9. 「クリスタルコア」の変更とクエスト・ローグについて
Peter Whalen
- クエスト・ローグの調整の背景には2つの要因があった。
その1つは、「ウィッチウッド」の新カードである獰猛なスケイルハイドが、クエスト・ローグというデッキと非常に好相性だったこと。 - もう1つは、クエスト・ローグが、特定のメタ環境においては唐突に力を行使し始める性質を持つデッキであること。
対戦するデッキとの相性が極端であり、現在の「スタンダード」のローテーションにおいては再び過剰に荒ぶるようになっている。 - クエスト・ローグのデッキは楽しく、プレイヤーのスキルを試し、多様な興味深さを内包している存在だ。
そして、5/5のミニオンでラッシュを仕掛けるという、ネガティブな感情をもたらす悪い要素もはらんでいる。 - 「5/5化」を「4/4化」に落とすことで、対戦相手には倒されるまでの猶予時間が十分に与えられるはずであり、残り体力によっては1ターン内の瞬殺という事態も起こりづらくなるだろう。
すでにクエストを達成したクエスト・ローグのミニオン群を排除できる手段――トゥルーシルバー・チャンピオンやフレイムストライクなど――も増やされることになる。
Dean Ayala
- クエスト・ローグのかつてのメタ環境における役割は、超長期戦用のデッキやFatigue(疲労)デッキのカウンターとなることだった。
そうした存在意義を残しておきたいという考えが前提にある中で、「4/4化」という修正は、弱体化となっても依然として超長期戦デッキに対しては好相性という特徴を失わせない調整になる。 - 以前までは、一般的な中~長期戦用デッキであっても、ダメージを与え続けることでクエスト・ローグに競り勝てることもあったが、獰猛なスケイルハイドの急襲攻撃の反復がバースト・ヒールを発生させるようになってからは、そうして競り勝つことも困難になった。
今回の修正によって、その中~長期戦用デッキがクエスト・ローグと相対した際に、第1ターンにおけるクエストのセットが敗北の運命を告げるかのような、極端な試合展開にはならないと思われる。
10. 「動員」が前環境の期間中に修正されなかったことについて
Dean Ayala
- 前環境における新兵パラディンは大変面白みがあるデッキだったが、マーロック・パラディンは動員をベストなカードとして扱っていなかった事情もあった。
現環境になってからパラディンの全体的な人気度が爆発的に高くなり、パラディンというクラスがいまのメタ環境にリスクを負わせる存在になったことから、この時点における動員の修正が決断された。 - Peterはまた違った考えを持っているかも知れないが、動員が存在する以上は、2マナのミニオンをデザインしづらくなったと私は感じ始めていた。
新しく発行する2マナのミニオンの質が中程度であったとしても、動員をさらに強くすることになってしまうという悩みが生じていたことも、これが修正の対象になった要因の一つだった。