先日に、新カードの採用率の不足を嘆く意見がRedditに投稿されました。
最新のラスタカン環境で最強候補のデッキである「奇数パラディン」は、月を食らうものバク以外、全て去年までに発行されたカードだけで構成されているというのです。
バクを除いた29枚のいずれにも、今年にリリースされた「妖の森ウィッチウッド」「博士のメカメカ大作戦」「天下一ヴドゥ祭」の各セットのカードが1枚も採用されておらず、「2018: ワタリガラス年」の全体的なパワー・レベルの低さが示されていると訴えられました。
そうした意見を始めとした、2週目に入る「天下一ヴドゥ祭」の新環境に関する様々な議論に、開発陣のディーン・アヤラ(Dean Ayala)氏が参加して応答しました。
その応答内容を以下に掲載します。
「奇数パラディン」にはバク以外に今年発行されたカードが採用されていない

ディーン・アヤラ
- デザイン上の一般的な狙いとして、一つの拡張セットに大変強力なアーキタイプが存在する場合は、そのアーキタイプに対して強力なカードを改めて追加しないようにする。
そのような措置によって、他のアーキタイプがそれに追いつけるようになる。 - 「奇数パラディンの構成カード全てが強くて合理的には置き換えられない」というよりも、むしろ「奇数パラディン用の強力なカードを意図的に加えなかった」――
あなたがここで示した事実は、後者の方と深く関係している。
それでは1年間に渡ってパラディンに有用なミニオンを用意しないということなのか

ディーン・アヤラ
- 「奇数パラディン」も「偶数パラディン」も、攻撃的、あるいはテンポ重視のデッキであるから、速攻をもたらすような強力なカードを来年にパラディンへ与えることは難しいだろう。
- しかしながら、そのようなアーキタイプ以外のところでは追加の余地がたくさんあるし、パラディンはセットのローテーションによって多くを失う。
ならば恒常的にトップ・ランクに位置し続けるドルイドには強力なカードを提供し続けてきた理由は
プルンプルン・フループやドリームペタル栽培師などのツールをドルイドに加えたのはなぜか
「マリゴス・ドルイド」や「トグワグル・ドルイド」が台頭する前にこれらをデザインしたのか
「マリゴス・ドルイド」や「トグワグル・ドルイド」が台頭する前にこれらをデザインしたのか

ディーン・アヤラ
- 基本的に、プルンプルン・フループとドリームペタル栽培師はいずれも、「マリゴス・ドルイド」や「トグワグル・ドルイド」の強度を少しだけ高めるツールという認識があった。
それらを与えても、既存の「トークン・ドルイド」や「挑発ドルイド」のような強度が高いデッキまでには至らないであろうと考えられた。 - プルンプルン・フループとドリームペタル栽培師が存在しなければ、現在のドルイドの多様性は失われていただろう。
その是非については異議を唱えてもらっても構わないけれど :)
バクがもたらす強化版のヒーローパワーを弱体化することを検討したことはあるか
――例えば「2体の1/1を召喚 → 1体の2/2を召喚」や「装甲を4獲得 → 装甲を3獲得」など
――例えば「2体の1/1を召喚 → 1体の2/2を召喚」や「装甲を4獲得 → 装甲を3獲得」など

ディーン・アヤラ
- 実際には両方とも検討したことがある。
- 「奇数ウォリアー」のようなデッキは、かなり極端なメタ環境において出現し、それから去りゆくのであれば何の問題もない。
長期に渡って5~10%ほども採用率が認められ続けた場合には、いよいよデッキに変化をもたらすことを真剣に考慮せねばならないだろう。 - 「奇数パラディン」については、確かにほとんどの環境において最高のデッキではあったが、それほど悪影響を及ぼしているとは言いがたい。
これにはカウンターとなる戦術がいくつか存在するし、大抵は面白いミニオン同士の戦闘を繰り広げるからだ。 - 「奇数パラディン」の欠点はもちろん、約8か月以上という長期間に高い使用率を保持し続けていたこと。
現時点のデータの観測からは、日々にメタが変化している様子が確認されているので、今はまだ最新の環境の評価段階にある。
無限リソース系の戦術を抑止するためには良質なアグロ・デッキの存在が必要だ

ディーン・アヤラ
- その通り。
私たちは、カードに変更を加えるときは、それによってどのような影響が生じるのかを必ず検討する。
いま「奇数パラディン」に手を加えるという行為は、「キングスベイン・ローグ」のようなデッキがメタを支配するという現象を生じさせる恐れがある。 - 私は、キングスベインというカードもキングスベイン・デッキも気に入っている。
ただ、長期に最高の使用率であり続けることによって、面白い対戦環境をもたらすような存在であるとは思えない。
2~3セット分ほど前もって開発されている新カード群は最新のメタ環境を考慮してリリース直前に修正されるものなのか

ディーン・アヤラ
- 私たちは、セットのリリース直前には、2週間ほどのテスト・プレイを再び行い検証している。
- また、私たちは大変多くのテスト・プレイを(他の作業に加えて)実施してきていることを付け加えたい。
2~3セット分を先に開発しているとしても、それぞれを数か月間ほどは個々のメタの環境下においてテストしている。 - 来年の最初のカードセットなどは、ほとんど全てのカードのデザインが完了している訳だが、その最終的なカード・バランスの決定は「天下一ヴドゥ祭」環境のメタが明確となるまで保留されている。