数多くの返信に対する、Crescendoさんの追加のメッセージを掲載しました。 ※2015/03/28 追記
私も書いていて思わず涙ぐみましたが、この投稿スレッドは大変な反響を呼び、わずか2日間でRedditのHearthstoneカテゴリーの総合トップ1位となりました。
Hearthstoneの大ファンであるプレイヤーのCrescendoさんが、悲しくもHearthstoneのプレイの継続を断念せざるを得ないことになりました。
そのCrescendoさんが、Hearthstoneのコミュニティに対してRedditでお別れの挨拶を掲載しました。
その内容を日本語に訳して以下に掲載します。
Crescendo (2015/03/24 14:39 UTC)
Hearthstoneをプレイしている仲間の皆さん、こんにちは。
私が人生の中で最も時間を費やしてプレイしたゲームは、Hearthstoneです。
不幸なことに、今から数日の間に、確実に私はこのゲームをプレイすることができなくなります。
だから、私はお別れの言葉をここに掲載したいと思います。
私の癌(がん)は大きく進行していて、私は近日中に病院へ移り、闘病生活を迎えることになります。
そして、復帰できる見込みはあまりないのだそうです。
私は、このような事実を不特定多数の人へ発信するような人物ではありません。
しかし、Hearthstoneのコミュニティ(および匿名性があるインターネットの場)においては例外です。
そこで、私がこれまでに経験したHearthstoneのエピソードを書き残しておきたいのです。
何人かでも、ちょっと辛抱して読んでいただけたらと願います。
あと、どなたかが私と似たような経験をされていることも願っています :)
私がHearthstoneへ時間を費やし始めたのは1年半以上前にさかのぼります。
当時、私のHearthstoneの情報源はTotalbiscuit氏による配信だけでした。
彼は動画の「WTF is … – Hearthstone ?」を8月13日にアップロードし、その後は「Lord of the Arena」シリーズを配信し始めました。
私は視聴した瞬間から興味をそそられ、以降も全てのエピソードを欠かさず視聴しました。
Totalbiscuit氏の配信がなければ、私は現在Hearthstoneをプレイしていなかったに違いありません。
こうしたPCゲームのニュースに全く関心がないからです。
Totalbiscuit氏の配信を視聴していたのも、ただ彼が最高のエンターテイナーだったからです。
やがて、もっとHearthstoneの情報を得ようとして、他のHearthstoneの配信を探し始めました。
とりわけ、Arenaの配信動画へ夢中になりました。
何ヶ月もHearthstoneのベータテストのアクセス・キーを待ち望みながら、Youtubeへ訪れる毎日でした。
そしてついに、2013年のクリスマスの直前に、Blizzard社から一通のメールが届いたのです。
ベータのアクセス・キー!――その夜はほとんど寝ていなかったはずです :)
それからというもの、私はHearthstoneをプレイすることと、YoutubeのHearthstoneのコンテンツを視聴することが日課となりました。
当初、私はHearthstoneをプレイすることに自信がありました。
これまでに数えきれないほどのArenaの配信を観てきたので、対戦相手の次の一手が確実にわかると思っていたのです。
しかし、私がこのゲームの対戦において最初に体験したことは、Arenaの試合で惨敗してガッカリしたことでした :(
この体験が、私がデッキ構築戦へ興味を持つことになるきっかけとなりました。
「Force Strategy Gaming」にFreeカードだけを用いる攻略動画があって、その中のPally Swarmを参考にすることで多くのGoldを稼げました(その節はどうもありがとう! :) )。
そして、またもや情報を得ようとして、TwitchのHearhstoneの配信を見つけました(気づくのが遅いことはわかっています…)。
プレイを向上させるための、有益なカードゲームの基礎知識をここから多く得ました。
私は以前にゲームボーイ・カラーの「ポケモンカードGB」をプレイしていましたが、どうやらこれは私をカードゲームの達人にはしてくれなかったようです :(
やがてHearthstoneのベータテストへのアクセスが全ての人へ開放されても、残念ながら私の友人はこのゲームに興味を示しませんでした。
だから私は一人で孤独にプレイし続けねばなりませんでした。
しかしながら、それが私をHearthstoneから遠ざけることにはなりませんでした。
私は人生の中で1つのゲームを1年以上プレイし続けたことがないのにもかかわらず、Hearthstoneだけは今だに飽きずにプレイしています。
理由は自分でもよくわかっていません。
Arenaで対戦相手が4回もFlamestrikeをプレイしてきたり、5回連続でZoo Warlockと戦うことになったときには、もちろん私は画面の前で叫んでいました。
ですが、時間が経つにつれて、そして体調が悪化するにつれて、プレイ時の心境が徐々に穏やかになり始めました。
相手が挑発のEmoteを4回連続で発することに対し、何を悩む必要があるのでしょうか?
させておけばいいし、Emoteの表示を無効にすればいいだけのことです。
いろいろと考えた結果として、私はできるだけこのゲームをプレイし、できるだけこのゲームで楽しむことに決めました。
ですから、対戦相手の非紳士的な行為にとらわれる必要などなくなったのです。
私はコントロール系のデッキが好きです。
あなたが効率のよいカードの交換を行い、あなたが貴重な除去スペルやSilenceの使いどころを判断する――そのような場面に少しでも長く身を置いていたいからです。
私はArcane Dustのほとんどを、Druid、Warrior、Handlock、Priestといったコントロール系のデッキのために費やしました。
それでCancerデッキ(敵のHeroを即死させる癌のような速攻型デッキ)を打ち破ることができたときには、最高の気分になります。
Hearthstoneは、私の人生の中でかけがえのない楽しさを与えてくれたと言っても過言ではありません。
私たちはみんな、ゲームに対する情熱を共有し、それを楽んでいるプレイヤーです。
中には、実生活の仕事も同等の情熱を持って楽しんでいる方もいらっしゃるかも知れませんね。
そんな私たちに、「全てのカードを集めることが、ゲームに時間を費やすことが、実生活において何の利益になるの?」と問いかけてくる人がたまにいます。
そのような人には、こう答えたいと思うのです。
「それが情熱的な楽しさを得る唯一の行為であるとしたら?」
「それが本当に好きなものに対する時間の使い方であるとしたら?」
「それが本当に好きなものに対する時間の使い方で、残された時間がどれほどあるのかわからないとしたら?」
以上が、私が皆さんと共有したかった、私のHearthstoneのエピソードです :)
数名の方々には特別な感謝を申し上げたいと思います。
- まずはもちろん、この偉大なゲームを開発されたBlizzard社に特大の感謝の意を表します。
- 私がHearthstoneを始めるきっかけとなったTotalbiscuit氏に感謝いたします。
- 深夜にTwitchで最高の音楽とともに配信されたGuardsmanBob氏に感謝いたします。
あなたのアイデアは素晴らしいので、いつの日かあなたがBlizzard社の社員になることを望んでいます。 - Noxious氏に感謝いたします。
あなたが編み出したギミック・デッキは、特別な思い出として、いつも私の心の中にあります。 - 最後に大事な方を言い残しましたが、数えきれないほどの「Value」を配信されたTrump氏に感謝いたします。
おしまいです!
優しくも全てを読んでいただいた方々に感謝いたします。
ごきげんよう :)
Totalbiscuit
(※著名なe-Sportsのコメンテーター。数々のゲームを実況配信し、世界的な人気を博している。)
(Twitterで)
大変悲痛となる投稿です。
もし、この人のTwitterアカウントや連絡先を知っていたら、私たちの広報担当のメール・アドレス宛に伝えていただきたい。
何かしらの協力をすることを申し出たいと思っています。
FUguru
あなたは今、現実の世界において、0勝2敗の状況のArenaをプレイしているようなものです。
優秀なArenaのプレイヤーの第一原則とは、決して自らリタイアしないことです。
0勝2敗からでも最後まで勝ち抜けられることを、忘れないでください。
これまでに何千というプレイヤーが確率論を覆してきました。
私たちはみんな、Madder Bomberが起こした、確率的には起こり得ない事象を目撃してきました。
Hearthstoneの世界においては、起こり得るはずがない出来事が毎日発生しています。
絶対に戦いを諦めないで。
癌のHealthは6で、あなたのデッキの中には1枚のFireballが残されていると思ってください。
あなたの人生におけるTopdeck(ここ一番のカードの引き)は、もうすぐ近くまで来ているかも知れません。
どんな障害が待ち受けようとも戦い続けてください。
暖炉が灯る暖かい部屋で、大量のカードとビールに囲まれた、あなたが座るHearthstoneの空席が待っています。
あなたの友人である私たちは全員、あなたのことを応援しています。
Well met!
Daxxarri
(※Hearthstoneのコミュニティ・マネージャー。)
私たちのゲームに参加してくださって、本当にありがとうございました。
コミュニティ・マネージャーとして自分の私生活については語ってきませんでしたが、私の父も癌を患ったことをお伝えします。
長期にわたる厳しい闘病生活の末に、父はついに癌を克服したのです。
自分勝手なことではありますが、その闘病生活の模様は直視しづらい光景ではあったものの、父の勇敢な精神からは重要な教訓を学びました。
絶対に、絶対に諦めないでください。
私たち全員が心痛を察していることと、あなたがHearthstoneを再びプレイできる場所がいつでも提供されていることを、改めてお知らせします。
Noxious_HS
(※プロ選手。2013年度の招待制公式大会に出場。コメンテーターとしても活躍中。)
非常に心苦しくなる投稿です。
私は、これからあなたが大変な時間を過ごすことを理解していて、治療がうまくいくことを望んでいます。
それ以外に、あなたへかけるべき言葉が見つかりません。
私の配信が、大きな好意とともに記憶されるほど、あなたを楽しませたことを嬉しく思っています。
これは、配信者の全員が望んでいる無上の喜びですから。
何があろうとも、希望を失わないでください。
かすかであろうとも、目標を達成するための希望の光は必ず存在します。
自身に起こった出来事をしっかりと受け止めたあなたの投稿を読んで、心が満たされた気持ちになりました。
最後に、大きな感謝を申し上げます。
そして、ご自身をいたわり、今から精一杯がんばっていただきたいということを、併せて申し上げます。
— Nox
Kaivax
(※World of Warcraftのコミュニティ・マネージャー。)
Crescendoさん、本当にありがとうございました。
この投稿を掲載してくださったことを感謝しています。
私たちの大多数が、これからあなたの投稿履歴をチェックし続けるでしょう。
あなたの投稿が今後も増えていくことを望んでいます。
幸運をお祈りしています。
その他にも――
- Concede(降参)ボタンは絶対に押すなよ!
- 最後のカードをプレイするまで、このFatigueの争いで戦い続けるんだ。
- 帰宅したら速攻で「ただいま」と投稿するようにな。
- アンチ速攻型のコントロール・デッキの名前を「Crescendo」にするわ。
- 「Cancerデッキ(敵のHeroを即死させる癌のような速攻型デッキ)を打ち破ることができたときには、最高の気分となります」
「癌のようなデッキ」ではなくて「癌」について、あなたがこれと同じことを言う日を待ち望んでいます。
これほどHearthstoneを愛している方が、このような形でプレイを一時中断せねばならないことを、大変悲しく思っています。
Crescendoさんの記述内容と酷似した理由によって、私もコントロール系のデッキが気に入っています。
何としてでも克服して、またコントロール・デッキによって、ゆっくりとした至福な時間をHearthstoneで過ごされることを切に望みます。
Hearthstoneのコミュニティが復帰を待っています。
治療が良い結果となることを、心からお祈りしています。
わあ、何と言っていいのやら…。
とても親切な言葉をいただいて、みんな本当にありがとう。
Redditの投稿に慣れていないので、こんなに多くの人がこの長文を読むなんて思いもよらなかったです。
あまりに返信の数が多いので、全てを読むのに時間がかかりそうです。
ここには(MechやDr.Boomへの悪態が毎日投稿されているにもかかわらず)前向きな考えを持つ人が大勢いることを、このスレッドは私に知らしめてくれました。
目から涙がこぼれ落ちました。
ありがとうございます :’)
話は変わりますが、最後の数週間に、私は生まれて初めてドラマの「LOST」を観ました。
その中の、私のお気に入りの登場人物が残した、今も頭から離れないセリフをお別れの言葉とします。
“See you in another life, brother.” :)
(また来世でもよろしくな)
Reddit (Hearthstone) – Thank you Hearthstone! – a goodbye from a passionate fan (no whining thread)