先日に公式サイトで掲載されたガジェッツァンの新聞には、「タランのバー」という店の広告が貼られていました。
その広告に記載されているURL(http://blizz.ly/talansbar)には、実際に私たちがブラウザより訪れることができます。
訪問先はFacebookのメッセンジャーというチャット・システムであり、Facebookのアカウントにログインすることが必要になります。
訪れると、「タランのバー」の主人であるゴブリンのタランが、自動応答するAIとして会話してくれます。
こちらがメッセージを発したり、設問の選択肢に答えると、それらに応じたメッセージを自動的にタランが発します。
そのタランとの会話の内容を、以下に日本語に訳して掲載します。
やあ、いらっしゃい――
おや、ここらへんでは見かけない顔だね。
何て呼んだらいいのかな?
私は偉大な魔法使いの弟子、キンディー・スパークシャインよ!
あたしはケイシー・スプリングロック。
駆け出しのエンジニアさ。
キンディーに…、ケイシー、だって?
外人さんかねえ。
まあ、とにかくだ――ようこそ、ガジェッツァンへ。
俺はタランだ。
どうしてもケイシーがここに来たいっていうからポータルで――
あのね! このガジェッツァンはね、ノームもドワーフもゴブリンもパンダも種族に関係なく、エンジニアを志す者ならば一度は見学しておくべき機械工学の見本市のようなスポットだから、前々から機会があればいつか行っておこうと思っていたけど、今回キンディーに頼み込んでやっと来れたんだよ! 世界中のありとあらゆるメカやシュレッダー、工具に部品、爆弾に爆薬、技術書、テレポーター、スペアパーツ、ブームロボまでが交易や貿易のために毎日あふれんばかりにそこら中に積載されているから、街中を歩き回るだけで、エンジニアの展示会にいる気分を味わえて、時間を忘れるほどに楽しめるの。 しかも、その多くに最新の技術が盛り込まれているもんだから、ゲルビンのオヤジさんへのお土産にもなる質の高さになっているし、ついつい露店でもアレコレ買いたくなっちゃう――見て見て!このグレイブズーカ型の捕獲ネット・ランチャーなんて、暴走コドーの突進すら即座に抑えて制圧しちゃうんだって。 まあ、雪が降りしきるアイアンフォージ周辺じゃあ、コドーなんて生息していないけどさ。 そういや、さっきコドー対策がバッチリの銀行がどうたらこうたら――
わかった、わかったよ……。
――で、注文はどうするんだい。
この店にはエールばかりがあるがね。
何か好みを言ってくれりゃあ、創作カクテルの一つでも振る舞えるよ。
どういうのが飲みたいかい?
カクテル? …そうねえ。
ここは何と言っても暑いから、涼しげなブルー・キュラソーのお酒とかがいいかしらね。
マナクリスタルみたいに真っ青なやつ。
ぶるー、きゅる…、きゅら…………何だって?!
お嬢さん。
俺がここらへんで、日々どんだけ高級な「4つ星」酒場を回り歩いているか、知ってるかい?
あいにく、そんなもんを調達している余裕はないんでね。
(…ここらへんのどこに「4つ星」っぽいのがあるのよ!)
キンディーちゃんだっけか――
「どのようにして客人をもてなす一杯を作るのか?」
「ここがどれほどイケてる住人ばかりのイケてる場所なのかを示す、ガジェッツァン流の正しい歓迎の仕方とは?」
その答えを、今からこの俺がご覧いれよう。
ふふふ。
(…嫌な予感しかしないぞ)
(…嫌な予感しかしないわね)
ささ、味見してみて?
あ、あ、いや…、そういえばさっき私はアザミ茶をたらふく飲んで、お腹いっぱいになっちゃってたのを忘れてたから…。
ケイシー、あなたに差し上げるわ。
あ、あ、あたしはお酒弱いし…!!
お返しするよ。
…へへへ、俺はあんたたちがそこまで臆病者の弱虫とは、思っていなかったがなあ。
これはちょっとした度胸試しだったワケよ。
(…度胸とかそういう問題のシロモノじゃないわよコレは!)
まあ、度胸があるとかないとか、もうどうでもいいか。
とにかく二人とも聞いてほしいんだ――実のところガジェッツァンは今、さっきのようにイケてる街だとは必ずしも言えなくなってきてるんだ。
え、ええ…、私はここに初めて来たから事情は知りようもないけど…。
と、とにかく何かのパーティで盛り上がってるわね?
誰かのお誕生日かしら?
うんうん――もうちょっと話をゆっくり進めようか。
まず、この女のパンダを見てくれ…。こいつは何者かを見つめている…。
あんたたち、この女が、盛り上がるパーティの中で喜んだ表情で見つめているように見えるかい?
うーん…。
見ようによっては、そう見えるとは思うけど…。
いいや、答えは「No」だ。
俺には、この女は殺意を持った表情をしているようにしか見えない。
それに、そこら中にいる仲間と思わしき連中は皆、すぐにでも襲いかかろうとしている雰囲気じゃあないか。
そう見えないか? どう思うよ?
えー……、どうだろう…。
うん、まあいいよ。
というか、ここからが大事なんだ。
あんたたちはちょっと鈍いようだが、それでも何かを見抜くことができると踏んでるんだ――
ちょうどいい、これはちょっとしたテストだと思ってくれ。
これからいくつかの……、うん、俺がいつも「品定め」をするために用いている質問をさせてもらうよ。
適材適所のためにね――うん、ここでは色んな作業があるからさ。
あ、いや…。
静かに飲みたいから遠慮しておく――
何だって? 質問に付き合ってくれるかい?
さっきも言ったように、これは俺が他人を「品定め」するための質問なんだから――そう、正直に答えておくれよ。
いや、別に嘘をついたって構わねえが…。
それはあまりおすすめできねえかな――。
ヒソヒソ ――
(まるでこっちの事情はお構いなしのようね…)
ヒソヒソ ――
(あんたが「たまにはバーで優雅に」なんて言うからこういうことに…)
ヒソヒソ ――
(…まさかオヤジの酒場よりガサツだとは思いも寄らないわよ)
わかったかい?
じゃあ始めよう。最初の質問だ。
次々と意味深に問いかけるタラン。
質問は以下の12項目にも及んだ――
- あんたにとっての「力」とは何のことだい?
1. 知性 / 2. 腕力 / 3. 信仰心 - 誰かがあんたをブチのめそうとしている――あんたはその時どうする?
1. 仲間を集める / 2. やられる前にやっちまう / 3. 相手を説得する - 住むとしたら、どこを選ぶ?
1. 泥壁の小屋 / 2. 火山の洞窟 / 3. 箱舟 - 1人しか助けられないとしたら――誰を選ぶ?
1. プリースト / 2. 学者 / 3. ウォリアー - 最高の気分になれるのは?
1. 敵を打ちのめしたとき / 2. 自分の意識がはっきりしたとき / 3. 自分の悪趣味に熱中しているとき - 最も強力なのは?
1. 拳 / 2. 言葉 / 3. 感情 - 最もリラックスできるのは?
1. 瞑想しているとき / 2. パズルを解いているとき / 3. 誰かと闘っているとき - 好きな物語のタイプは?
1. 予測できない展開 / 2. ロマンス / 3. ホラー - 約束の時間までの5分間にやることは?
1. ナイフを研ぐ / 2. アイデアを練る / 3. 人々を観察する - どんなときに退屈する?
1. 読むものがないとき / 2. 誰も挑戦しに来ないとき / 3. 聴く音楽がないとき - 愛情を表現する手段は?
1. 贈り物 / 2. 行動 / 3. 言葉 - どのようにして死にたい?
1. すべての謎を解き明かしてから / 2. 血まみれの剣と共に / 3. 寝ている最中に静かに
よおし…、これで必要な情報は全部そろったかな。
あんたたち……、うん、お嬢さんたちは思ってたほどに役立たずではなかったようだ。
そのうちにお嬢さんたちと会いたがるような連中が、何人か思いあたるんだ。
しばらくガジェッツァン周辺に滞在するんだろう?
ま、まあ、あと数日は見て回る予定だけど…。
オークションも見てみたいし、免税店でスペアパーツ爆買いもしたいし
(…悪いけど、予定は変更して明日にもアイアンフォージのポータルで送って解散ね)
油くさいし、砂ぼこりはひどいし――それに、これ以上変なのと会いたくないわよ!
それならさ、ここらで一体何が始まろうとしてるのかを注意深く観察し続けるんだね。
キンディーちゃんに、ケイシーちゃん…、だっけか?
機械工学なんてものよりも、面白いことを学べるだろうぜ。
じゃあな――
じゃ、じゃあさっさと宿に帰りましょうか。
うん…。
この店、よく見りゃガラの悪そうな連中ばかりいるしね。
おい、そこの脳筋バカの海賊ども!
ラスト・オーダーだぜ!
姐さん!何すか、この「チャージ料」って?
突撃とどう関係 バコオォォーン!