先日に、「基本」セットのカード3種を含む、計5種のカードが弱体化される予定であることが、公式サイトで発表されました。
その際に、烈火の戦斧の弱体化について説明する箇所で、「変更点が直感的であるようにしたい」と述べたまでは良かったのですが、続けて「カードのマナコストは手札で常に視認可能で、プレイヤーに混乱をもたらしにくいから、そのマナコストを変更することにした」と書いてしまったことで、あらぬ騒動を呼び込んでしまいました。
以前のデッキ・スロット増設発言――Ben Brode氏が「スロットをむやみに増設するとプレイヤーに混乱をもたらす」とコメント――のときのように、馬鹿にされたかのように感じたコミュニティの悪ふざけが大きく発展したのです。
無駄にクオリティが高い、全カードの上下の向きが逆になった、創作の酒場の喧嘩を紹介するRedditの投稿が大反響を巻き起こしました。
「実はマナコストの表記自体も、すでにプレイヤーに混乱をもたらしている」と言わんばかりの、皮肉たっぷりなジョーク・ビデオも掲載されました。
「プレイヤーは混乱中」のスレッドの乱立で異様に盛り上がるコミュニティに対し、わざわざ開発陣のBen Brode氏が、「私たちは決してプレイヤーたちを馬鹿にしているわけではない」という当たり前の弁明に追われる事態となってしまいました。
もう、ハースストーンでは「混乱させる」の一言を封印する方がいいのではないかと思われます。
Ben Brode氏は、烈火の戦斧のような大変馴染みがあるカードは、ステータス値やテキストを何も見られることなくプレイされがちなので、注意を喚起するためにもマナコストの変更に至ったのだと説明を補足しています。
この件に関して議論するコミュニティに対して、Ben Brode氏が応答した内容の主要部分を以下に掲載します。
――カードの修正においては「マナコストの変更」の優先度が高いと公言されたようなものだ。
まさにその通りであり、変更が合理的である部分が複数ある場合は、マナコストの変更を優先的に選択する。
すでに馴染み深くなっているカードは、特に。
――ウォーソングの武将を弱体化したときに、マナコストは「カードの魂」に結び付いていると言っていたのに。
ブリザードは一貫して一貫性がない。
あるいは、私たちは時間の経過とともに学習する。
もし誤った選択をした際に、それでも一貫性を維持する方がいいだろうか?
――烈火の戦斧の弱体化内容について
「2/2/2」の武器にすることが良い変更だと私たちが考えたら、実際にそうしていただろう。
「3/3/2」の武器にすることも「2/2/2」の武器にすることも、同程度の弱体化だ。
ならば、すでに馴染み深い烈火の戦斧については、コストを3にする変化の方が誰に対しても明確となるため、「2/2/2」にするよりも少しばかり良い変更だと判断された。
――長いキャリアを持つプレイヤーでさえ、「基本」カードの変更を忘れて致命的な誤りを犯すことがあり、その場合はミスから学ぶことになる。
そのようなミスからプレイヤーがゲームから去ることがないように、以前から開発陣はユーザー・エクスペリエンスの向上に努めている。
プレイヤーがミスから学ぶこと自体は構わないと思っている。
ゲームのプレイは、そのストラテジーについて学び、試行錯誤する過程が楽しいからだ。
物事を直感的にすることは、良いゲーム・デザインの一部である。
見た目が直感的ではない、プレイヤーが初プレイ時に何もかも失敗するようなゲームを作ることもできる――そのことを売りとするゲームも実際に存在する――が、一般的には可能な限り直感的に理解できるようなデザインにする方が好ましい。
すでに周知となっている事柄が変更され、それについてプレイヤーが不意に驚くような事態は回避されるべきだ。
――カードが修正されると、最初にゲーム画面で通知されるはず。
皆それを読むだろうから、「マナコストの変更の方が気付かれやすい」は理由にならないと思う。