異世界から侵攻してきたオークの襲撃を受ける、ヒューマン(人間)種族のキャラクターを紹介します。
「アライアンス最高司令官」「アゼロスの英雄」「ストームウィンドの獅子」――
畏敬の念を込めた様々な称号が与えられたアンドゥイン・ローサー卿(きょう)は、人間界における史上最高の戦士であるとみなされています。
戦闘能力が高いだけでなく、司令官として適切に軍を指揮する能力や、由緒ある数々の王国を一つに束ねるカリスマ性を持ち合わせていました。
オークの襲来時にローサー卿は、所属していたストームウィンド王国の軍の増強と統率に従事し、幾度もオーク軍を撤退させるなどの多大な貢献を果たしました。
ストームウィンド国王の死後に軍が壊滅すると、当時10歳であったヴァリアン次期国王の代わりに摂政(せっしょう)として国政を司り、軍を立て直しつつ他の国々に連合の結成を要請し、現代まで引き継がれるアライアンス陣営を創設しました。
人間界にローサー卿がいなかったら、後にストームウィンドが復興することはおろか、人間種族は絶滅の危機に瀕していただろうとさえ目されています。
ローサー卿が誓っていたストームウィンドの再建を自身で目にすることはかないませんでしたが、ストームウィンドの全市民は彼の栄誉を忘れることはありません。
全てのアゼロス大陸の国家に忠誠を捧げたローサー卿の伝説は、アゼロス全土でも何世代にもわたって語り継がれるはずです。
映画のローサー卿は、原作の寡黙な大英雄というよりも、もう少し人間味があるキャラクターとして描かれています。
オークの侵攻時に、胸が張り裂けそうになるほどの悲劇に襲われ、その復讐に全身全霊を注ぎます。
キャスト: トラヴィス・フィメル(※クリックで開く)
オークが初めて人間界に襲来した際に、ストームウィンド王国の国王であった人物です。
ストームウィンドは、人類が築いた大帝国の一つです。
豊富な資源に囲まれたストームウィンドは、経済、文化、軍事などのあらゆる国力が大きく強化され、誇り高き騎士団を多数従える、アゼロスを代表する王国となりました。
代々リン家の者がストームウィンドの国王となり、ストームウィンドを統治してきました。
レイン・リンの代にストームウィンドは滅亡の危機を迎えましたが、後に息子のヴァリアン・リンが再建を果たしました。
そして現代では今まさに、立派な僧侶として成長した孫のアンドゥイン・リンが、国王の座を引き継ごうとしています。
ヴァリアンもアンドゥインも、すでにハースストーンで登場しているキャラクターです。
映画のレイン王は、若かりし頃のように、自ら剣を手にして戦場を駆けるリーダーとして描かれています。
友人であり、最も信頼できる配下であるローサー卿と共に、最前線に立って軍を鼓舞します。
キャスト: ドミニク・クーパー(※クリックで開く)
1978年6月2日、イギリス、ロンドン出身。
ロンドン音楽演劇アカデミーで学ぶ。
ブロードウェイで上演されてトニー賞6部門に輝き、映画化もされた『ヒストリーボーイズ』(06・未)の舞台と映画に出演して注目される。
続く『マンマ・ミーア!』(08)でその名を広く知られる。
さらに、フセイン元大統領の長男、ウダイ・フセインとその影武者の二役を演じた『デビルズ・ダブル-ある影武者の物語-』(11)の演技で高く評価される。
その他の出演作は、『ある公爵夫人の生涯』(08)、『17歳の肖像』(09)、『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(11)、『マリリン 7日間の恋』(11)、『リンカーン/秘密の書』(12)、『ニード・フォー・スピード』(14)、『ドラキュラ ZERO』(14)など。
かつて人間界には、「アゼロスの守護者」と呼ばれる、外界の脅威から世界を守る隠れた存在がいました。
魔導師メディヴは、最高峰の魔法使いとして知られていましたが、実はその「アゼロスの守護者」たる人物だったのです。
「アゼロスの守護者」は、世代ごとに一人しか存在しません。
アゼロス全土の大魔導師たちによって結成された秘密組織が、選ばれた一人に対して集中的に教育を施し、守護者にふさわしい強大な魔力を授けるのです。
母が「アゼロスの守護者」であったメディヴは、出生時から守護者となる運命にありました。
「アゼロスの守護者」を備えておく最大の目的は、いつの日か必ずや襲来する悪魔の軍団に対抗するためです。
それなのにメディヴは、悪魔の力が及んだオークが襲来した前後に、守護者として対抗するどころか謎の昏睡状態に陥るなど、様子がおかしくなってしまいます。
映画でもメディヴはなぜか魔力が衰えていて、オークという外界の脅威に対して満足に対抗できません。
このことに苛立ちをつのらせていたローサー卿は、再びメディヴのもとを訪れるのですが、そこで彼が見たものは――
キャスト: ベン・フォスター(※クリックで開く)
1980年10月29日、アメリカ、ボストン出身。幼い頃から演劇の才能があり、16歳でロサンゼルスへ進出。
エイドリアン・ブロディ主演『リバティ・ハイツ』(99・未)で注目を集め、キルスティン・ダンスト共演『恋人にしてはいけない男の愛し方』(01・未)で主演を務めた。
2002年以降はTVムービーやドラマに出演し、高い評価を得る。
その後、『アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン』(06・未)でヤング・ハリウッド賞を受賞。『3時10分、決断のとき』(07)と『メッセンジャー』(09)では数々の演技賞にノミネートされた。
その他の出演作は、『パニッシャー』(04)、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(06)、『メカニック』(11)、『ローン・サバイバー』(13)、『ザ・ブリザード』(16)など。
Warcraftの世界におけるカドガーは、真の英雄の一人として捉えられている偉大な魔導師です。
単に優れた魔力を持ち合わせているだけでなく、世界を救うために勇気ある決断を下して実行できる人物として描かれています。
映画に登場するカドガーは、人々から広く英雄視される前の、弱冠17歳の見習い魔法使いです。
魔法都市国家に所属するキリン・トアという組織で、魔法の修行をしていました。
原作とは異なり、カドガーは、一人前を自覚するとキリン・トアを抜け出て独立してしまいます。
正体不明のオークに倒されたストームウィンド軍の兵士を検死していたことから、ローサー卿との交流が始まります。
外界の魔術が兵士の死に関与していることを察したカドガーは、外界の脅威から世界を守る「アゼロスの守護者」に協力を要請するよう、ローサー卿に進言します。
ファンタジー映画における花形の一つである魔法を、カドガーは劇中でたびたび発動します。
敵を抑える念動力や、敵から身を守るバリア、魔法のミサイル、動物変身などを派手に繰り出し、観客を楽しませます。
キャスト: ベン・シュネッツァー(※クリックで開く)
1990年2月8日、アメリカ、ニューヨーク出身。
「Ben’s Plan」(07)で映画デビューを果たした後、米ABCのTVドラマ「ハッピー・タウン/世界一幸せな狂気」(10)にレギュラー出演。
演技を勉強するため、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校へ入学し、様々な舞台に立つ。
その後、マークース・ズーサックの世界的ベストセラーを映画化した『やさしい本泥棒』(13・未)に出演。
ビル・ナイ主演でゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされた『パレードへようこそ』(14)では英国インディペンデント映画賞にて助演男優賞と有望新人賞にダブルノミネートされた。
今後、エドワード・スノーデンを題材にしたオリヴァー・ストーン監督『Snowden』(16)に出演予定。
タリア・リンは、原作には登場しない、映画「ウォークラフト」のオリジナル・キャラクターです。
ストームウィンドのレイン国王の夫人、すなわちストームウィンドの王妃です(原作の王妃は無名の存在)。
ローサー卿の妹という設定となっています(原作のローサー卿の家族は不在)。
したがって、映画での出演内容以外に、タリア王妃の人となりやエピソードを説明する情報はほとんどありません。
映画を観る限りでは、タリア王妃はおっとりとした様子でありながらも、帝国の王妃としての気高さを漂わせている人物です。
タリア王妃は平和主義者であるとのことです。
紛争による統治よりも不戦の統治を望み、種族間を超えた共存について模索しています。
突然のオークたちの侵攻にも平和的な解決を求めるタリア王妃は、ストームウィンドの捕虜となったオーク軍のガローナに対しても寛大な処置を施します。
ガローナが両軍の話し合いの仲介を申し出た際にも、疑うローサー卿を制し、レイン王とローサー卿の目前で、信頼する証として王国の短剣をガローナに譲り渡します。
キャスト: ルース・ネッガ(※クリックで開く)
1982年、エチオピア出身。
4歳の時にアイルランドへ移住し、リムリックで育つ。
舞台を中心に活躍し始め、キリアン・マーフィー主演、ニール・ジョーダン監督『プルートで朝食を』(05)でベルリン国際映画祭にてアイルランドにおけるシューティング・スター賞に選ばれる。
その他の出演作は、サミュエル・L・ジャクソン主演『コンフィデンスマン/ある詐欺師の男』(12)、ブラッド・ピット主演『ワールド・ウォーZ』(13)、『それでも夜は明ける』(13)、『JIMI:栄光への軌跡』(13)など。
今後は、DCコミックの原作をTVシリーズ化したドミニク・クーパー主演「Preacher」に出演。
http://warcraft-movie.jp/