「スタンダード・フォーマット」の導入に伴う大規模なカード修正の詳細が、ついに発表されました。
「基本」セット1種類と「クラシック」セット11種類の、計12種類のカードに、事実上の弱体化となる能力の変更が施されます。
さっそく、それらのカードの変更内容を掲載します。
「基本」と「クラシック」の各セットに強力な専用カードが多数あるドルイドは、今回の変更において最も影響を受けるクラスとなります。
公言されていたとおりに、複数のドルイド専用カードに弱体化修正が施されます。
まずは、ほぼ全てのドルイドのデッキで起用されるカードの一つである木立の番人です。
沈黙の発動を選択することもできる、柔軟性が高い、使い勝手がよいミニオンです。
無条件に自動でドルイド・デッキに組み入れられるケースがなくなるように、ステータス値が2/4から2/2に変更されます。
あからさまな弱体化変更であり、今後はコスト1のミニオンにも倒される存在となります。
弱体化されるもう1体のドルイド専用ミニオンは、同じくほぼ全てのドルイドのデッキで起用される知識の古代樹です。
5/5という恵まれたステータス値を備えながら、カードを2枚も引く能力を発動できるのは、やはり強力過ぎたようです。
カードを引く能力は、引く枚数が2から1に変更されます。
体力を回復する能力の方には変更がありません。
強力なフィニッシャーとして長らく猛威を振るってきたドルイド・コンボに、とうとうメスが入りました。
コンボの封印手段の予想が話題となっていた中で、自然の援軍から突撃能力を奪うという内容で決着しました。
自然の援軍によって召喚される3体のトレントから、突撃が取り除かれます。
その代わりに、トレントたちは、ターンの終了時に破壊されることがなくなります。
また、自然の援軍のコストは6から5に変更されます。
もう1つのコンボ・パーツである野生の咆哮には何の変更もありませんでした。
ミニオンの数を増やしてバースト・ダメージを発生させる戦術は存続することになります。
1ターンの間にコンボが成立しないだけで、自然の援軍によって召喚されたトレントたちと野生の咆哮を組み合わせることも引き続き可能です。
ミニオンの能力を排除したり、ミニオンそのものを排除するカードは、強力かつ、ゲームの楽しさを損なう要素になり得ると捉えられています。
その中で処遇が最も注目されていたカードが大物ハンターです。
大型ミニオンを運用しづらくなるのはゲームの弊害だと主張する「大物ハンター不要派」と、早期に出現する大型ミニオンのカウンターだと主張する「大物ハンター必要派」が、熱く議論を交わし続けてきました。
結局は、コストが3から5に変更される弱体化を受けることになりました。
今回の大規模な修正の中では、最も大きな弱体化を受けるミニオンとなりましたが、能力はそのまま存続することになります。
中盤戦においては稼げるテンポが大きく減りますが、大型ミニオンが続出する終盤戦ではやはり効果的となりそうです。
相手が大型ミニオンを起用しないデッキであったならば、コスト5でただの4/2でしかないミニオンとなるため、大きな無駄を抱えることになります。
コストが0から1に変更されます。
コスト0では効率が良すぎたとのことです。
どのクラスでも扱える、お手軽な沈黙発動の手段として人気が高かった鉄嘴のフクロウは、コストが2から3に変更されます。
沈黙能力を備えておく際には、コストが4で4/3のスペルブレイカーが再び起用されることになるのかもしれません。
千刃乱舞は、全体除去をもたらすだけでなく、敵のヒーローに対するバースト・ダメージを発生させる手段でもあるとして、二重に問題視されていた模様です。
そこで、手軽な全体除去とならないように、まずコストが2から4に変更される弱体化を受けます。
さらに、ヒーローへのバースト・ダメージを抑制するために、対象が「全ての敵」から「全ての敵のミニオン」に変更されます。
敵のヒーローにはダメージを与えないようになります。
今回の大規模な修正の中では、最大級の弱体化を受けることになるカードです。
今後も存在していると、新しいカードセットをリリースしていく際の障害となるミニオンが弱体化されます。
カードの組み合わせについて常に考慮せねばならない特殊な能力を持っていたり、新しいセットのミニオンを差し置いてデッキの常連となり得るミニオンが対象となります。
コミュニティの間で弱体化の最有力候補の一つとして挙げられていたミニオンです。
その弱体化の内容も、攻撃力が3から2に変更されるという、コミュニティの間でよく提案されていた修正候補の一つでした。
能力に変更はありません。
プロ選手のTrump氏などが強く弱体化を主張していた「フェイス・カード」の筆頭です。
「フェイス・カード」とは、敵のヒーローの体力を奪うことに焦点をあてるカードの総称です。
敵のヒーローの体力を早期に奪う速攻型のデッキのほとんどに、このレプラノームが起用されていることが問題視されました。
攻撃力が2から1に変更されます。能力に変更はありません。
突撃能力を持つ魔力のゴーレムは、多くの速攻型のデッキで用いられるだけでなく、バースト・コンボのパーツの一つとしても用いられます。
そのために、魔力のゴーレムの象徴とも言える突撃が取り除かれます。
その代わりに、体力が2から4に変更されます。
相手にマナ・クリスタルを与える能力に変更はありません。
コストに比しては高いステータス値を持ちながら、マイナス効果も併せ持つ踊る剣のようなミニオンになります。
比較的容易にコスト0で召喚できる大型ミニオンであることが問題視され、コストが20から25に変更されます。
体力が5まで落ちなければ、コスト0では召喚できなくなります。
大きく体力を低下させるリスクを負わねば、効率的に運用できません。
また、最大体力が15であるロード・ジャラクサスがヒーローになると、召喚できないミニオンとなります(体力1の時点でコスト11)。
「操られた鎧は中立ミニオンにしたかったが、ローグの変装の達人が存在するために、クラス専用カードにせざるを得なかった」
開発陣は以前にこうコメントし、変装の達人の特殊性について言及しました。
永続的に隠れ身を与える能力は、場にいるだけで強力な効果をもたらすカードを新たにリリースする際の障害になります。
現時点における変装の達人の使用率は低くとも、弱体化の対象となることに異議はありません。
味方のミニオンに隠れ身を与える能力の持続時間は、永続ではなく次のターンまでに変更されます。「基本」と「クラシック」は、「スタンダード・フォーマット」の対象から外れることがなく、常に「スタンダード」のルールにおいて使用可能となるカードセットです。
よって、それらの中に「スタンダード」の運営を阻害するようなカードがあれば、その内容を変更せざるを得ません。
また、多くのデッキで起用される「基本」と「クラシック」のカード群は、いつの時代の「スタンダード」においても常連として登場することになります。
対戦環境の変革を活発化させるという、「スタンダード」の意義を失わせます。
以上が、今回の大規模なカード修正が実施された理由です。
新しい拡張セット「旧神のささやき」のリリース日と、「スタンダード・フォーマット」の開幕日は、共に現地時間の4月26日、日本時間では4月27日になることが発表されました。
いずれも、パッチ5.0の内容としてゲームに追加されます。
今回掲載したカード群の内容変更も、パッチ5.0の内容の一部となります。
すなわち、日本時間の4月27日か、その直前に、12種類のカードの変更が適用されます。
各カードは、その内容が変更されると、一定期間だけ還元した際の魔素(Dust)の獲得量が、作成時と同等まで増えることが恒例となっています。
ただし、それは実際にカードが変更された後からであって、いま還元しても魔素の獲得量は増えないことにご注意ください。
なお、「基本」セットである狩人の狙いは、還元することができません。