原作のカラザンは、多くのWarcraftプレイヤーが知り尽くしている人気のダンジョンです。
そのために、「ワン・ナイト・イン・カラザン」に登場するボスや要素の大部分も熟知されています。
そこで、カラザンを経験していない方も簡易的な事前知識を得られるよう、原作のカラザンのボスを紹介する連載を投稿します。
第5回は、カラザン城内に潜む悪魔のテレスティアン・イルフーフ(Terestian Illhoof)の情報を掲載します。
カラザン城の図書室の一角で、怪しげに突出している一冊の本が、本棚に挟まっています。
隠し部屋に通じる道を開くスイッチです。
スイッチを操作して図書室の奥に入り、見慣れぬ小悪魔どもを一掃しながら侵入すると、悪魔種族のボスであるテレスティアン・イルフーフ(蹄疫魔テレスティアン)と対面します。
まず、一見してわかるイルフーフ戦の大きな特徴が、召使いであるインプのキル=レック(Kil’rek)が参戦してくることです。
キル=レックは、炎耐性を弱める状態変化をこちら側に付与し、サブの盾役プレイヤーが引き受ける必要がある存在です。
それほど強くないうえに、倒しても45秒後にイルフーフが再召喚してくるので、グループによってはキル=レックを放置する戦術がとられます。
ただ、倒すと再召喚されるまでイルフーフの耐久力が弱まるため、召喚され次第キル=レックを即座に倒し続けるという戦術もあります。
戦闘中には、キル=レック以外のインプも参戦してきます。
イルフーフが開くポータルより、小さなインプが定期的に多数召喚されるのです。
これらは放置しておくと厄介なので、攻撃陣が範囲攻撃で処理します。
ウォーロックが発動できるシード・オブ・コラプションという魔法が、とても効率よくインプの群れを一掃できるため、グループにウォーロックがいるかいないかで難度が大きく変わる戦闘でした。
イルフーフ戦で最も注意せねばならないメカニズムが、グループ内のランダムなメンバー1人が、サクリファイスという能力によって捕らえられることです。
大きな鎖に縛られたサクリファイスの対象者は、鎖が破壊されるまで一切の行動ができず、1秒毎に体力を大幅に減らされます。
回復役は対象者への回復にすぐ切り替えねばならず、攻撃役も対象者を縛る鎖への攻撃にすぐ切り替えて救出する必要があります。
イルフーフ自身は、大変タフであるものの、危険な攻撃を直接与える能力は備えていません。
通常攻撃も、闇属性の魔法攻撃であるシャドウ・ボルトも、同じ階層のボスに比しては大したダメージをもたらしません。
大量にわき出るインプとサクリファイスの鎖の処理が焦点となるエンカウンターです。
イルフーフは、寄り道をすることで倒せるオプション・ボスであり、倒さなくても先に進めるエンカウンターです。
それなりに有用な装備品をドロップするのですが、セット・アーマーのピースはドロップしないため、グループ内に希望者がいなければスキップされることも少なくないボスでした。
「耐久力が高いイルフーフとの戦闘は長期戦となる」「ウォーロックがいないとインプの処理がかったるい」などの、面倒くさいという理由でスキップされることもありました。
カラザン城主であるメディヴを悪魔の力で汚染したのは、悪魔の軍団であるバーニング・リージョン(Burning Legion)です。
メディヴを生まれたときから操っていたバーニング・リージョンは、メディヴの精神をかいま見ることで、侵攻先のアゼロス大陸でそびえ立つカラザンの内外の状況を事前に把握していました。
そして、廃墟となったカラザンを侵攻時の拠点にしようと企みます。
イルフーフは、そのバーニング・リージョンの総帥であるサーゲラスによって創造された悪魔の一種です。
もちろん、カラザンを征服して悪魔の拠点とするよう命じられているのだと思われますが、イルフーフの明確な役割がゲーム上で語られることはありません。
ウォーロックらしく、隠し部屋で隠れながら、生物を呪術のいけにえとしている模様しか描かれていません。
生い立ちや具体的な活動内容も不明であるキャラクターです。
World of Warcraftのコミックでは、任務でカラザン城内を調査していたドゥガン(Dougan)というストームウィンドの騎士を、イルフールが殺害したそうです。
その後に、ドゥガンの双子の娘である女戦士と女魔法使いが、イルフーフの頭をかち割って復讐を遂げたとのことです。
「ワン・ナイト・イン・カラザン」のテレスティアン・イルフーフは、第3区画の「ザ・ミナジェリ」の第3ボスとして登場する予定です。
ミナジェリの動物園で捕獲されている悪魔という、ハースストーンのオリジナルの設定を持つキャラクターとなっています。
ミナジェリの展示物の中では最も危険な存在であるとのことです。
ミナジェリの管理者であるキュレーターを解放した結果として、イルフーフは自由を得て、プレイヤーが上層部へたどり着くための最大の障害になるそうです。
新しい武器カードの愚者殺しの英語名は、「Fool’s Bane」であり、原作のイルフーフがドロップする武器と同じ名前です。
WoWの「Fool’s Bane」は、片手装備用のメイスで、二刀流で攻撃するウォリアー、シャーマン、ローグにとって有用となる武器でした。
ハースストーンの「Fool’s Bane」は、ウォリアー専用の武器カードで、「攻撃力3・耐久度4」「毎ターン何回でも攻撃できるがヒーローを攻撃できない」という能力を持ちます。