「バク」と「ゲン」の殿堂入り
「バク」と「ゲン」の弱体化について

マイク・ドネ
- 本来ならば(殿堂入りではなく)弱体化修正が、私たちがこのようなカードに対して行う一般的な調整方法。
しかし、バクとゲンは極めて独特な固有性とメカニクスを有しているので、簡単には修正できない。 - バクとゲンを、最初は能力を「対戦開始時」から「雄叫び」に再設計してみたのだが、それでは2つのカードが宿している本質を表現できなかった。
過度な弱体化となり、利用価値がほとんど失われてしまうことにもなる。 - 強化ヒーローパワーは、ジャスティサー・トゥルーハートの登場時においては、きれいに整ったデザインであった。
その強化ヒーローパワーの能力を変更することについても検討してみた。
ただ、その調整手段ではヒーローパワーのコストを1にするゲンの能力の方は修正できない。 - 最適となる選択肢をあまり多く見いだせず、根本的なデザインの総変更までもが議論されていた。
殿堂入りを決断した経緯について

マイク・ドネ
- バクとゲンの殿堂入りは、タイミング的には不適当であるとは感じられるものの、それらのコストやステータス値などを変更する修正もまた不適当だろう。
これらのデザインには修正の余地が少なく、完全にデザインを破壊することなく調整する手段は限られている。 - 一部のプレイヤーはこれらの能力を大変気に入っているので、同じ強度のまま彼らにそのプレイを「ワイルド」で継続してもらいたい。
そのまま「ワイルド」へ移行させれば、これらのプレイを楽しんでいるプレイヤーは、引き続き同じようにプレイすることができる。
このような措置の受け皿となることは「ワイルド」の存在意義の一つでもある。 - そのために、今回は特別に殿堂入りさせて「ワイルド」専用とした。
そこはバクとゲンにとっても良い環境になるのだと思う。

ベン・トンプソン
- バクとゲンが居続けることによって環境が良くなるとは感じられなかった。
優先している制約を破り、一年前倒しにしてでも「スタンダード」から除去する時期であると、私たちは決断した。 - そして率直に申し上げて、これらの退場はちょうど今、開発上におけるデザインの余地を大きく広げることにもなる。
今後の一年間には「奇数」「偶数」を意識しながらでは制約されるデザインもあるので、開発チームはより自由に拡張セットを制作できるようになる。
2019年のストーリーやメカニクスを考えた上での判断だった。 - 「奇数デッキ」「偶数デッキ」に関連する他の4種のカード(黒猫など)は、バクとゲンの退場後には関心が大いに薄れるカード群である。
そのため、「奇数デッキと偶数デッキの排除」という決定に集約させて、共に一斉に退場させるべきだと感じられた。 - 一部のプレイヤーにとっては大変重要であったカード群を退場させるのだから、その痛手を和らげるためにも、(殿堂入りによる)魔素の払い戻しの措置は確実に施されるべきである。
「バク」と「ゲン」の振り返りと今後について

マイク・ドネ
- 最近に実施してきたバランス調整は、バクとゲンが殿堂入りすることを踏まえた上での修正であるため、それに伴って対象カードを元の性能に戻す予定はない。
平等や炎の舌のトーテムは、やはりコスト2では強度が高過ぎると判断されている。 - ヒーローパワーの発動に対抗できるカードがすでに2種類発行されている(妨害工作員とマインドブレーカー)。
このようなカードも今後に追加する予定。 - バクとゲンから学んだことは、ゲームの最初から最後まで影響を及ぼすような効果は、強力過ぎて楽しみを損なうということだ。
- 今後もバクとゲンのような、他とは異なるユニーク性を持つカードは出現するだろう。
それこそがハースストーンの、カードゲームの魅力だと思っている。 - 大切なのは全体的なバランスであり、メタを新鮮に保ち続けることである。
いくつかのユニークなカードは、常に新たな教訓を与えてくれるだろう。