3. 「ナーガの海の魔女」の変更と「ワイルド・フォーマット」の調整について
Dean Ayala
- プレイヤーが広告を掲載してまで抗議していたことには気付いていた(笑)。
かなりの長い期間に渡って私たちが議論してきたことなので、ようやくこうして発表できたことを嬉しく思っている。 - ナーガの海の魔女を用いて巨人ミニオンを複数召喚するコンセプト自体は、大変面白みがあるアイデアであると個人的にも思っている。
そのナーガ採用デッキに対して、当初にデータが長期に示していた事実は、これが「ワイルド」の対戦環境において衰退傾向であるということだった。 - しかしながら、プレイヤーたちが熱心に研究して磨き上げ続けたことによって、「ナーガ巨人デッキ」は日々向上していき、ついにはデータも「これは簡単に消えゆく存在ではない」という指標を示し始めた。
これまでに蓄積された「ナーガ巨人デッキ」にまつわる事柄も考慮すると、その指標の変化は、これを修正しなければならないことを私たちに即決させた。
Peter Whalen
- 第5ターンという極めて早い段階で巨人を並べるナーガ・デッキは、風変わりな「ワイルド」環境においても特別に異端の存在だった。
高い攻撃力、高い体力、そして盤面のミニオンの数――皆さんが捉えている以上の懸念材料を、他の要注意デッキと同様の頻度で議論し続けてきた。 - 重要であることは、「ワイルド」が素晴らしくもクレイジーであると同時に、それが楽しい経験をもたらすプレイ・モードとして存在し続けること。
「ナーガ巨人デッキ」は、ディーンが述べたように、広く普及した上に、対戦時の楽しさを損なわせる危険性をはらんでいた。
Dean Ayala
- 特定の強力な戦術が、与えられているカード・プールの範囲内で対処することが困難になると、それがバランス調整を実施する主な理由となる。
「ワイルド」には広範囲なカード・プールが用意されていて、プレイヤーが比較的容易に対抗手段を編み出すことができるので、「スタンダード」ほどバランス調整を実施する機会が多くない。 - 「スタンダード」も「ワイルド」も、調整の方針はほぼ変わらない。
これまでに「ワイルド」のバランス調整の頻度が低いからといって、私たちが「ワイルド」を軽視している訳では決してない。
Peter Whalen
ナーガの海の魔女を以前の仕様(マナコストを5にした後はコストの変動を受け付けない)に戻すことも選択肢の一つとして考えていた。
他にも、カードのプレイ数の制限を設けさせたり、次にプレイするカードだけをコスト変動の対象にする雄叫びに変える、などの選択肢があった。
明かしきれていないほどに多かった修正案を前にして、どうすればよいかと悩んでいた際に、問われたのは「ナーガ巨人デッキは本質的に失敗しているのか?」ということだった。
「巨人を並べる行為自体がマイナス要素なのか?」
「それとも第5ターンでそれが実行されることがマイナス要素なのか?」
――私は、ナーガを介して巨人を並べるメカニズムはダイナミックな要素であると思っている。
誰もが巨人ミニオンを場に配置し、誰もが独自のデッキを構築できる。
そして、多数の巨人ミニオンでデッキを満たすという、他とは少々異なる戦術をとることができる。
そのような可能性を完全に排除したくなかったからこそ、私たちは「ナーガ巨人デッキ」の根幹を変えたくなかった。
私たちは「ナーガ巨人デッキ」のメカニズムを気に入っているし、こうしたユニークな要素が「ワイルド」に存続してほしいので、このデッキの愛好家のためにも、これがプレイされる機会を残すことを決断した。
したがって、そのプレイが実行されるターンをもっと遅らせることが、最良の修正になると判断された。
マナコストを増加するという修正内容についても、6マナにするのがいいか、7マナか、8マナか――と、やはり大いに議論された。
最終的に、ナーガが巨人を並べ尽くすという能力にふさわしいタイミングは、第8ターンであるという結論に至った。