4月より「スタンダード・フォーマット」の切り替えが発生し、新しい「スタンダード」仕様のマンモス年が開幕します。
2017度版の「スタンダード」でプレイする際には、「ブラックロックマウンテン」「グランドトーナメント」「リーグ・オブ・エクスプローラー」「栄誉の殿堂」の各セットに属する、計214カードが使用不可能になります。
今回は、なごり惜しくも「スタンダード」の舞台では登場しなくなる、思い出深いカードたちを記録として残します。
対戦フォーマット「スタンダード」「ワイルド」について
まずは何と言っても、新設される「栄誉の殿堂」に移される「クラシック」セットの6カードです。
常に使用率が高すぎるなどの理由によって、これらの「クラシック」セットのカードは、「スタンダード・フォーマット」では扱えなくなる「栄誉の殿堂」セットに変更されることが決定されました。
当サイトのカードのクラフト・ランキングにおいて、過去に一度もスコアが8/10(または4/5)を下回らなかった「クラシック」カードは、アジュア・ドレイク、シルヴァナス・ウィンドランナー、炎の王ラグナロス、自然の怒り、サバンナ・ハイメイン、ティリオン・フォードリングの6種類だけです。
その内の中立カード3種が、ぴったりそのまま「スタンダード」から退場することになりました。
とりわけアジュア・ドレイクは、作成費用も安くて汎用性の高さを誇っていたため、初心者がまず最初に作成するカードとして人気を博していました。
召喚した時点でカードを1枚引けることが確定していて、なおかつ4/4というステータス値が、中盤戦においては少なくとも1枚のカードを相手に消費させることが見込まれます。
呪文ダメージ +1の即時発効も、地味に有用でした。
ドラゴン種族のシナジーがもたらされる以前からポピュラーであった、ハースストーンの世界を代表するドラゴンでした。
シルヴァナス・ウィンドランナーのコストが、以前は5であったことをご存知でしょうか。
コスト6に弱体化されてもなお「殿堂入り」に押しやられるのですから、数あるレジェンドの中でも1、2を争う人気ミニオンであったことは言うに及びません。
場に出ればトラブル・メーカーとなる厄介な存在であり、中長期戦向けのコントロール・デッキの女王として君臨し続けました。
過去においては特にプリーストが好んで起用するものですから、その対策として、攻撃力が4で沈黙を与えるスペルブレイカーが人気を博す要因にもなりました。
炎の王ラグナロスの強さは、何と言っても召喚した直後から8ダメージをぶっ放す、無慈悲な破壊力でした。
対象の選択はランダムながら、自らは傷つかない遠隔攻撃の8ダメージを毎ターンに繰り出すうえ、本体も8/8であるために排除が容易でありません。
原作のラグナロスを思い起こさせ、フィニッシャーとしてのインパクトも十分であるこの能力は、長く弱体化を要望されながらも、とうとう仕様が変更されることがありませんでした。
そればかりか、ヒーローとしてのラグナロスが登場したり、回復版の光の王ラグナロスが登場するなど、「8」の数字に特化したラグナロス特有の能力は、ハースストーンの世界ではすっかりおなじみとなりました。
シルヴァナスもラグナロスも、「スタンダード」から退場すること自体には異議がないのですが、いずれもWarcraftの世界を象徴するキャラクターであるため、ハースストーンの表舞台から姿を消すことには寂しさを感じさせます。
彼女たちに限らず、WoWのプレイヤーたちにとって印象深いヒーメット・ネッシングウェアリー、ヴォルジン、ヴァリアン・リンなどのキャラクターたちは、強すぎなくてもいいですから、いつの時代の「スタンダード」においても使われ続ける存在でいてほしかったと思います。
アイスランス、隠蔽、凄まじき力に共通する特徴は、低コストのコンボ・パーツになるという点です。
フリーズ・メイジが扱うアイスランスは、フロストボルトとの併用でバースト・ダメージを発生させました。
ミニオンの攻撃力を高めることに長けるローグは、隠蔽でそれらを保護して、とどめを刺す準備を整えました。
コンボとなる手札をためやすいウォーロックは、凄まじき力を突撃ミニオンなどに付与して、やはりバースト・ダメージを引き起こしていました。
何もない盤面から突然死を引き起こすコンボは、被った側のプレイヤーに多大なストレスを与えるとして、開発陣は排除する意向を示していました。
これらの3つの呪文が、いずれもそうしたコンボをもたらす中核的な存在であったことが、「スタンダード」の舞台から退場することになる理由です。
過剰なカード・ドローを延々と繰り広げてプレイヤーにストレスを与えている、主にミラクル・ローグが扱うガジェッツァンの競売人も、来年以降の「殿堂入り」の最有力候補として名前が挙がっています。