2018年6月期に開催されたハースストーンのゲーム内イベント「時をかける酒場」では、28種の闘技場専用カードが登場しました。
時空操作を得意とする時の匠トキがイベントの主役を務めていることから、その闘技場専用のカード群の多くが「時間」や「過去の世界」などをテーマにしてデザインされています。
中でも、ひときわ注目を集めているカードが、レジェンド・ミニオンのクロミー(Chromie)です。
クロミーは時の匠トキと同様に時空を操る能力を備えていることから、ハースストーンの世界においては二人が友人関係にあるという独自の設定があります。
それゆえに、トキが主役となるイベントに、クロミーがこのようにして関与してきたという訳です。
クロミーは、「Heroes of the Storm」のヒーローとして登場したことで認知度を大きく高めましたが、実際には「World of Warcraft」がリリースされた2004年から、同作品ですでに登場していたキャラクターです。
Warcraftの世界におけるクロミーは、アゼロスの時系列の管理を任されているブロンズ・ドラゴン(Bronze dragonflight)の一体であり、本名はクロノルム(Chronormu)といいます。
ドラゴン種族は一般的に、アゼロス大陸の文明と接する際には人間やエルフの姿に変身することが多いのですが、クロノルムは珍しく小型種族のノームに変身するドラゴンであり、そのノームでいる間はクロミーと名乗るのです。
クロノルムが担当している任務は、主にアゼロスの歴史の整合です。
この世界が培って(つちかって)きた歴史が、その経緯どおりに保たれ続けるよう監視することです。
ときには過去の時代に干渉できる能力を持つ者が、史実をねじ曲げようとして昔の出来事の操作を試みることがあり、そうした有事が発生すると、クロノルムはその時系列への不当な関与を阻止します。
彼女は任務へ臨むにあたって、プレイヤーたち冒険者に協力を仰ぐことも度々あり、ノームの姿であるクロミーとして現れては、協力を要請する内容のクエストを授けていました。
ハースストーンで登場したクロミーには、そのような彼女の特徴にふさわしい、過去のアゼロスの「歴史的大事件」を扱うという能力が与えられています。
4種類存在する「歴史的大事件」はいずれも、それぞれの時点からのアゼロス史のゆくえを大きく左右した、Warcraftの世界では有名な事件です。
次項より、その4つの「歴史的大事件」を全て解説します。