来週のリリースが予告されている次期パッチの内容に、カードの修正が含まれることが公式に発表されました。
修正対象となるカードは5種類であり、全て弱体化の内容となっています。
4種類の「基本」「クラシック」のカードが修正されます。
公式の説明文(※クリックで開く)
新しいカードがリリースされる時には、以前の拡張版の各デッキが新たな面白いカードを得られると同時に、まったく新しいデッキのアーキタイプが登場し、実験されることを望んでいます。
この目的の達成を難しくしているものの一つが、基本とクラシックに含まれている、あまりに広く効果的な一部のカード――どんな相手に対しても役に立ち、新しい拡張版が登場しようと、何年も何年も、強力なデッキのスタイルを定義できてしまうようなカードの存在です。
基本とクラシックセットは、各クラスのフレーバーとメカニクスを体現していることが理想です。
以前にもお話しした通り、これらのセットに含まれるカードが効果的すぎて他の戦略がかすんで見えるのであれば、それは問題です。
基本・クラシックカードは総じて弱くあるべきだ、という意味では決してありません。
むしろ基本・クラシックセットには、状況によって、あるいはデッキのアーキタイプ次第で非常に役立つようなカードが含まれていることが重要である、と私たちは考えています。
こういったカードが存在していると、プレイヤーのデッキ構築の柔軟性が損なわれ、究極的には、「ハースストーン」のプレイ時に見られるデッキの広範性が損われるのです。
今回の変更が意図しているのは、そうした汎用的な「必須」カードの魅力を減らし、それでもこれらのカードの能力を必要とするデッキには採用される可能性のある、選択肢の一つへと変えることです。
ローグ: 1位 / 全25種類(67.9%)
全体: 26位 / 全373種類(6.9%)
ローグ: 18位 / 全25種類
全体: 90位 / 全173種類
ハースストーンのリリース当初より、ローグ・クラスにおけるアグロ~ミッドレンジのアーキタイプのほとんどで用いられてきた呪文です。
序盤のラッシュやフィニッシュでのバースト・ダメージの発生源であり、どうしても必要な場面ではコンボの起動にもなり得る低コストのカードでした。
現環境においては、何よりも「スタンダード」「ワイルド」の両方で活躍中である「奇数ローグ」から排除されることが大きな意義を持ちます。
「奇数ローグ」の人気に伴って、現在の冷血は「基本」「クラシック」の中では最も使用率が高いローグ・カードとなっています。
一方で闘技場ではあまり強度が評価されておらず、「基本」「クラシック」のローグ・カードの中では中位~下位の選択肢と見なされているので、こちらでの影響はあまり大きくなさそうです。
シャーマン: 2位 / 全25種類(68.8%)
全体: 94位 / 全373種類(2.5%)
シャーマン: 3位 / 全25種類
全体: 3位 / 全173種類
ハースストーンのリリース当初より、ミニオン展開型のシャーマンの戦術では必須の存在とされてきた、強力な攻撃力補強ツールです。
今回のバランス調整はいずれも将来を見据えた措置であるとのことですが、どうしても私たちは現在のメタに注目します。
とにかく、現環境におけるシャーマンが誇る唯一といってよいアーキタイプである「偶数シャーマン」から失われることを意味しており、シャーマンというクラスの存続の危機が訪れます。
「次のスタンダードまではシャーマンの発展は望めない」というメタ・レポートが挙がったばかりですが、逆にそれまでに退化してしまう結果となりました。
闘技場でも強力なカードとして捉えられており、その影響は小さくありません。
なお、シャーマン・クラスの使用率1位のカードは呪術で(闘技場スコアは2位)、こちらはすでにマナコストが3から4に増える弱体化が施されています。
パラディン: 2位 / 全25種類(54.8%)
全体: 21位 / 全373種類(7.7%)
パラディン: 7位 / 全25種類
全体: 17位 / 全173種類
コントロール系および長期戦向けのパラディンのデッキで一般的に採用されている、敵対勢力を一斉にクリアするコンボのパーツです。
聖別(※パラディン使用率1位)や熱狂する火霊術師と共に組み合わせるコンボがおなじみであり、それぞれのコンボをなおも用いるならば、コストの合計は8、または6となります。
体力だけでなく攻撃力も1にするコスト5の縮小光線と比べると、マナコストの差はわずかに1となります。
現環境においては、台頭しているワン・ターン・キル系のアーキタイプにおける時間稼ぎの一環としても平等のクリア・コンボが活用されています。
コストは偶数のままなので、「偶数パラディン」は引き続き、使用したければ使用することができます。
この「偶数パラディン」は総じてハンターの各種アーキタイプに対して強いため、その弱体化は「ハンター一強」の情勢を間接的により押し進めるのではないかという指摘も挙がっています。
ハンター: 3位 / 全25種類(78.0%)
全体: 3位 / 全373種類(18.6%)
ハンター: 9位 / 全25種類
全体: 16位 / 全173種類
狩人の狙いは、以前にも弱体化された過去があり(コスト0→1)、今回で2度目の修正となります。
そのときには「ハンターの有力なカードですが、マナコストが0にしては効果が大きすぎました」という公式の説明がありましたが、それでも効果が大きすぎたようです。
なお、狩人の狙いよりも高い使用率を誇る1位と2位の獣の相棒と殺しの命令、および闘技場でスコア1位の強度を誇るサバンナ・ハイメインは、これまでに一度も修正されたことがありません。
キャンドルショットと組み合わせることで大きなアドバンテージがもたらされていた訳なのですが、この武器は後2か月余りしか「スタンダード」では扱えません。
同様の1ダメージを無傷で継続的に与えられる能力が、将来的にハンターへ用意される予兆なのかも知れません。
現環境においては、攻撃的なデッキでは外されることがありますが、ハンターの主要4種のアーキタイプ全てで採用が認められています。
現在の「スタンダード」を独走しているクラスであるハンターには、「基本」「クラシック」以外にも追加で弱体化が施されます。
ハンター: 8位 / 全85種類(56.5%)
全体: 19位 / 全1183種類(13.5%)
ハンター: 14位 / 全82種類
全体: 26位 / 全493種類
以前より強度が高すぎると指摘されてきたエメラルドの小呪文石が、とうとう修正されます。
コスト5で3/3を4体、計12/12ものミニオンを召喚できる、多大なテンポ・アドバンテージをもたらすカードでした。
このバランス調整によって、2年間も弱体化されることがなかったハンターもついにその対象となり、全てのクラスが「マンモス年」と「ワタリガラス年」の間で何らかの弱体化修正を受けることになります。
もちろん現在の「スタンダード」環境のゲーム・バランスを修正する目的もあることでしょうが、小呪文石はわずか2か月後の「スタンダード」の変遷から一斉に退場するカード群であり、これは今後の「ワイルド」環境への配慮も多分に含まれている調整であるとも言えます。
コミュニティの間では、滋養のコスト6化とは訳が異なり、エメラルドの小呪文石はコスト6でも相変わらず強いのではないかという憶測が飛び交っています。
また、ハンターの秘策がコスト2であり、狩人の狙いもコスト2になることから、メジャーになったことがない「偶数ハンター」というアーキタイプの登場が期待されているようです。
今回のバランス調整の実施日は、日本時間の2月6日の予定となっています。
その実施日から2週間後の2月20日まで、冷血、平等、エメラルドの小呪文石の各カードは、還元する際に獲得できる魔素の量が作成時と同等になる措置が施されます。
バランス調整が実施される以前までは、この措置が施されていないことに注意してください。