「ゲーム内大会」の実装保留
炉端の主人が任意の「炉端の喧嘩」を1つ炉端の集いに追加できる
大会モードの実装が取り止められて保留に
コミュニティが開催するハースストーンのオフライン・イベント「炉端の集い」では、そこでしかプレイできない「炉端の喧嘩」を楽しめます。
「酒場の喧嘩」と同じように特別なルールが設けられる「炉端の喧嘩」は、月ごとに対戦ルールが変わり、その初プレイ時にはヒーロー・スキンのネムシー・ネクロフィズルの報酬が発生します。
今後は、月ごとに定められるレギュラーの「炉端の喧嘩」に加えて、主催者は提示されるライブラリから1つの喧嘩を選び、それを追加の「炉端の喧嘩」として参加者にプレイさせることができるようになると発表されました。
その「炉端の集い」を奨励することが目的の一つであった、ゲーム内で大会を開催する機能の実装が、残念ながら現在は保留状態に入ったことが報告されました。
「ゲーム内大会」にはハースストーンのソーシャル面での機能を担う(になう)ことが開発陣から期待されているようであり、現状の開発段階における「ゲーム内大会」は限られた層にしか訴求力(そきゅうりょく)がなく、期待に応えられない内容だと判断されたとのことです。
求められる品質標準に達しないコンテンツを実装するくらいならば、それを中止にすることは英断だと評価しますが、それにしてもこの実装保留は唐突、かつ理由がよくわかりません。
実装の発表があった半年前から、「招待状」「デッキ認証処理」「公式大会のルール採用機能」「実装時はデッキのBanは非搭載」「ベータ・テスト実施予定」等々の、実に具体的な搭載予定機能が公表され続け、つい先月のインタビューにおいても「間もなく主要な機能などが紹介される」として、今夏のリリースに向けての意欲が確認された矢先の保留発表です。
保留の理由である「付け足した感じの低い品質標準」はまだしも、「ソーシャル機能の不十分」に関しては説明が不十分であり、「このままでは非常に限定されたプレイヤー層向け」とは一体どんな層を指しているのかも判明せず、今回の中止の判断に至った経緯は実に不明瞭だと断言せざるを得ません。
やむを得ない中止の決断は開発陣の間でも無念の思いを広めたことでしょうが、それは実装の発表から喜び楽しみにしていたファンの間でも同じことであり、彼らが納得できる中止の理由の説明が必要だったと思います。
その実情は私たちには伺い(うかがい)知ることができず、コミュニテイは「トーナメント・モードの実装に深く携わっていたBen Brode氏とYong Woo氏の退社の影響」「iOS版の起動エラーが未だに直っていないのでそれどころではないはず」「実は(特に大勢のカジュアル層には)需要が大きくないのでは」などといった独自の憶測まで広げています。
中止の真相も再開の可能性も不明ですが、とにかく「ゲーム内大会」の実装を要望するコミュニティと、「ゲーム内大会」について独特の理想的なビジョンを描いている開発陣との間に、大きなギャップがあることは間違いないようです。
もし将来的に「ゲーム内大会」の実装がハースストーンにとって有用であると判断されて、その実装が再考された際には、コミュニティと開発陣との間で深く議論が交わされることが重要であると思います。
「妥協なく満足できて全てのプレイヤーが楽しめるゲーム内大会」の理想形とは何であるのかが開発陣から説明され、どのような機能が用意されれば満足するのかをコミュニティが建設的に訴えるというような、この半年間で十分には成されなかった対話をする場が必要です。