ためらうことなくパラレル・ワールドも操作
もう一つの、特筆すべきラシオン独特の「アゼロスの保全」に向けた行いは、束縛されたガロッシュ・ヘルスクリームの逃走に手を貸したことです。
他種族の根絶を掲げて暴走したガロッシュに対しては、アライアンス陣営のみならず味方のホード陣営も争い、ガロッシュは両陣営によって捕らわれていました。
そこでラシオンは、ブロンズ・ドラゴンの反逆者とともにガロッシュの身柄を解放し、時を司るブロンズ・ドラゴンの協力によって35年前のドラエナ大陸にガロッシュを移送させました。
ラシオンのこの目的は、究極の「アゼロスの保全活動」です。
もし、この行為によって歴史が変わり――
ホードのアゼロス侵攻がなかったことになり、
アゼロス侵攻中にネル=ズールがポータルを暴走させた結果として悪魔に捕らえられることがなくなり、
ネル=ズールの次にリッチ・キングとなったアーサス配下のケル=スザードがアーキモンドを召喚することがなくなり、
アーキモンドが襲来した第三次大戦そのものがなくなれば――
アゼロスが悪魔の注視から逃れるかもしれないとラシオンは考えたのです。
結果としてアイアン・ホード軍がアゼロスに侵攻するという未来に変わってしまいましたが、より強力なホード軍がアゼロスを統一して悪魔に抵抗してくれるならば、それでいいともラシオンは考えているのかもしれません。