
ピーター・ウェイレン
- ルナは「コボルトと秘宝の迷宮」の頃から開発されており、当初は「デッキの一番上のカードも使用できる」という能力を備えていた。
デッキのトップ・カードの連続プレイも可能だった。 - トップ・カードをプレイヤーに見せた上で、それを手札内にドラッグすることも可能となる仕様だった。
それを実現させるためのユーザー・インターフェースを追加する際には大きな支障があって、特にデッキが描写されているところの限られたスペースを用いることが難しかった。
“自分のデッキの一番上にあるカードをプレイできる。”

ピーター・ウェイレン
- アート・チームの誰かが、デッキのトップ・カードではなく、単に手札の右端のカードを能力の対象にしてはどうか、というアイデアを提案した。
右端カードの使用時にデッキのトップ・カードが引かれることになれば、ゲーム・プレイ時における効果の様相はほとんど変わらない一方で、インターフェースの新規追加に関して頭を悩ませる必要がなくなる。 - このアイデアは実際に素晴らしかった。
ごく簡単に実装できるばかりか、プレイ面においても「少なくとも召喚直後に、すでに見えている右端の手札1枚だけは確定的に能力の対象にできる」という、より優れたデザインになる。 - もしハースストーンが物理版のカードゲームであったならば、「デッキのトップ・カードを見る」という行為は簡単に実現させることができただろう。
一方で、気軽にシャッフルされ得る手札の「右端カード」を能力の対象にさせることは難しいはずであり、それに関するイカサマも発生してしまうかも知れない。
逆にデジタル版のカードゲームならば、画面上で位置が固定され続ける手札の「右端カード」を指定させることは、物理版とは違って大変容易となる。