コボルトは、ファンタジーRPGなどのゲームにおいて、よく序盤で登場する小型の敵対キャラクターとして知られています。
それは「World of Warcraft」においても例外ではなく、コボルトたちはレベル5~30程度のエリアでプレイヤーたちを襲ってきます。
臆病で群れをなす特徴は共通していますが、一般的なコボルトの頭部が犬に似ているのに対して、Warcraftのコボルトは大型ネズミに似ている半獣人種族となっています。
平均身長は120cmほどであり、生存時も死後もひどい悪臭を放っていて、薄暗い環境の中でも視認できる目を持っています。
Warcraftの世界のコボルトは、考古学者ブラン・ブロンズビアードの説によると、太古にタイタン種族が創造したトログ種族が進化した生物であるとのことです。
知能はそれほど高くなく、危険な生物や大型の生物からなるべく離れた鉱山の付近で生活しています。
コボルトの群れが特別に脅威であると人々から見なされたことはありませんが、彼らは繁殖力が非常に高いゆえに、大きな集団を構成して活動していることには警戒されているようです。
村民たちは、「コボルトを1体発見したら、その近くに100体はいると思え」と忠告し合っています。
コボルトたちは、日常的に鉱石の発掘に取り組んでいることが知られており、鉱石を含んでいる鉱山や洞くつを棲み家としています。
そのために、大抵は発掘作業用の大型スコップやツルハシを手にしていて、侵入者を襲うときには、それらを武器としても扱います。
Warcraftのコボルトを最も特徴づけている要素が、彼らが鉱山や洞くつの中で照明として用いているロウソクです。
彼らは、ロウソクを頭に取り付けながら採掘をしています。
コボルトの伝説の中に、コボルトたちが他の種族に棲み家の洞くつを占拠されて、追い出されるというエピソードがあります。
その種族が真っ暗な洞くつの内部で消息を断ったことで、コボルトたちは「あいつらは闇に飲み込まれた」と結論づけました。
そのときにコボルトたちはロウソクを明かりとしていたために、このロウソクが「闇の吸収」から身を守るものだと信じ込みました。
低能なコボルトたちは、その言い伝えを胸に深く刻むあまりに、より高性能な照明のランタンなどが普及しても、かたくなにロウソクを明かりとして用いることにこだわっています。
コボルトのロウソクに対する執着心の強さは、彼らの「You no take candle! = ロウソク、盗る、ダメ!」という定番のセリフからも伺えます。
コボルトがハースストーンのテーマの主役に据えられることは、サプライズ性がある抜擢(ばってき)と言えます。
Warcraftのプレイヤーの誰もが知っている存在ではあるものの、主役となるほどの存在感があったとは言い切れないからです。
しかしながら、キャラクター・デザインを務める開発陣は皆、コボルトのキャラクター像の発展的な創造が、予想以上に楽しい作業であったことを説明しています。
そうであるがゆえに、コボルトをすでに知るプレイヤーたちも、そうした多種多様なコボルトの出現を大いに楽しむことができるだろうと、開発陣は自信をもってアピールしています。
今回の拡張セットの主題は、まず「ダンジョンとお宝」がベースとして定められました。
その主題に、地底深くまで掘り進むコボルトたちが結び付けられ、「採掘中の彼らが禁断の墓所のお宝を発掘してしまう」という今作のストーリーの序章が組み立てられました。
「コボルトと秘宝の迷宮」は、レジェンド武器でWarcraftの世界観を表現しつつも、個性が乏しいコボルトたちを多様にハースストーン流でアレンジした、オリジナル要素が満載となる拡張セットです。