毎年仕様が変化するハースストーンの公式世界大会は、今年からシーズンごとに地域予選が開催されることになりました。
日本国内でも冬季、春季、夏季に、それぞれ日本選手権が公式の地域予選大会として開催されました。
その最初の日本冬季選手権で優勝し、冬季の日本代表となったプレイヤーがmattun選手です。
古参のプレイヤーであり、「Wikiリーグ」の共同開催者となるなど、日本語版のリリース以前からハースストーンの普及に多大な貢献を果たされました。
海外のオンライン大会に高頻度で参加し、そこから平常心をコントロールする術を学んだというmattun選手は、果たしてその成果が現れたのか、極度に低いコンディションという悪条件をはねのけて頂点に立ちました。
今日だけは僕が日本一だ!!!
— まッつん (@mattun_hs) 2016年3月13日
続く日本春季選手権では、弱冠18歳であったJako1910選手が優勝しました。
日本語版のリリースからプレイし始めたJako選手は、わずか8か月余りのプレイ経験で優勝したことが取りざたされましたが、実際には冬季シーズンのポイント・ランキングで5位に入っており、半年未満のプレイ経験で冬季選手権に出場していた新星選手でした。
習熟するための配信観戦も、ハースストーンにはびこるランダム性も、「楽しい要素」であるとして進んで自らに取り入れて、高い実力に変換することで頂点に立ちました。
日本一になったよ、わーい
— 死体 (@jako1910) 2016年6月5日
日本夏季選手権では、開発陣のJason Chayes氏も見守る中で、GundamFlame選手が優勝しました。
GundamFlame選手は早稲田大学の現役学生で、2015年6月にプレイを開始されました。
Jako選手と同様に、配信の観戦によって実力をつけ、ランダム性も「気にならない」としていますが、希望の終焉ヨグ=サロンの1プレイごとに一喜一憂する姿は大変印象的でした。
アメリカのシカゴで小中高時代を過ごしたGundamFlame選手は、後のアジア太平洋夏季選手権において通訳を介することなくインタビューに応じ、現地の視聴者からも「流暢(りゅうちょう)な英語を話す日本のプレイヤー」と評されました。
日本夏季予選優勝しました!これからAPAC優勝に向けて頑張ります!
— GundamFlame (@GundamFlame) 2016年9月11日
正確に言えば日本国内の大会ではありませんでしたが、最後の決勝大会出場者を決めるアジア太平洋・最終選抜大会に、日本代表としてTansoku選手が臨みました。
Tansoku選手は、ハースストーンのリリースの初年度から活躍を続けている日本有数の強豪です(※2014年8月期 アメリカ10位 ―― 2016年11月期 アメリカ30位・アジア84位)。
各地域の年間ポイント・ランキングの上位だけが集う最終選抜大会でも、同選手は日本の首位であるばかりか、アジア太平洋全体でも3位という堂々たる成績を引っさげて出場しました。
私が今年の全試合の中で最も白熱して視聴した決勝戦では、3-3までに至る接戦を演じる、気迫あるパフォーマンスを披露されました。
決勝大会進出まで本当にあと一歩というところでしたが、Tansoku選手を破ったChe0nsu選手も、後に世界ベスト4まで進出する実力者でした。
年の瀬に、改めて以上の4選手を2016年の「日本の顔」として、ぜひ胸に刻んでいただきたいと思っています。