レポートのフィードバック: #2
フィードバックに対するVicious Syndicateの返信
フィードバックに対するVicious Syndicateの返信
続いて、レポートを発信したVicious Syndicateによる、コミュニティのフィードバックに対する返信を掲載します。
※レノやケレセスですら実際に引いてプレイせねば効力を発動しないのに、最初からゲーム・プランの始動を確約させる「試合開始時に発動」や「クエスト」はやり過ぎであるように感じられる――というフィードバックに対して
今回の主題に関連するゲーム・デザイン面の苦悩を、的確に言い表しているフィードバックだと思う。
もし、デッキから引かれることに依存するカードを戦略の中心とするデッキが組まれた場合は、そのカードを引けるかどうかが勝率を揺れ動かし、時としてプレイヤーにストレスを与えることになってしまう。
一方で、効果の発動が確約されているカードを戦略の中心とするデッキが組まれた場合は、予測どおりの試合展開となる確率が高まり、結果としてプレイヤーの意思決定の重要性が薄れてしまう。
※「ガジェッツァン」環境が、「海賊・レノ・翡翠のじゃんけん」環境だからこそ相性差平均が低かったのは興味深い――というフィードバックに対して
その「ガジェッツァンのじゃんけん」の相性差平均が「60%対40%」であったのに対し、現在のメタに含まれる「じゃんけん」の相性差平均は「80%対20%」程度まで跳ね上がっている。
※熟練したプレイヤーは「不利マッチ」においても優れた意思決定を発揮できるはずではないか――という趣旨の多くのフィードバックに対して
一方が極端に有利となるマッチアップは、高いレベルになるほど、その相性差が広がる傾向にある。
この事実は、私たちが検証中に気付いたことであり、ディーン・アヤラ氏も認めている。
対抗手段が乏しい対戦においては、その対戦の構造を深く理解する熟練プレイヤーであるほど、そのアドバンテージをより有効的に扱うからだ。
※メタ環境におけるデッキの相性差の拡大は、その環境の全体的なデッキのバランスの指標と関連があるのか――という問いに対して
相性差の拡大は、時としてデッキ・バランスを整えることもあるが、直接的な相関関係は認められない。
「ウィッチウッド」環境においては、相性差の拡大とデッキ・バランスの低下が同時に発現していた。
「旧神」環境においては、相性差が拡大されることなく、デッキ・バランスの向上が果たされた。
※理想的なメタ環境とは、常に相性差が「50%対50%」となる環境であることを意味しているのか――という問いに対して
相性差は、基本的に害悪な存在ではなく、善悪をはっきりと決定付けられる要素ではない。