「仁義なきガジェッツァン」は公式の二次創作です。
設定やキャラクターの大半は、ハースストーン独自のコンテンツです。
原作であるWarcraftの世界から流用した要素は「ガジェッツァンというゴブリンの港町」だけ(※1)です。
すなわち、全プレイヤーが持つ原作の予備知識の格差が、最も少ない作品だと言えます。
今からハースストーンを始めるプレイヤーも、既存のハースストーンやWarcraftのプレイヤーも、それぞれ同等に、目新しいオリジナル・ストーリーを体験することになります。
誰もが一から見聞する「仁義なきガジェッツァン」の舞台を、これまでに発表されてきた全ての公式情報(※2)を基にして解説します。
「ガジェッツァンが砂漠地帯にあるゴブリンの交易都市であること」
「デスウィングの地殻変動によって海に接して港町になったこと」
の2点だけが、Warcraftの世界と共通するバック・ストーリーです。
※2
参照した情報は、公式サイト、公式ツイッター、公式フェイスブック、開発陣の投稿、「BlizzCon 2016」における公式アナウンス、タランのバー(第1回と第2回)です。
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この事変は、貿易を活発にさせる港や観光客をもたらすビーチの設置を可能とし、ガジェッツァンを大いに発展させました。
ガジェッツァンの急成長に比例するように、活動を激化させている集団がいます。
ガジェッツァンに昔から巣くう、ガジェッツァンの裏社会の住民たちです。
繁栄する前のガジェッツァンは、大陸の中央から遠く離れた薄暗い地方都市の一つであり、様々な「ならず者」たちが好んで拠点としていました。
監視が届きにくく、人種や職種を問わずに訪問者を受け入れる中立地であったため、非合法の活動を行うのに適した場所だったからです。
そして、ガジェッツァンを拠点とする大規模な犯罪組織が3つ誕生しました。
その3大組織はいま、それぞれ他の2つと対抗するために、勢力をにわかに拡大させようと躍起(やっき)になっています。
大都市に変貌して経済力が莫大となったガジェッツァンを裏側から取り仕切り、得られる多大な利権を独占しようとしているからです。
今回は、その3大組織の1つである「カバール」について掲載します。
「グライミー・グーンズ」の特徴が暴力と武器であるのに対し、「カバール」の特徴は知力と魔法です。
頭が良くても、やることは犯罪まがいの行為ばかりである秘密結社です。
いわゆるカルト集団であり、一部の宗教団体のように世間の目が届かない場所で、隠れながら非人道的な実験や研究に明け暮れています。
ガジェッツァンで最も狡猾であり、ひねくれた頭脳派組織として知られています。
「カバール」の代表的な資金源は薬品類です。
思想はおかしくても頭脳は明晰であるため、彼らが精製するポーションには抜群の効能があります。
その手の魔法使いたちからは絶大な支持を受けています。
おおっぴらに販売できない非合法の薬物を、裏路地で密かに売りさばいて大金を得たりもしています。
無免許の魔法サービスの斡旋(あっせん)を手掛けるなど、監視が行き届かないガジェッツァンにおいて効率よく資金を稼ぐ術を知り尽くしているのです。
高い知能を活かした策略や陰謀によって、ずる賢くガジェッツァンの裏社会の一角やメガマーケットの一帯を手中に収め、勢力を拡大させています。
ガジェッツァンに港ができてからは、材料の密輸が容易となったため、その度合がますます強くなっています。
認可されていない錬金術実験所が爆発するなど、連日にガジェッツァンで魔法的な事件が発生している要因は、表面化し始めた「カバール」の飛躍的な台頭であると噂されています。