今回発生した議論においても、新規プレイヤーの救済案がコミュニティのフィードバックの多数を占めています。
やはり、低ランク帯で「フリー・デッキ」と「レア・エピック・レジェンド満載デッキ」がマッチングするのは誰もがおかしいと感じているし、経験者側も低ランク帯で自らが「初心者狩り」を引き起こすことは快く思っていないようです。
- 初心者向けのツールであるデッキ・レシピを活用してはどうか。
「Heroes of the Storm」の無料ヒーローのように、週替りで無料の完成版デッキ・レシピをプレイできる「デッキ・レシピのフリー・ローテーション」を搭載する。
カード資産が皆無である新規プレイヤーに適した措置となる。 - クラシック・パックを始めとした、最新ではなくなったカードパックとアドベンチャーの値下げ。
あるいは、最新ではなくなったセットのカード作成コストの減少。
常に最新セットだけを購入する経験者との間にある、カード資産の差を埋めやすくするはず。 - ランク20に到達するまでランクを下げない新参向けの措置が、逆に新参の障害となっている気がする。
一度ランク20に突入してしまうと、何度負けてもランク21に戻ることがなくなるため、経験者相手の完敗を立て続けに喫する可能性が高まる。
プレイ履歴や総合戦績によって、負けても降格しない最低ランク数をプレイヤー個別に定めるべき。
当然ながら、「スタンダード」の採用前と同様に、議論に参加している大多数は熟練のプレイヤーたちです。
肝心である、新規参入者や初心者本人の声は拾いづらい状況にあります。
それでも、その少数の意見を何とか集約すると、経験が浅いプレイヤーは総じて「対等な相手と対戦したい」と望んでいるようです。
ゲームの開始初日からレジェンド Card Backを装着しているような相手と対戦することもある、現行のマッチ・メイキングを、根本的に手直しすることが当の新規勢から求められています。
経験者向けのランク戦の改革に対して最も多かった意見が、ランク・システムそのものの改良です。
中でも、HearthPwnに投稿したSpaiikzさんの意見が大変興味深い内容でしたので、以下に紹介します。
「League of Legends」を始めとした数々の対戦ゲームで採用されている、レーティング制のポイントとリーグ・システムを、ハースストーンのランク戦にも導入してほしい。
- レーティング制のポイント
ハースストーンのランク戦は、どんな相手と対戦しても毎回同じ数だけ星が増減する仕様。
その代わりとして、プレイヤーごとに定められる内部レーティングを設けて、それに基いて対戦後に増減量が変化するポイント制を導入しては。
仮に実力差が離れたプレイヤー同士がマッチングされたとしても、格下側は負けてもポイントをほとんど失わず、逆に番狂わせを演じれば多量のポイントを得る。 - 内部ディヴィジョン制度があるリーグ・システム
1つのランク(階級、Tier、メダル)ごとに、内部に3~5程度のディヴィジョンを設け、ポイントが規定数に到達するとディヴィジョンの昇格または降格が発生する構造。
昇格と降格に条件を付加すれば、実力不相応のランクへ移行するケースが少なくなり、ランクの向上に対する意欲も強まる。
最上位のランクにおいては、人数を大幅に制限して、特別な順位付けのルールを設ければ、現在の不評であるレジェンド・ランクの順位争いを改善できる。
ランク戦における報酬の向上も、安直ながら効果的であるとして支持を集めている意見です。
先ほどのSpaiikzさんは、ランク戦の報酬の改革について以下のように提言しています。
ランクごとに、属しているプレイヤーに相応する報酬を選別して用意しては。
例えば、低ランクの報酬は全て「クラシック」パックにする。
ランクが上昇するごとに報酬の「クラシック」パックの割合を減らし、最新パックの割合を増やす。
高ランクの報酬は全て最新パックにして、最上位ランクの報酬はパックのチケットにする。
チケットは将来に発売されるセットのパックと交換できるアイテムであり、最新パックですら収集し終えた上級者も喜べる報酬になる。
また、月ごとにランクの報酬を与えるのではなく、特定のランクへ到達するたびに報酬を発生させるという提案は、ハースストーンのリリース初年度から根強く支持されています。
ランク20に到達した時点ですぐ報酬のCard Backを贈呈し、そのシーズンの最中にCard Backを使用できるようにするという提案は、以前から当サイトも挙げています。