焦点をあてるカードセットが過去に1つもなかったことです。
「ゴブリン vs ノーム」でメカ種族に、「ブラックロックマウンテン」でドラゴン種族にそれぞれ焦点があてられた際には、いずれの時点においても他の種族――とりわけマイナーな海賊種族など――に注力するカードセットが将来登場するかもしれないと公式に示唆されていました。
3つ目の理由は、公式ツイッターがガジェッツァンのポストカードを掲載する前に、海賊のクラッグ船長のイラストを掲載していたことです。
「金曜日の仕事が終わったときは…」というメッセージが添えられたこのツイートは、休日を迎える心境をクラッグ船長のイラストで表現した、特別な意味はない単なるつぶやきであると思われていました。
もし、その海賊のイラストの掲載に特別な意味があったのならば――近日中に海賊が台頭することになる発表の前触れだったのかもしれません。
4つ目の理由は、公式サイトに掲載されたガジェッツァンの新聞の記載内容にあります。
新聞は、ガジェッツァンに銀行が設立されたことを一面で報じており、ガジェッツァン市長の「これまで爆弾やコドーの突撃による強盗が多発していたが、この最新式の銀行の設立によって街の財産は守られる」というコメントを載せています。
ガジェッツァンに貯蓄されている金銀財宝を、盗賊がかすめ取ろうと暗躍している舞台であることが読み取れます。
最後の理由は、直近のパッチによって、イセリアルの売人の能力が「他クラスのカードのコストを減らす」から「ローグ以外のカードのコストを減らす」に変更されたことです。
「今後のリリースに備えて」能力を修正する必要があったと公式に発表されていました。
既存の怪盗紳士のような、他クラスのカードを「盗む」ような能力を持つ海賊や盗賊が、新しい拡張セットで複数登場するのかもしれません。
イセリアルの売人と同様に、「今後のリリースに備えて」能力を修正されたのがマーロック種族です。
「マーロック・デッキ同士の対戦をより面白くするため」に、4種のマーロック・カードの能力が、両軍ではなく自軍のマーロックだけを対象とするようになりました。
マーロック・デッキ同士の対戦が実現するだけのマーロック種族が、新カードセットに含まれることになるとも考えられます。
ただ、ガジェッツァンは水辺に位置するものの、ガジェッツァンとその周辺にはマーロックが存在しません。
もしガジェッツァンが忠実に再現されるのであれば、マーロックとマーロックに関する能力は登場しないことになります。
「ゴブリン vs ノーム」で脇役として登場したオーガたちが、再び姿を表す可能性はあります。
ガジェッツァンの新聞で掲載された銀行の支配人は、マフィア風の装いである双頭のオーガです。
公式ツイッターでも、銀行をバックにオーガが突進している動画が掲載されています。
「World of Warcraft」のゲーム内においても、ガジェッツァンの南部にオーガの部族が複数点在しています。
「50%の確率で指定していない敵を攻撃する」ような能力が、また追加されるのでしょうか。
前述したとおりに、ガジェッツァンを代表する施設は中立オークションです。
ここでプレイヤーは、違う陣営に所属するプレイヤーとアイテムを売買することができます。
ガジェッツァンの新聞に掲載された銀行もあります。
「World of Warcraft」における銀行は持ちきれないアイテムを保管する施設であり、首都以外で銀行がある街は大変珍しいケースとなります。
最新の鍛冶場や工場があり、高性能な武具や爆弾が生産されています。
ゴブリン種族は製造物の販売も大きな収入源としているため、新拡張セットでは特殊な武器や火器、防具が多数登場するかもしれません。
街の中央には、ドーム形状の檻のような建物である闘技場が存在します。
見物客が格闘と殺りくを観て楽しむための施設で、プレイヤーたちはこの闘技場で勝利するクエストを受注することができます。
ガジェッツァンは、砂漠が広がるタナリス(Tanaris)地方にあります。
タナリスの西部には、神格化されたヒドラであるガーズリラを崇拝する秘境の地があります。
大昔にトロル種族が建設した砂漠の街であるズル=ファーラク(Zul’Farrak)で、今もトロルの信者が多数棲息しています。
ガジェッツァンの付近で行方不明となった者たちは、ここのトロルたちによって捕らえられたのであり、何らかの巨大生物の食欲を満たす生贄として捧げられるのだという噂が流れています。
タナリスの南部には、時の洞窟(Caverns of Time)と呼ばれる空間が地下に広がっています。
ここは、ノズドルムが率いるブロンズ・ドラゴンたちの本拠地です。
彼らは、ここからアゼロス大陸の時系列を管理していて、旧神に冒されたタイム・トラベラーによって過去の世界が不正に操作されないよう監視しています。
ハースストーンの公式フェイスブックには、ガジェッツァンのポストカードの高画質版が掲載されています。
そのポストカードを拡大して、よく見てみると――
外枠で反時計回りに、以下の文章が記載されていることが判明します。
Mayor Noggenfogger is not responsible for any accidents, burglaries, thoughtsteals, mind visions, hellfires, vanishes, whirlwinds, revenges, lightbombs, elemental destructions, excavated evils, consecrations, holy novas, flamestrikes, demonwraths, starfalls, shadowflames, swipes, explosive traps, arcane explosions, brawls, DOOM!s, lightning storms, blizzards, twisting nethers and other Acts of Old Gods, magical mayhem or disfigurement that may ensue.
No beasts, demons, dragons, mechs, murlocs, pirates or totems were harmed, abused, disfigured, dismembered, declawed, detailed, decommissioned, exorcised, disarmed or toppled in the creation of this postcard.
We take no responsibility on the claims made on this souvenir of propaganda, or any predictions, suppositions, predictions, prophecies, harbingers, omens, portents or conclusions that may arise.
ここでいう「Safe」の単語は、協定の合意事項を構成する意味ではありません。
また、安全、セキュリティー、保護、維持、安心、信用、確実性、信頼性、信ぴょう性などの単語を意味するものでもありません。
ガジェッツァン市長のNoggenfoggerは、いかなるアクシデント、強盗、思念奪取、思念透視、地獄の炎、退散、旋風剣、報復、光爆弾、精霊崩壊、掘り出されし邪悪、聖別、ホーリーノヴァ、フレイムストライク、悪魔の憤怒、星の雨、影の炎、なぎ払い、爆発の罠、魔力の爆発、乱闘、破滅!、ライトニングストーム、ブリザード、捻じれし冥界、旧神たちの活動、魔法による破壊行為、およびそれに付随する損傷の、いずれの被害に対しても責任を負わないものとします。
このポストカードを製造する際には、獣、悪魔、ドラゴン、メカ、マーロック、海賊、トーテムのいずれも、負傷、損傷、抜爪、詳述、解体、退散、武装解除、破壊されることがありませんでした。
私たちは、この宣伝のための土産品で展開した主張や、起こり得る予測、推測、予想、予言、前兆、予感、前触れ、終末に対して、一切の責任を負わないものとします。
深い意味はないのでしょうが、悪漢によって安全が脅かされていそうな雰囲気は感じ取れます。
相手のカードを盗み取る呪文や、全体攻撃の呪文ばかりが羅列されているのは気になるところです。
来週末の「BlizzCon 2016」における本発表の前に、今後も新拡張セットに関する情報が小出しにされるものと思われます。
あれこれ予想するこのひとときも、新しい拡張コンテンツを待つ間の楽しみの一つです。