【02/03】「スタンダード・フォーマット」の採用が決定
発表から実施に至るまでに、今年に最もコミュニティの間で議論を呼び寄せた出来事が、「スタンダード・フォーマット」の採用の決定でした。
「スタンダード・フォーマット」とは、対戦型カードゲームの元祖「マジック:ザ・ギャザリング」で採用されているデッキの構築ルールの一つです。
新たなシリーズの拡張セットがリリースされるたびに、フォーマット内で最も古いシリーズのセットが使用不可となる「切り替え」が発生する対戦ルールです。
ブリザード社のCEO(最高経営責任者)であるマイク・モーハイム氏自らが「ハースストーン史上で最も重要な決断」と位置づけ、失敗が絶対に起こらないよう慎重に議論し尽くされた、大きなプロジェクトでした。
使用できるカードセットを限定することで、それまで収集したカードが使用できなくなることへの反発は十分に予想されましたが、それを補って余りある以下の利点がもたらされると説明されました。
・新カードの全体的なインパクトの上昇
・新カードのデザインのしやすさ
・新規プレイヤーのモチベーションの向上
とりわけ、最後の「新規プレイヤーのモチベーションの向上」が、最も大きな採用理由だと思われます。
「スタンダード・フォーマット」のデッキ構築ルールによって、新カードが無制限に増え続けても、新規参入者がカードの収集と習熟をする際の負担が大幅に軽減されます。
去年の秋に、開発陣の一人であるベン・ブロード氏が、コミュニティに対して「新規参入者からの『新たに参加しづらい』『カードがなくて勝てない』というフィードバックにどう応えるべきだろうか」と問いかけていました。
その際に、コミュニティが提案した中で最も多かった解決方法が、この「スタンダード・フォーマット」の採用でした。
こうした事情の理解が不足していた一部のプレイヤーを除いては、「スタンダード・フォーマット」の実施は、納得できる措置として広く認められました。
「スタンダード」の採用の是非に始まり、新環境や「ワイルド・フォーマット」の環境の展望、さらには実施前の準備として12種のカードが弱体化されたことに対する反響と、実際に施行されるまでに話題が途切れることがありませんでした。
文句なしに、今年度におけるNo.1のハースストーンのニュースでした。
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