Blizzard社が主催する公式世界大会「Hearthstone World Championship」は、世界中にいるHearthstoneプレイヤーの中から最高の1人を決める大会です。
その2014年度の決勝大会がいよいよ開幕します!
Legendランクのプレイヤーだけが集う厳しい地域予選を勝ち抜き、この決勝大会へ進出した選手はわずかに16名です。
果たしてどの選手が優勝賞金の10万ドル(1,100万円超)と2014年度の世界王者の称号を獲得するのでしょうか!?
今年度最大のHearthstoneのイベントを、より楽しく視聴するためのガイドを掲載します。
目次
アメリカ地域予選から4名、ヨーロッパ地域予選から4名、中国地域予選から4名、韓国地域予選から2名、台湾地域予選から2名がそれぞれ進出し、その16名が世界一をかけて戦う大会です。
決勝大会は2つの開催地に分けて行われます。
まずは11月2日と3日に、アメリカのカリフォルニア州にあるESL・バーバンク・スタジオで開催されます。
11月7日と8日には、いよいよ舞台が「BlizzCon 2014」に移り、ここで世界一のプレイヤーが誕生します。
「BlizzCon 2014」は、Blizzard社が主催する大型イベントです。
アメリカのカリフォルニア州にあるアナハイム・コンベンション・センターで開催されます。
総額25万ドルの賞金が用意され、決勝大会へ進出した全選手に賞金が贈られます。
決勝大会の優勝者には10万ドル、2位には5万ドル、3位と4位には1万5千ドル、5位から8位には7千5百ドル、9位から16位には5千ドルがそれぞれ贈られます。
- グループ・ステージ – ESLスタジオ 第1日
開始日時: 11月2日 午前10時(日本時間: 11月3日 午前3時) - グループ・ステージ – ESLスタジオ 第2日
開始日時: 11月3日 午前10時(日本時間: 11月4日 午前3時) - グループ・ステージ – 「BlizzCon 2014」第1日
開始日時: 11月7日 午前9時45分(日本時間: 11月8日 午前2時45分) - プレ・ショー – 「BlizzCon 2014」第1日
開始日時: 11月7日 午前11時45分(日本時間: 11月8日 午前4時45分) - グループ・ステージ – 「BlizzCon 2014」第1日
開始日時: 11月7日 午前12時(日本時間: 11月8日 午前5時) - 準々決勝 – 「BlizzCon 2014」第1日
開始日時: 11月7日 午後6時30分(日本時間: 11月8日 午前11時30分) - プレ・ショー – 「BlizzCon 2014」第2日
開始日時: 11月8日 午前10時(日本時間: 11月9日 午前3時) - 準決勝 – 「BlizzCon 2014」第2日
開始日時: 11月8日 午後10時30分(日本時間: 11月9日 午前3時30分) - プレ・ショー – 「BlizzCon 2014」第2日
開始日時: 11月8日 午後0時30分(日本時間: 11月9日 午前5時30分) - 決勝 – 「BlizzCon 2014」第2日
開始日時: 11月8日 午後1時(日本時間: 11月9日 午前6時)
以下の配信サービスより視聴できます。
ライブ中継後の録画配信も用意されます。
(※補足: 決勝大会の配信は無料で視聴できます。「BlizzCon 2014」のバーチャル・チケット等を購入する必要はありません。) (※補足: スポンサーの協力により、韓国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語(LA)、スペイン語(EU)、ロシア語、ルーマニア語、スウェーデン語、ポーランド語、中国語(台湾)、中国語(中国)の配信も予定されています。)- 決勝大会の全ての対戦には「Best of 5」と「Last Hero Standing」のルールが適用されます。※「Best of 5」 … 3試合先取制。
※「Last Hero Standing」 … 1つの試合に負けた側がデッキを未使用のものと交換し、勝った側はデッキを交換せずに次の試合へ臨む。 - 各プレイヤーは事前に、異なるクラスのデッキを4つ用意します。
対戦前に、それぞれのプレイヤーは対戦相手のデッキを1つ除外します。
除かれたデッキ以外の3つのデッキで対戦へ臨みます。 - 16名の出場選手はランダムに4つのグループへ分けられます。
その際には、各選手が通過した予選地域の重複が起こらないように処理されます。 - 4名の選手がいる各グループで、まずグループ・ステージが行われます。
グループ・ステージはデュアル・トーナメント形式です。・初戦で勝利 → 1勝同士の対戦で勝利 → 次へ進出(2勝0敗)
・初戦で勝利 → 1勝同士の対戦で敗北 → 1勝1敗同士の対戦へ
・初戦で敗北 → 1敗同士の対戦で勝利 → 1勝1敗同士の対戦へ
・初戦で敗北 → 1敗同士の対戦で敗北 → 脱落(0勝2敗)・1勝1敗同士の対戦で勝利 → 次へ進出(2勝1敗)
・1勝1敗同士の対戦で敗北 → 脱落(1勝2敗) - グループ・ステージを通過した8名は、負けたら脱落する形式のシングル・トーナメントへ進出します。
組み合わせは、初戦に各グループの1位と2位が相対するようにして、ランダムに決定されます。
グループ | 予選地域 | 国籍 | 選手名 | 所属チーム | ランキング |
---|---|---|---|---|---|
A | アメリカ地域 | アメリカ | DTwo | DKMR | World: #013 |
A | ヨーロッパ地域 | デンマーク | Numberguy | SK Gaming | World: #028 |
A | 中国地域 | 中国 | Tiddler Celestial | ViCi Gaming Hearthstone | World: #007 |
A | 台湾地域 | 台湾 | Tom60229 | yoe Flash Wolves | World: #033 |
B | アメリカ地域 | アメリカ | Tarei | Team Magicamy | World: #022 |
B | ヨーロッパ地域 | イタリア | Kaor | Powned Team | World: #037 |
B | 中国地域 | 中国 | Nicolas | Team L | World: #006 |
B | 韓国地域 | 韓国 | RenieHouR | Golden Coin | World: #023 |
C | アメリカ地域 | アメリカ | Firebat | - | World: #012 |
C | ヨーロッパ地域 | イギリス | Greensheep | Team Dignitas | World: #055 |
C | 中国地域 | 中国 | Qiruo | World Elite HS | World: #046 |
C | 韓国地域 | 韓国 | Kranich | Golden Coin | World: #187 |
D | アメリカ地域 | アメリカ | StrifeCro | Cloud 9 | World: #020 |
D | ヨーロッパ地域 | ウクライナ | Kolento | Cloud 9 | World: #001 |
D | 中国地域 | 中国 | RunAndGun | - | World: #021 |
D | 台湾地域 | 台湾 | FrozenIce | yoe Flash Wolves | World: #246 |
DTwo
本名: Daniel Ikuta
国籍: アメリカ合衆国
年齢: 27歳
所属チーム: DKMR
リンク: Twitter / Twitch
ランキング: 世界 13位 / アメリカ地域 3位
最終予選 使用デッキ: Druid, Hunter, Shaman, Warlock
プロフェッショナル集団の「Don’t Kick My Robot」に所属。型にとらわれず、大会ではめったに見かけないカードを戦術に組み込む。ゲームの仕組みをよく理解していて、独創性に富む選手。
(※補足情報: DTwo選手は日本語が堪能な日本在住の選手です。)
Tarei
本名: Jeffrey Liu
国籍: アメリカ合衆国
年齢: 23歳
所属チーム: Team Magicamy
リンク: Twitter / Twitch
ランキング: 世界 22位 / アメリカ地域 7位
最終予選 使用デッキ: Druid, Hunter, Rogue, Warlock
大会の出場歴は少ないが、だからといって彼を競争圏外の選手と捉えるのは早計だ。Ranked Playの高ランクで、勝利へのプロセスを研究し続けた技巧派選手。得意とするRogueデッキで栄光をつかむ。
Firebat
本名: James Kostesich
国籍: アメリカ合衆国
年齢: 18歳
リンク: Twitter
ランキング: 世界 12位 / アメリカ地域 2位
最終予選 使用デッキ: Hunter, Priest, Shaman, Warlock
アメリカ地域のRanked Playではシーズン総合成績2位。速攻型のデッキを好み、類まれなる攻撃的センスを発揮して決勝大会進出を果たす。
Numberguy
本名: Filip Samuelsen
国籍: デンマーク
年齢: 17歳
所属チーム: SK Gaming
リンク: Twitter / Twitch
ランキング: 世界 28位 / ヨーロッパ地域 10位
最終予選 使用デッキ: Druid, Priest, Rogue, Warlock
若干17歳ながら、カードゲームではすでに達人の域に。どれほど困難な試合に直面しても――例え友人かつチームメイトのNeirea選手と対峙しても――驚異の安定感を発揮し続ける。大会で注目すべき選手の一人。
Greensheep
本名: James Luo
国籍: イギリス
年齢: 16歳
所属チーム: Team Dignitas
リンク: Twitter / Twitch
ランキング: 世界 55位 / ヨーロッパ地域 23位
最終予選 使用デッキ: Druid, Paladin, , Shaman, Warlock
決勝大会最年少選手。ローカルのFireside Gathering Open Tournamentを勝ち上がって予選の出場権を獲得し、以降は堂々たるパフォーマンスを披露して決勝大会に進出した。
Tiddler Celestial
本名: Wang Xie Yu
国籍: 中国
所属チーム: ViCi Gaming Hearthstone
ランキング: 世界 7位 / 中国地域 3位
最終予選 使用デッキ: Warlock
中国地域の最終予選を無敗で通過した唯一の選手で、この全勝劇でも用いられたZoo Warlockの名手。Zoo Warlock以外を披露することがなかったために、他のデッキの戦術を秘めたままにしていることがアドバンテージとなる。
Nicolas
国籍: 中国
所属チーム: Team L
ランキング: 世界 6位 / 中国地域 2位
Qiruo
本名: Wang Jia Hui
国籍: 中国
年齢: 20歳
所属チーム: World Elite HS
ランキング: 世界 46位 / 中国地域 8位
最終予選 使用デッキ: Rogue, Warlock
中国代表の最年少選手でありながら洗練されたスキルを見せる。大会出場の経験不足が不安視されるが、「絶対に降伏しない」という彼の強い精神力がそれを補う。
RunAndGun
本名: Zhang Li Cheng
国籍: 中国
ランキング: 世界 21位 / 中国地域 5位
最終予選 使用デッキ: Druid, Hunter, Rogue, Shaman
経験豊かなHearthstoneプレイヤーで、「Chinese College Starleague」の覇者。HunterデッキとRogueデッキの名手であり、緻密な計算のもとでミスを最小限に抑えるプレイ・スタイルが特徴。
Tom60229
本名: Wei-lin Chen
国籍: 台湾
所属チーム: yoe Flash Wolves
ランキング: 世界 33位 / アジア地域 4位
相当な数のオンライン対戦が行われた台湾予選の通過者。Warlockデッキによる堅実なプレイで決勝大会進出を果たした。
FrozenIce
本名: Shih Kuang Chu
国籍: 台湾
所属チーム: yoe Flash Wolves
リンク: Twitter
ランキング: 世界 246位 / アジア地域 13位
Tomと共に、大規模な台湾地域予選を勝ち抜いたもう一人の選手。堅実なTomとは正反対に、Rogueデッキによる攻撃的なスタイルを好む。常に「今とどめを刺せるか?」と考える。
RenieHouR
本名: Jung Hwan Lee
国籍: 韓国
年齢: 21歳
所属チーム: Golden Coin
リンク: Twitter
ランキング: 世界23位 / アジア地域 3位
最終予選 使用デッキ: Druid, Priest, Shaman, Warlock
中国の選手ばかりが活躍した「CN vs KR Masters Season 2」において、グループ・ステージから勝ち上がった唯一の韓国人選手。同大会で3位入賞。今大会でも「e-Sportsの韓国」の誇りをかける。
Kranich
本名: Hakjun Baek
国籍: 韓国
年齢: 21歳
所属チーム: Golden Coin
ランキング: 世界 187位 / アジア地域 8位
最終予選 使用デッキ: Druid, Hunter, Shaman
韓国地域予選において、前韓国王者を鮮やかに倒し、最大の驚きを与えた。その勝利が、周囲が予想しなかった決勝大会進出まで彼を導く。本大会は、彼の高い技術が全て披露される格好の場となる。
過去にHearthstone Expressで掲載した8選手のプロフィール
アメリカ地域代表 プロフィール(クリックで開く)
オンラインにおけるカップ戦でも数多くの受賞を重ねてきました。デンマークのチームであるCopenhagen WolvesがFirebat選手を獲得した報道は、有名なチームのHearthstone参戦に対する驚きと、すでに強豪として名が知れ渡っていたFirebat選手に対する祝福によって、大きな話題となりました。
Phase 2のベスト8では、同じくシード出場を果たしたHyped選手との頂上対決を制しました。
名実ともにアメリカ地域最高の選手として、決勝大会で優勝を目指します。
StrifeCro選手は、長年に渡って「WarCraft 3」や「StarCraft 2」でハイレベルな戦いを繰り広げた、プロ・ゲーマーとしての経験値が高いプレイヤーです。
「Magic: The Gathering」のプレイ経験もある彼は、Hearthstoneがベータテストである頃から頭角を現し、今では世界的に有名なHearthstoneプレイヤーの一人です。
StrifeCro選手はDruidデッキの名手としても有名です。
Force of NatureとSavage Roarを織り交ぜたMid-range Druidの開発者でもあります。
Phase 2でも全ての対戦で初戦からDruidを投じ、そのDruidで9勝の内の5勝を挙げました。
Phase 2へ唯一勝ち上がった日本発のプレイヤーが、決勝大会へ進出しました!
DTwo選手は国籍が日本ではありませんが、日本語が堪能な日本在住のプレイヤーです。
お父様が日本人でいらっしゃるそうです。
日本代表としてのDTwo選手に、ぜひ声援をお送りください。
様々なコミュニティ・サイトに攻略記事を提供し、プレイ動画を配信し、カップ戦の主催まで手がけるプロフェッショナル・チームのDon’t Kick My Robot(DKMR)にDTwo選手は所属しています。
最後に決勝大会出場権を獲得したTarei選手は、勝利インタビューで「シーズンに参加するプレイヤーと現存するデッキはほとんど粗悪であり、きちんとしたデッキで臨めば決勝進出は難しいことではない」と言い切って、周囲の人々とコミュニティを騒然とさせました。
さらには、代表選出候補の一人であったTidesOfTime選手を破ったことを「Ranked Playにおいて何度も叩きのめした相手なので平常通りのこと」と評したことが、大舞台では行き過ぎた態度として物議をかもしています。
ミステリアスな雰囲気に満ちあふれた様子が魅力的なTarei選手は、決勝大会のダークホース(本人にとっては失礼にあたる表現かもしれませんが――)の筆頭として存在感を放ち、新たな大会の興味を提供してくれています。
粗悪とは一線を画すデッキとプレイを期待しています。
ヨーロッパ地域代表 プロフィール(クリックで開く)
Kaor選手は、イタリア・シチリア島の最大都市であるパレルモより参戦したプレイヤーです。
Phase 2で欠場選手が生じたことによる繰り上げ参加でしたが、粘り強い戦いを見せて決勝への切符を勝ち取りました。
140kgものベンチ・プレスを持ち上げる肉体派であり、父親でもあるそうです。
長期戦を得意とするプレイヤーで、Control Priestが彼を代表するデッキです。
Numberguy選手は、まだあどけなさも残す高校生プレイヤーです。
Phase 2では、すべての対戦で2敗からの3連勝による逆転勝利を収めて「ワンダー・ボーイ」と称されました。
同じTeam Innovationに所属していたTheude選手を、Hearthstoneと人生の師として仰いでいます。
そのTheude選手は、痛ましい心的障害によりPhase 2を欠場するばかりかTeam Innovationより脱退しました。
決勝大会ではTheude選手とTeam Innovationのために全力を尽くします。
Greensheep選手はNumberguy選手よりも若い16歳で、おそらくはPhase 2の最年少プレイヤーです。
しかしながら、過去にはポケモン・カードゲームの国内大会で準優勝を収め、同世界大会へ複数回出場するなどの高いカードゲームの経験値をすでに得ています。
8月に開催された「Insomnia52 Intel Hearthstone: Heroes of Warcraft Fireside Cup」では準優勝の栄冠に輝き、トーナメント戦において急激な成長を見せているプレイヤーです。
Kaor選手と同様に、Phase 2で欠場選手が生じたことによる繰り上げで参加しました。
Kolento選手は、圧倒的な高い実力によるプレイを配信して世界中のファンを魅了し続けるプレイヤーで、Miracle Rogueデッキの発案者でもあります。
その高い実力はPhase 2でも遺憾なく発揮され、同じく代表選出候補の一人であったThijsNL選手とのファンタスティックな激戦を制し、75%というトップの勝率を残して決勝進出を遂げました。
注意すべき選手は「いない」、視聴者に対するメッセージは「Keep watching me.」――自他ともに認める欧州最強の選手は、もちろん決勝大会の優勝候補です。
コミュニティが予想する1位通過
50.5% – Tiddler Celestial
22.9% – DTwo
21.0% – Numberguy
5.6% – Tom60229
コミュニティが予想する2位通過
38.1% – DTwo
34.3% – Numberguy
21.0% – Tiddler Celestial
6.6% – Tom60229
アジアの中国代表選手が最も票を集めた唯一のグループです。
Tiddler Celestial選手が本命とされる理由は、最近の大規模な国際大会である「World Cyber Arena 2014」において、並み居る強豪を制して準優勝を果たしたことに他ありません。
彼のZoo Warlockは強烈で、そのデッキで今大会の最終予選を9勝0敗で勝ち抜いたことは記憶に新しいところです。
中国最強の秘密兵器がグループ・ステージを突破することには何の疑問も抱きません。
予想の次点では、DTwo選手とNumberguy選手が拮抗しています。
両選手に共通することは、最終予選を勝ち上がる以前に目立った結果がないことです。
現在のところはDTwo選手がやや優勢とみられています。
DTwo選手は10月末の「Battle of the Best Invitational」でNumberguy選手を直接破り、さらには優勝まで果たしたからです。
しかしながら、Numberguy選手も同大会で3位に入賞する活躍を見せており、現時点での両者の実力差は小さいはずです。
地域予選も含めた情報が乏しいTom選手の実力は未知数で、予想の票数も他の3選手と大きく離れた結果となりました。
コミュニティが予想する1位通過
48.6% – Tarei
21.9% – RenieHouR
21.0% – Nicolas
8.5% – Kaor
コミュニティが予想する2位通過
36.2% – RenieHouR
23.8% – Nicolas
21.9% – Kaor
18.1% – Tarei
予想が極めて困難となっているグループです。
全選手が高い実力を持ちながら、優勝候補とするには決め手が欠けるためです。
Tarei選手が1番人気となった理由は、彼のアメリカ地域予選におけるセンセーショナルな活躍によるところが大きいと思われます。
とりわけ、代表選出の筆頭候補であったTideofTime選手を接戦の末に破ったことは衝撃的でした。
さらには、物議をかもした勝利者インタビューにおける発言や、ただ者ならぬ雰囲気がカルト的な支持を呼び集めたのも人気の理由です。
他の3選手の予想票数も伯仲しており、誰がグループ・ステージを突破しても不思議ではない状況です。
RenieHouR選手は大会での実績を積み重ねており、アジアにおいては中国を制圧できる唯一の韓国人選手とされています。
そのRenieHouR選手を「CN vs KR Masters Season 2」で破り、同大会で優勝して2万ドルを手にしたNicolas選手は、中国の新しいヒーローです。
Kaor選手は実績面では劣りますが、ヨーロッパ地域予選の最終戦において、好プレイヤーであったMrYagut選手を得意のControl Priest一つで制した対戦内容が高い評価を得ています。
コミュニティが予想する1位通過
55.2% – Firebat
26.7% – Greensheep
14.3% – Qiruo
3.8% – Kranich
コミュニティが予想する2位通過
43.3% – Greensheep
30.8% – Firebat
14.4% – Qiruo
11.5% – Kranich
2名ずつの通過予想と脱落予想がはっきりと分かれたグループになりました。
数字上では、Firebat選手とGreensheep選手のグループ・ステージ突破が確実視されていることになります。
ただし、これは全員の実力差をそのまま表した数字ではなく、知名度の差が表れた結果なのだと思われます。
多くの票を集めたFirebat選手とGreensheep選手の活躍は周知されているのに対して、他のアジアの2選手はまだ世界的に知られていません。
Firebat選手はアメリカ地域のRanked Playで総合2位となり、予選の前から抜群の知名度がありました。
ヨーロッパ地域の最終予選において、Greensheep選手が最年少ながら初戦で優勝候補のThijsNL選手を破ったことは、配信を通して鮮烈な印象を与えました。
若さと大会の経験不足からQiruo選手は過小評価されがちですが、現在のQiruo選手は間違いなく中国のトップ・プレイヤーの一人です。
高火力を併せ持つControlデッキで、中国の人気女流プロのailv選手や「NEL S1」覇者のIsland選手といった面々を次々と退けてきました。
事前情報が皆無に等しいKranich選手を推す声が少ないのも無理はありません。
各選手の実力差は、この予想ほどに大きくかけ離れているとは思いません。
実際のグループ内の争いは、熾烈を極めることでしょう。
コミュニティが予想する1位通過
78.1% – Kolento
10.5% – StrifeCro
8.6% – RunAndGun
2.8% – FrozenIce
コミュニティが予想する2位通過
53.3% – StrifeCro
19.0% – Kolento
16.2% – RunAndGun
11.4% – FrozenIce
多くの人が「死の組」と定めたグループです。
アメリカ地域とヨーロッパ地域のそれぞれで人気が高い、StrifeCro選手とKolento選手の両雄が属しているからです。
2名もの優勝候補の存在によって、グループDはグループ・ステージの注目の的になっています。
しかしながら、「死の組」と定められたにもかかわらず、予想票の集中化が最も顕著なグループになりました。
実に97%もの人がKolento選手の2位以上を予想しています。
それほどに、Kolento選手の実力はずば抜けているとみられています。
Kolento選手の存在がなければトップの票を得たであろうStrifeCro選手も、投票者のおよそ2/3の人からグループ・ステージの突破を予想されています。
実のところは、HunterとRogueを得意とするRunAndGun選手は、アジア最強地域の中国の中でも相当の実力者です。
Control系のデッキの経験不足と、無所属ゆえにチームからのサポートを受けられないことが、百戦錬磨の2強との対戦における不安材料ではあります。
FrozenIce選手に関する情報は、Miracle Rogueの使い手であること以外は限定的で、彼の大会における実力は未知数です。
グループDは、「死の組」と呼ばれながらも、実際には通過者と脱落者の予想が最も明確に分けられたグループです。
- Kolento: 5倍
異論なき世界一のプレイヤー。大会の勝率は驚異的。 - Strifecro: 6倍
間違いなくアメリカ地域のベスト・プレイヤーの一人。プレッシャーを己の中に封じ込み、安定したプレイを一貫できるのが強み。 - Tarei: 8倍
アメリカ地域予選において、類を見ないほどの力強いプレイを見せる。 - Greensheep: 8倍
ヨーロッパ地域のダークホース。予選ではKolentoに匹敵するほどの戦績を残す。若い割には大舞台でも平静を保てる。 - Nicolas: 10倍
中国地域のベスト・プレイヤー。プレイやデッキの選択でミスが少なく、安定感がある。 - Firebat: 10倍
ランキング戦では比類なき強さを誇るが、大舞台におけるプレッシャーを受けやすい。自分自身が真の対戦相手となるかもしれない。 - Numberguy: 12倍
大会出場の経験値を持つが、結果に波がある。最下位にはならないであろうが、1位になるのも困難と予想される。 - DTwo: 15倍
アメリカ地域の最終予選では、Tarei戦の敗北以外は力強さを見せる。結果に波があり、ベスト4進出は困難か。 - RenieHouR: 15倍
強豪には間違いないが、即断即決が好手を見逃すことも。プレイのミスも起こしやすい。 - Tiddler Celestial: 20倍
WCAの準優勝者ではあるものの、カード運と相手のミスに助けられた感は否めない。強運が続くかどうか。 - Kaor: 20倍
大会の経験値が不足している。プレッシャーが彼のプレイの出来を大きく左右する要素となる。 - RunAndGun: 30倍
奇妙なデッキの選択をする。大会のメタの理解力に欠け、ミス・プレイもしばしば。 - FrozenIce: 50倍
「Seat Story Cup 2」の予選で8勝0敗という特筆すべき結果を残したものの、大舞台の経験不足は明らか。 - Kranich: 60倍
大規模な国際大会の経験がほとんどない。唯一経験した「CN vs KR Masters Season 2」では初戦敗退。 - Qiruo: 60倍
「CN vs KR Masters Season 2」の初戦でRenieHouRに敗れる。大舞台の経験も不足。 - Tom60229: 75倍
台湾地域予選以外の情報が全くない。それゆえに、最大のサプライズを起こす可能性も秘める。
Charge, Windfury, Divine Shield, Taunt, Stealth, 敵のHeroが致死量のダメージを受けると、それを無効にし、このターンだけ敵のHeroをImmune状態にする。
(※DTwo選手は多趣味、多才なプレイヤーです。配信された試合で、相手のとどめを刺せる手を何度か見逃したことが話題になりました。)Choose One – Savage Roarをあなたの手札に加える。(または)Force of Natureをあなたの手札に加える。
(※StrifeCro選手はDruidの名手として有名で、「Savage + FoN」コンボを備えるMid-range Druidの発案者です。)Battlecry: あなたが参加したFireside Gatheringの数だけ+5/+5を得る。
(※Greensheep選手は、Fireside Gathering Open Tournamentで予選への出場権を獲得しました。)Charge, あなたのHeroのHealthを1にする。このMinionは決して降参しない。Concedeボタンが無効になる。
(※Qiruo選手は負けが確定しても降参しないことで有名なのだそうです。)Spellをプレイすることができなくなる。お互いのターン終了時に、全てのCharacterに3ダメージを与える。
(※Tom選手はWarlockデッキを得意としているために、Hellfireとの関連がありそうな能力です。)Stealth, 敵軍にいるWhelpの数だけ+2/+0を得る。
(※FrozenIce選手はMiracle Rogueの使い手です。Whelpを敵軍に召喚するLeeroy Jenkinsを活用しているものと思われます。)Deathrattle: 古いバージョンのStarving Buzzardを召喚する。
(※昔のStarving Buzzardはコストが2で、Hunterの一強時代を支えました。Kranich選手はHunterを得意としているものと思われます。)大会の進行役を務める、豪華な顔ぶれのキャスター陣を紹介します。
Dan “Frodan” Chou
Hearthstoneの進行役で右に出る者はいない名司会者。世界各国の大会で起用され、公式世界大会の全予選の中継で実況を務めた。
Dan “Artosis” Stemkoski
長いStarCraft 2のプロ・キャリアを経て、コメンテーターとして活躍中。Hearthstoneではプレイヤーとして、去年のBlizzConで開催された大会で優勝。
Isaac “Azael” Cummings-Bentley
World of Warcraftのプロ選手として数々の受賞歴を持ち、BlizzConにも出場。同ゲームのコメンテーターとして活躍中。
Ryan “Realz” Masterson
Hearthstoneの人気プロ選手として活躍後、開発陣の一員として登用される。ゲーム・デザイナーを務める。
Rachel “Seltzer” Quirico
e-Sports界のリポーター、およびジャーナリスト。アメリカ地域の最終予選ではインタビュアーを務めた。
Hearthstoneのシニア・ゲーム・デザイナーで、開発陣の中核の一人。Twitterでの応答が人気。スペシャル・ゲストとして登場予定。
Marcus “djWheat” Graham
e-Sports界で人気のベテラン・コメンテーター。デジタル・ゲームのトーク・ショーや映像作品の配信なども手がける。
Marcin “Gnimsh” Filipowicz
Hearthstoneのプロ選手。数々の大会入賞歴を持つ。Kolento、StrifeCroの両選手が所属する「Cloud 9」のキャプテン。
Jason “Amaz” Chan
Hearthstoneのプロ選手。アジア屈指の強豪で、数々の大会入賞歴を持つ。エンターテインメント性が高いプレイの配信は大人気。
Nathan “ThatsAdmirable” Zamora
Hearthstoneのプロ選手。アメリカ地域の最終予選にも出場。プレイの配信が人気で、IHEARTHU.comへの記事の投稿も手がける。
1年前の「BlizzCon 2013」では、Hearthstoneの公式大会の「Innkeeper’s Invitational」が開催されました。
この大会は、当時ベータテスト中であったHearthstoneのデモンストレーション的な要素を含むスペシャル・イベントでした。
予選などはなく、Blizzard社から招待された以下の有名な8選手によるトーナメント戦でした。
デモンストレーション・マッチであるために、用意するデッキのクラスを重複させないというルールが適用されました。
多種多様なデッキによる対戦を配信し、コミュニティへのアピールとするためです。
この大会で採用された「複数デッキ・クラス重複不可」「デッキ勝ち抜き制」の大会ルールは、(賛否両論あれど)現在でも広く用いられています。
PaladinやPriestのControlデッキが流行していた中で、Artosis選手の速攻型Warriorデッキが決勝戦で炸裂し、同選手が優勝するという結末を迎えました。
BlizzCon – Hearthstone Tournaments
Hearthstone 公式サイト – Hearthstone World Championship Duelist Cards
LiquidHearth – Hearthstone World Championship Preview
HearthPoe – Hearthstone World Championship — Who are the favourites?
Hearthstone: Heroes of Warcraft Wiki – Innkeeper’s Invitational