開始: 2016/04/14(木)06:00
終了: 2016/04/18(月)07:00
開始: 2016/04/14(木)01:00
終了: 2016/04/18(月)19:00
- 全クラスのヒーローが使用可能で、以下のルールに基づいてデッキを作成する。
・呪文カードはコストが偶数であるものしかデッキに組み入れることができない。
・ミニオンカードは攻撃力が奇数であるものしかデッキに組み入れることができない。
- コレクションとして収集したカードだけをデッキに組み入れることができます。
酒場の喧嘩専用のデッキ・スロットは1つだけです。 - デッキに組み入れることができる呪文カードは、コストが0、2、4、6、8、10であるものだけです。
デッキに組み入れることができるミニオンカードは、攻撃力(※コストではない)が1、3、5、7、9であるものだけです。
武器カードに制限はありません。 - コストが奇数の呪文カードや、攻撃力が偶数のミニオンカードは、デッキに組み入れることができないだけで、何らかの理由によって手札に加わればプレイすることができます。
不安定なポータルなどの呪文は、攻撃力が偶数であるミニオンカードを生成する可能性があります。
コストの増減効果によって、コストが偶数から奇数になった呪文カードも問題なくプレイできます。 - 高い攻撃力を持つミニオンを葬る大物ハンターと密言・死は、デッキに組み入れることができません。
他のカードの能力によってランダムに生成されない限りは、これらがプレイされることはありません。
よって、今回のルールにおいては、攻撃力が高い(とりわけ7以上の)ミニオンを気兼ねなく起用することができます。 - 敵のミニオンに沈黙を与えることができるのは、プリースト専用カードの沈黙と大いなる解呪だけとなります。
よって、今回のルールにおいては、ミニオンを強化する能力の利用価値が高まります。 - 多用されるであろう3/3や3/2のミニオンを複数駆逐できる、3/4のミニオンは大きな戦力となり得ます。
攻撃力が4であるミニオンを起用できないために、序盤戦から中盤戦にかけては処理しづらいミニオンです。同様に、攻撃力が4であるミニオンに倒されることがない、中盤戦における5/4のミニオンの利用価値も高まります。
攻撃呪文を多用するミッド・レンジ向けのデッキです。
※アップグレード候補となるレア、エピック、レジェンド・カード
不安定なポータル → 宝飾スカラベ ナイフ・ジャグラー → 苦痛の侍祭 ヴァイオレット・アイの講師 → クモ戦車 ハリソン・ジョーンズ → 酸性沼ウーズ シルヴァナス・ウィンドランナー ドクター・ブーム 大魔術師アントニダス パイロブラスト → 動物変身→ 大怪盗ラファーム
今回のルールは、「Challengestone」の第1回のルールをそのまま踏襲したものです。
「Challengestone」は、underflowR氏とKripparrian氏が企画および考案し、TempoStormが主催する招待制の大会です。
酒場の喧嘩が始まる直前に開幕していて、酒場の喧嘩と同様に特殊なルールを毎回課すことが特徴です。
参加者のプレイの技量だけでなく、デッキの構築能力も問うことを趣旨としています。
その第1回「Challengestone」には、Lifecoach、Trump、StrifeCro、Xixo、Chakki、Savjz、Brian Kibler、Hypedの各選手が招待されました。
大会の模様はTwitchのTempoStorm公式チャンネルで中継され、総額3,000 USドルの賞金が用意されました。
3試合先取制のシングル・エリミネーションのトーナメントで、Brian Kibler選手が優勝しました。
そのKibler選手が、自身のブログにおいて、第1回「Challengestone」について振り返っています。
その内容の日本語訳を、以下に無断で転載させていただきます。
当時は「グランド・トーナメント」と「リーグ・オブ・エクスプローラー」のカードが存在していませんでしたが、今回の酒場の喧嘩へ臨む際には参考となる部分が大いにあると思われます。
20分という限られたデッキの構築時間の中で、以下の4つの要素を心に留めていました。
「このルールにおいて、使用できる最良のカードは何か?」
「このルールにおいて、使用できない最良のカードは何か?」
「このルールによって、利用価値が上がるカードは何か?」
「このルールによって、試合展開の速度がどのように変化するのか?」
最初に頭によぎったのは、このルールにおいて使用できない「偶数の攻撃力を持つミニオン」の中で、試合に大きな影響を与える能力を持つものです。
鉄嘴のフクロウ、スペルブレイカー、木立の番人が使用できないということは、ミニオンたちが沈黙を受ける機会が激減することを意味します。
黒騎士が使用できなくなることで、大型の挑発ミニオンたちはより強力となります。
サンフューリーの護衛とアルガスの守護者の不在は、挑発の付与が容易でないことを意味します。
そして、おそらくは最重要となるのが、大物ハンターの退場です。
高い攻撃力を誇る大型ミニオンが、通常の試合よりもずっと活躍できるようになるのです。
私は、用意すべき3つのクラスをすぐに思い描きました。
まずは、ルールの制限内においても強力な呪文を使用できる、ドルイドとパラディンです。
ドルイドは、練気と野生の繁茂をプレイして、いつもどおりに大型ミニオンを早期に召喚できるクラスです。
パラディンは、平等と聖別のコンボという強力な除去ツールを持っています。
そして、このルールにおいてはプリーストも有力なクラスではないかと感じました。
天敵である手動操縦のシュレッダーやローグ・クラス(ガジェッツァンの競売人と逃げ足を失う)が存在しなくなるからです。
確かに、プリーストは大型ミニオン対策となる重要な密言・死を使用できなくなりますが、中盤戦まで続出する攻撃力が3のミニオンを密言・痛や影の狂気で容易に処理できるのです。
また、試合展開は総じて遅いペースになるだろうとも予測しました。
偶数の攻撃力のミニオンを使用できないということは、コスト1で2/1であるミニオン――速攻型デッキの核となるカード――を誰も使用できないのです。
炎のインプ、インプァクト、ドゥームガードを擁する、攻撃的なウォーロックも有力クラスとなり得ました。
しかしながら、鬼軍曹、ダークアイアンのドワーフ、そして凄まじき力といった攻撃力増強の能力を失うことで、大型ミニオンたちとの戦闘を継続するのが困難となるでしょう。
マッドサイエンティストと鏡の住民を使用できないテンポ・メイジは、大きな受難を迎えます。
レプラノーム、獣の相棒、殺しの命令、猟犬使い、サバンナ・ハイメインなどの主力がごっそり抜けるハンターは、誰もプレイしたがらないクラスとなります。
以上のような速いペースで決着をつけるデッキが全体的に弱体化されるだけでなく、大物ハンターも不在であることから、私は大型ミニオンを多めに起用する長期戦用のデッキを組むことにしました。
このルールにおける、私のカード選択の傾向をいくつか紹介します。
まずは、このルールでのスター・プレイヤーとも言うべきクモ戦車を、コスト3の主力ミニオンとして起用することです。
メカ種族との相互作用などなくとも、多用されるであろう序盤戦の3/2や3/3のミニオン群に対して優位を得るからです。
野生の紋章、コグハンマー、王の祝福などの強化能力も効果的だと考えました。
似たようなサイズのミニオン同士の争いにおいて大きな優位をもたらすだけでなく、強化を除去する沈黙が発動される可能性が激減しているからです。
そして、ハリソン・ジョーンズを3つのデッキ全てに組み入れました。
武器カードは制限なく使用できるルールであるため、他のプレイヤーたちはそれを多用するであろうと予想したのです。
彼の体力が4しかないという欠点は、攻撃力が4であるミニオンの退場によって緩和されることも注目すべき点です。
もしかすると、ロード・ジャラクサスの武器を破壊する機会があるかもしれないですしね(ネタバレ: 破壊しました)。
最終的に組み上げたデッキを以下に掲載します。
なお、もし私が所有していたならば、イリダン・ストームレイジとグリーンスキン船長を起用していたであろうことを付記しておきます。
(以下略)Kibler選手以外の選手が大会で用いたデッキも以下に列挙します。 ※補足: 当時は「グランド・トーナメント」と「リーグ・オブ・エクスプローラー」の各セットがリリースされていないため、それらに属するカードは使用されておらず、それらと相対することを前提として構築されていません。
- 今回の「大いなる試練の石」の原題である「The Great Stone of Challenge」は、ルールを踏襲した大会の「Challengestone」を名前の由来としています。
- 第1回の「Challengestone」において、Savjz選手はルールを勘違いしてしまいました。
ミニオンカードは奇数の攻撃力ではなく奇数のコストのものが使用可能である、という誤った解釈の中でデッキを構築したのです。
その結果として、多くの使用禁止カードを直前に入れ替えねばならず、コンセプトが大きく狂ったデッキで臨むことになり、緒戦で大敗しました。これがSavjz選手のデッキ・リストを掲載していない理由です。
インタビューにおいてSavjz選手は、招待されるプロにあるまじき失態を犯したことを猛省し、この過ちを償いたいと、企画したKripparrian氏に述べました。