ハースストーンのプレイヤーを狙ったマルウェア(悪意あるソフトウェア)が広まっています。
セキュリティ・ソフトの「ノートン」シリーズを販売している米シマンテック社は、ハースストーンをプレイしているPCユーザーを指定して、マルウェアの脅威から自衛するよう呼びかけました。
今月にシマンテック社は、ハースストーンの非公式プログラムである「Hearthstone Hack Tool v2.1」に、新種のマルウェアである「Trojan.Coinbitclip」が含まれていることを報告しました。
「Trojan.Coinbitclip」は、仮想通貨であるビットコインを盗み取ろうとするマルウェアです。
ハースストーンは世界的に広く普及されたため、この「Trojan.Coinbitclip」に限定されない、様々なマルウェアがハースストーンのプレイヤーを標的にしていると同社は警告しています。
ハースストーンをプレイする環境にマルウェアが侵入する主要因は、ハースストーンに関連する非公式のプログラムであるとシマンテック社は指摘しています。
その感染元となるプログラムを3種類に大別して紹介しました。
ゲーム内のゴールドやDustを増殖させたり、チートを発動して勝利をもたらすことなどを騙る(かたる)非公式プログラムの総称です。
上記した、新種のマルウェアが含まれていた「Hearthstone Hack Tool」もハッキング・ツールです。
ハッキング・ツールを実行してもゴールドやDustを増やすことはできません。
勝利をもたらすチートが発動されることもありません。 謳い文句の誘惑に引っかかったプレイヤーにインストールさせて、内蔵されているマルウェアを感染させることが目的のプログラムです。
このようなハッキングを謳うプログラムは、絶対にインストールしないでください。
それを紹介するサイトにも訪問しないでください。
プレイを自動化する非公式プログラムのことです。
プレイヤーが離席していても、プレイヤーの代わりにゲームのプレイを延々と続けます。
ハースストーンにおいては、ゴールドの獲得や、ヒーローのゴールデン版ポートレイト(ランク戦500勝が入手条件)の獲得が主な目的として用いられます。
シマンテック社は、こうしたBotプログラムにもマルウェアが混入されている可能性が大いにあると警告しています。
Botプログラムはハッキング・ツールとは異なり、謳い文句どおりに動作するプログラムです。
Botプログラムを使用すれば、マルウェアに感染するリスクが生じるだけでなく、予告なしに永久停止という処罰が下されます。
絶対にインストールしないでください。プレイされたカードをカウントして表示したり、自分のデッキ内に何のカードが残されているのかを表示する非公式プログラムです。
最も有名なトラッキング・ツールは「Hearthstone Deck Tracker」です。
昨年末に、このツールの名前をそのまま写した「Hearthstone Deck Tracker.exe」というファイルから、マルウェアが検出されたことをシマンテック社は報告しています。
同社は、このようなツールを使い続けている限り、マルウェア感染のリスクは避けられないと警告しています。
トラッキング・ツールはBotプログラムとは異なり、使用が公式に禁止されている訳ではありません。
使用してアカウントに処罰が下されることはありません。
しかしながら、ツールの一部にでも、操作の自動化やゲーム・プログラムの改ざんなどの禁止事項を行う仕組みがあれば、その意図がなくとも処罰の対象となってしまいます。
プレイ環境の安全が脅かされるとして、ブリザード社は、トラッキング・ツールを始めとした非公式プログラム全般の使用は推奨されないことだと呼びかけています。
マルウェアに感染すると、知らない内に個人情報が盗まれる、PCや財産が損害を受ける、プライバシーが侵害されるなどの被害に遭います。
Battle.netのアカウントが乗っ取られ、ハースストーンを含めたブリザード社のオンライン・ゲームにおけるプレイ履歴を抹消されることもあります。
長く楽しくハースストーンをプレイするためにも、PCをしっかりと保護し、余計な脅威を近づけないようご注意ください。
シマンテック公式ブログ – Hearthstone add-ons, cheating tools come with data-stealing malware