当ガイドで紹介する5番目のオペレーションはVendoring Operation(NPC取引オペレーション)だ。
街中に存在するVendor NPCとの取引の自動化を果たす機能である。
TSMの金策においては、アイテムを生産する際に、Vendor NPCが販売している素材が必要となるケースも少なくない。
そのような素材をあらかじめグループに登録しておけば、NPC取引オペレーションを介して楽に補充できるようになる。
早速オペレーションを設定していく。
「/tsm」 → 上部「Operations」タブ → 左部「Vendoring Operations」に進む。
「Vendoring Operations」の右にあるプラス「+」ボタンを8回押して、オペレーションを8つ新設する。
その1つの新設オペレーションの右側の設定画面で、右上の「Rename」よりオペレーション名を「Buy 0020」に、「Buy Options」下の「Restock quantity」を20に、「Sell Options」下の「Enable selling」をNoにそれぞれ変更する。
他の7つのオペレーションも、以下のとおりにオペレーション名と「Restock quantity」の値を変更し、それぞれ「Enable selling」をNoにする。
Buy 0040 / 40
Buy 0100 / 100
Buy 0200 / 200
Buy 0400 / 400
Buy 1000 / 1000
Buy 2000 / 2000
Buy 4000 / 4000
オペレーションを用意したら、今度はその指令先となるグループの増設だ。
上部の「Groups」タブに移る。
ここで新しく親グループを作成する。
左部の「Base Group」の右にあるプラス「+」ボタンを押して、親グループを1つ新設する。
右上のペン型アイコンを押して、そのグループ名を「Vendoring」に書き換えよう。
今度はその「Vendoring」グループの右にあるプラス「+」ボタンを8回押して、子グループを8つ新設する。
右上のペン型アイコンを押して、それぞれの子グループの名前を以下のとおりに変更する。
Buy 0040
Buy 0100
Buy 0200
Buy 0400
Buy 1000
Buy 2000
Buy 4000
「Buy 0020」のグループを選択して、右部の「Operations」タブに移り、そこから「Vendoring Operations」の「Override Parent Operations」のチェックをオンにして、先ほど作成した「Buy 0020」のオペレーションを選択する。
他の7つのグループに関しても同様に、それぞれのグループ名と同じ名前のオペレーションを適用させていく。
これでNPC取引オペレーションを活用する準備が完了した。
今後は、NPCから購入する素材アイテムを「Buy 0020」のグループに登録すれば、グループ購入の1ボタンだけで在庫が20個になるまで購入できるようになる。
同様にして「Buy 4000」に登録した素材アイテムは、グループ購入をすると在庫が4000個になるまで一括購入されるようになる。
その挙動を実際に確認してみよう。
何でもよいから、最寄りのVendor NPCより安値のテスト用アイテムを1つ購入する。
そのアイテムを、先ほど作成した「Buy 0020」のグループに登録する。
再びそのNPCに話しかけて取引画面を開き、上部の「Groups」タブに移行する。
そこで、先ほどアイテムを登録した「Buy 0020」のグループだけを選び、「Buy Groups」をクリックする。
Bagの中に、そのアイテムが20個になるまで購入されたはずだ。
テストが終わったら、いま登録したテスト用のアイテムを忘れずにグループから外しておこう。
大量生産するにあたって、NPCから購入できる素材アイテムは、オークションではなくNPCから購入するのが鉄則だ。
オークションに出品されているそれらは全て、転売で利益を生むためのぼったくり価格で販売されていると認識する。
とはいえ生産のたびにNPCのもとへ赴き、必要量の素材をいちいち買うのも面倒だ。
だからNPCが販売する素材も買いだめする訳であるし、その買いだめを補助する購入オペレーションによる一括購入を活用する訳だ。
今後は、日常的に使用するNPC販売の素材は全て、それぞれ「Vendoring」の在庫数別の子グループに割り当てていく。
NPCが販売する素材には相場が存在せず、常に価格が一定であるために、余剰をさほど気にせず多めに買い置きしてもよい。
そのアイテムの消費量と保管スペースを鑑みて購入個数を割り当てよう。
先ほど転売の事情に触れたが、転売する側になる設定も実に簡単だ。
「Vendoring」のグループに出品オペレーションを適用させるだけでいい。
「Operations」タブの「Auctioning Operations」で新しいオペレーションを作り、名前を「Vendor Mats」、「Post cap」を20~4000の任意の値、「Minimum price」を 400%VendorBuy 、「Maximum price」と「Normal price」を 100000%VendorBuy にそれぞれ変更する。
400%VendorBuy は、「Vendor NPCから購入する際の購入代金の4倍」を意味する数式であり、売却できれば購入代金の3倍分が利益となる。
この%も任意の値に変えてよい。
そして「Groups」タブで「Vendoring」の親グループを選択し、右部の「Operations」タブの「Auctioning Operations」に、この「Vendor Mats」の出品オペレーションを適用させる。
オークションで「Vendoring」グループを選択してグループ出品を走らせると、購入代金の4倍以上で売れる場合に限り、指定した数だけNPC販売アイテムを出品できるようになる。
あくまで小銭稼ぎの手段であり、安定した収入源になるとはとても言えない。
ただ、通常の生産アイテムの出品と異なり、在庫の補充が極めて楽なのは確かだ。
何せ生産という労働を必要としないので、1クリックのNPCグループ購入と、1クリックのオークション出品だけで済む。
リアルの「転売ヤー」がはびこるのも妙に納得できる手軽さだ。
この金策もやはり、通常の生産アイテムの出品と同様に「いまのエンド・コンテンツで使われる消耗品と装備品」に着目する。
それらによく用いられる素材アイテムが売れ筋になりやすい。
自分も使う素材アイテムを出品するとなると在庫の管理が煩雑になるが、自分が使わない素材アイテムに関しては気軽にトライできる。
大量に買いだめして在庫数を多く保つならば、Vedoring Operationの設定にある「Buy Options」下の「Sources to include for restock」のオプションの活用も検討しよう。
このオプションにある各保管先にチェックを入れると、その保管先に残存する在庫も所有数としてカウントされる。
その上で、指定した「Restock quantity」の数までを補充する購入をしてくれるようになる。
例えば、登録したアイテムを100個Bagに所有している場合に「Buy 400」のNPC取引オペレーションを走らせると、そのアイテムは300個購入されて合計400個になる。
その前に「Sources to include for restock」のBankのオプションを有効にしていると、銀行に預けている同じアイテムの数も所有数としてカウントされるようになる。
この設定でBagに100個所有し、銀行にも100個預け入れて「Buy 400」のNPC取引オペレーションを走らせると、そのアイテムは200個購入されて合計400個になる。
大量に買いだめする素材アイテムは、銀行、メール・ポスト、Guild Bankなどの保管庫でも保管されることになるケースも多い。
その場合にこの「Sources to include for restock」を活用すれば、在庫の管理がより整然とする。
Vendor取引の際に出現する、TSM版のNPC取引パネルについても言及しておこう。
他のTSM版の各種パネルと同様に、右上にある「WoW UI」のボタンを押せば、通常のUIのパネルに戻すことができる。
逆に、通常のパネルの右上にある「TSM4」のボタンを押せば、TSM版のパネルに切り替えられる。
上部の「Buy」タブでは、個別にアイテムを購入できる。
ここでTSM版パネルを用いる利点は「Shift+右クリック」で任意の数のまとめ買いができることだ。
通常パネルとは異なり、購入数の上限がない(正確には99,999個まで)ので、数百数千と大量買いをしたいときには非常に便利だ。
購入数が大きくなるほど誤購入の損害も大きくなるので、購入アイテムは入念にチェックしよう。
「Sell」タブは、Vendorへ売却する所持品の表示リストを管理できることに意義がある。
だが、それを管理するための肝心のフィルターが、バグによって長年機能していない。
現状では「Sell Trash」で不用品を一斉に売却できることくらいしか使い道がない。
「Buyback」タブでは、通常パネルとは異なり「Buyback All」ボタンで全てを買い戻せる。
「Groups」タブは、これまでに解説したVendoring Operationsを走らせる場となる。
Vendor取引に関する補足情報を掲載する。
前述したとおりに、Vendorから購入できる素材は、必ずオークションではなくVendorから購入しよう。
オークションで出品されているそれらの全ては、転売目的で高値が付けられている(Vendorより安ければ転売集団が速攻で買い占める)。
そんな高値で購入した素材を用いて生産しても、利益が減るどころか赤字に転落することもある。
金策するつもりがないプレイヤーがNPCまで行く手間を省くために、高値を承知で購入するものだと認識しておく。
VendorからMatsを買うときには、Reputationによる割引を常に意識しよう。
最高ランク「Exalted」のFactionのもとでは、Vendor NPCからの購入費用が2割引となる。
この割引の有無がもたらす影響は決して小さくない。
Orboreal Shardなどは1つあたりの価格が125Gにもなるのだが、Exalted割引で購入する場合は2割引の100Gとなり、25Gも購入費用を節約できることになる。
これを40個も50個も使用するLegendary装備品の作成の際には、1000G以上もの利益差が生じるのだ。
面倒くさがらずに、購入先のNPCが所属するFactionのReputationを「Exalted」まで高めておき、大量の買いだめをする際には必ず「Exalted 2割引」が適用されるNPCから購入しよう。
Traveler’s Tundra Mammoth、Grand Expedition Yak、Mighty Caravan Brutosaurなどの、Vendorも召喚されるMountに乗ると、そのVendor NPCからもアイテムを購入できる。
屋外ならどこでも購入できるので利便性は高いが、Reputationの購入割引がない。
Enchanting Vellumなどの格安な素材の緊急補充時などに有用となる手段だ。
次回は、素材を砕くDestroying(Disenchant、Milling、Prospecting)機能と、保管庫との間で所持数をコントロールするWarehousing機能について解説する。
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