前回にTSMのシステムの骨格であるグループを組み上げた。
今回は、それを実行させるキャラクターの配備を整える。
TSMの金策の三本柱は「出品」「生産」「素材購入」だ。
これを1体のキャラクターに全て任せると作業効率が非常に悪くなる。
メイン・コンテンツへ赴くメイン・キャラクターなら、なおさらのことである。
それぞれは、1つの役割に専念するキャラクターを設けて一括で実行させよう。
TSMを走らせる上での第2のベースとなる輸送体制について解説する。
1. どのような種類のTSM専用キャラクターが何体必要か
2. TSM専用キャラクターの作成方法と設定について
以上の2つの大項目に分けて解説を進める。
今回のガイドは、WoW Economy RedditでアーカイブされているBank Alt Setupから多くの知識を流用させていただいている。
生産で消費する素材の購入を担うキャラクターだ。
素材アイテムを登録した「Materials」のグループをオークションの購入ウィンドウで走らせ、割安な素材を一括で購入し、生産キャラへそれらを送る。
売上金のほとんどは、適宜このキャラクターへ送金して購入資金とする。
この作業は無駄に分担させる意味はないので、1体だけ用意すればよい。
ログアウトを嫌って出品キャラと掛け持ちさせるケースもあるようだが、私は推奨しない。
素材の大量購入時には平気でBagが埋め尽くされるので、出品用のアイテムを保有するどころか所持数ゼロをキープさせる方が効率的だ。
生産したアイテムの出品、および売却を担うキャラクターだ。
生産キャラから生産アイテムを受け取り、生産アイテムを登録したグループをオークションの出品ウィンドウで走らせ、TSMの指令通りに出品する。
出品する前には、売れ残ったアイテムをオークションのキャンセル・ウィンドウで一括キャンセルし、メール・ポストからキャンセル品と売上金を回収する。
出品キャラの作成数は、個々のプレイヤーの販売規模によって変わってくる。
多くの種類を生産したり、頻繁に出品を繰り返すのであれば、多量の在庫を一度に保有できるように複数の出品キャラを設ける方が効率がよくなる。
ただ、ログインとログアウトを経るキャラクター交代は常に大きな時間のロスとなるので、なるべく少人数にとどめたい。
まずは1体を作成し、在庫の保有量を拡大したいと感じたら追加していこう。
出品キャラを複数設ける際に注意すべきは、生産スキルごとのカテゴリーを複数のキャラに分割して出品の担当をさせないことだ。
Alchemyの生産品を売るなら、Alchemyの生産品を出品すると決めたキャラだけにAlchemyの出品を割り当てる。
このガイドでは生産スキルを最上位のグループ・カテゴリーとして区分しているため、それを複数キャラに分別すると管理や送信がややこしくなる。
「何でも出品キャラ」を別個に1体設けてもいい。
レギュラーとしてグループに登録していないアイテムの出品の一切を担うキャラクターだ。
不意に入手した売れそうなアイテムは、何でもこのキャラに送ってしまう。
グループに登録していないアイテムでも、「#Default」の出品オペレーションの設定でどんどん流せる。
購入した素材を用いて出品用のアイテムを生産するキャラクターだ。
購入キャラから素材アイテムを受け取り、生産グループを生産パネルで走らせ、TSMの指示通りに出品用アイテムを生産する。
生産したアイテムは、その生産スキルの出品を担当する出品キャラに送る。
厳密に言えば生産キャラもメイン・キャラクターとは別に設ける方が効率的だ。
素材の在庫を最大限まで保有できるし、メール・ポストが近い作業場(Anvilなど)に常駐できるからだ。
しかし、最難関のコンテンツへの挑戦が必要であったり、ReputationのExalted到達などの長時間プレイが習得の条件となる生産レシピも少なくない。
そのようなレアなレシピの生産品ほど高値が付きやすい事情もあるので、実際にメインで活躍しているキャラクターをそのまま生産キャラに据えるのは無難な選択である。
拡張セットによっては、レシピごとに熟練度が設けられる場合がある。
熟練度が高いほど、作成コストが減ったり、生産品の質が向上したりする。
ほとんどのケースにおいて、この種のシステムは最高ランクに到達していることが量産の前提となる。
販売競争で渡り合えないからだ。
一両日中にランクを高められないケースも多い。
売れ筋と考えられるアイテムについては、早い段階から熟練度を高め始めておく準備が必要となる。
もし、生産キャラを作る、あるいはメイン・キャラの生産スキルをこれから習得するという場合には、「同種の素材を使用する生産スキルを2つ選ぶ」ことを特におすすめしたい。
素材の分配を一括する方が何かと楽になるからだ。
ハーブを素材とする「AlchemyとInscription」、鉱石を素材とする「Jewelcrafting、Blacksmithing、Engineering」のいずれか2つは、それぞれ1体の生産キャラに担当させる方がよい。
「TailoringとEnchanting」の組み合わせも昔から定番であり、格安の布製品をDisenchantしてEnchant素材にする工程を1体のキャラクターだけでまかなえる。
残ったLeatherworkingは鉱石系3スキルの残りと組み合わせるか、採集スキルのSkinningとでも組み合わせる。
脱線するが、採集スキルはHerbalismとMiningの両方をDruidクラスに習得させるのが鉄板だ。
Flight Formのままハーブを摘める上に、採掘後でも一瞬でFlight Formに戻れる。
メイン・キャラクターを生産キャラにする場合の最大の難点は、大量の素材を保有しておけなくなることだ。
日々の活動に必要なアイテムがBagやBankにどうしても残るだろう。
その対策として素材保管用のキャラクターを設けてもいい。
購入した素材は必要に応じて保管キャラに集約し、生産キャラが保有できるだけの量の素材をここから供給する。
保管キャラを設ける場合の難点はもちろん、ログインと送付の手間が煩雑になることだ。
いつの時代でも愛用される便利な保管庫は、プライベートなGuild Bankだ。
TSMの運用に関わるキャラクターたちを一つの個人用ギルドに集約させ、Guild Bankに素材を預ければ、購入キャラも生産キャラもアクセスできる保管庫になる。
Uniqueアイテムを何個でも保管できるのも特筆すべき利点だ。
かなり便利な施設なのだが、やはりいつの時代でも「個人用ギルドの設立」が最大の難関となる。
ギルドの新規設立には異なる4アカウントのサインが必要だ。
ギルド・メンバーやフレンドの知人がいれば難しくはないが、ソロ・プレイならチップを支払って見知らぬ他人を募集する他ない。
裏技的な保管方法がメールの預けっぱなしだ。
メールは1件あたり12スロット分のアイテムを30日は保管できる巨大倉庫である。
メールの最大保持件数は不明だが、100件までしか表示されないという制限がある。
したがって、1キャラクターにつき1,200スロット分までなら自由に取り出せる保管庫になる。
1スロットあたり200スタックの素材なら24万個ものアイテムを収めておけるということだ。
30日の保持期限が近づいたアイテムは、引き取るか、Returnで送信元に返した後に再送信させればよい。
オークションで購入したアイテムは30日を過ぎると消失するので、一回は引き上げておこう。
何のキャラをどれほど設けるのかを決めたら、実際にそれらを作成していく。
WoWのキャラクターは1アカウントにつき50体まで作成できる。
最近では1つのRealmに何体でも設けられるようになったので、格段に管理しやすくなった。
銀行やオークションで待機させる専用キャラクターは、クラスをMonkかDruidにするのが王道だ。
これらは低レベルからRoll、Cat From、Dashの速度上昇スキルを用いて、屋内でも機動力を高められる。
種族はAllied Raceが断然便利だ。
最初からレベル10でMountにも乗れるし、作成した直後に首都へ移れる。
1種族だけでもいいからAllied Raceをアンロックして作成できるようにしておくことを強く推奨する。
なお、MonkもDruidも選べないAllied RaceはLightforged Draenei (Alliance) だけである。
Horde陣営なら初期のBagの収納量が8多いVulperaが最有力候補となる。
Allied Raceを選択できないなら、首都のStormwindに近いHuman、あるいはOrgrimmarに近いOrcとする。
名前は何でもいいが、メイン・キャラクターや所属ギルドのサブ・キャラだと判断できない方が、万一の影響や迷惑などがかかりにくくなるだろう。
また、あまりにも変な名前だと、出品者の名前という理由だけで購入を回避されるケースもある。
命名時のサイコロマークの「Randomise」が手っ取り早いし無難だろう。
名前の頭文字を、他のどのキャラクターの頭文字とも違うアルファベットにすると、メールの送信時に先頭文字を入力するだけで宛先を確定できる。
左手のフォーム・ポジションに近いQWERT、ASDFG、ZXCVBが頭文字だと、より利便性が増す。
まずは、レベルを10まで上げよう。
Mountに乗れるようになるし、アクシデントでキャラを消してしまった際にレストア(削除やり直し)の対象になる。
レベル10で開始するAllied Raceの種族ならばレベル上げは必要ない。
レベルを10にして首都までたどり着いたら、いったんログアウトしてメイン・キャラクターに切り替える。
そして、最大スロット数のBagを11個作成、あるいは購入して、300ゴールドとともにその専用キャラへメールで送る。
300ゴールドの用途は、銀行のスロットを全てアンロックする費用と、メールや出品の手数料などの雑費だ。
再び専用キャラでログインしてメール内容を受け取り、銀行の7スロットとReagent Bankを開放する。
そして自分用のBagを4スロット分、銀行用のBagを7スロット分、それぞれ装着する。
Allied Raceでないなら、最寄りのRiding TrainerからMountのスキルを習っておこう。
最後に、ゲームの設定の「Interface」から「Game」タブ→「Social」の項目に移る。
ここで「Block Trades」「Block Guild Invites」「Block Chat Channel Invites」のそれぞれにチェックを入れておこう。
オークション専用キャラは、故意に邪魔する目的のトレードや、過失でうっかりやられるトレードにさらされやすい。
ギルド未加入のままだと無差別のギルド勧誘もわずらわしいので、それらを全てブロックする。
「Display Only Character Achievements to Others」にチェックを入れると、不意に獲得したアカウント全体向けのアチーブメントがフレンドに通知されなくなる。
金策の運用の隠密性を高めたい場合には有効にする。
「生産キャラ」を担うメイン・キャラクター以外の「出品キャラ」「購入キャラ」は、毎回オークションとメール・ポストを往復する。
場合によっては銀行を保管庫として利用する。
したがって「オークション」「メール・ポスト」「銀行」の3地点が全て近くにある場所が、「出品キャラ」と「購入キャラ」の理想的な拠点となる。
移動距離が短いほど運送の効率が高まるからだ。
最も一般的な拠点は首都だ。
Alliance陣営はStormwind北部のDwarven District、あるいは南部のTrade Districtに、3地点がそれぞれ徒歩10秒圏内にある。
Horde陣営なら、3地点が密集しているOrgrimmar北部のValley of Wisdomだ。
Booty Bayでは、ほぼ歩くことなく3地点を利用できる拠点がある。
ただ、便利なだけに利用者も多く、NPCを殺す邪魔者も多発する。
AH Mountを所持しているなら、Darnassusの銀行前、Thunderbluffの銀行前なども候補になる。
ドラエナ大陸のGarrisonを育てて銀行とオークションを設立すれば、誰にも会わない完全プライベートな拠点となるが、そこまで建築を進めるのは相当な時間を要する。
Horde陣営にはMountに乗りながら3地点にアクセスできるOrgrimmar北部のValley of Wisdomがある。
一方で、Alliance陣営に一番おすすめできる穴場の拠点は、パンダリア大陸のShrine of the Seven Starsだ。
ここもBooty Bayなみに3地点が0歩圏内に密集していて、かつ愉快犯に荒らされる事態など一切生じない。
意外に利用者が少なく静かでもあり、理想的な拠点の一つだ。
レベル10の新規キャラがそこへ到達するには、協力してくれるメイジにポータル (Portal: Vale of Eternal Blossoms) を出してもらうのが一番手っ取り早い。
しかし、条件を1つだけ満たしていれば新規キャラでも5分で到達できる。
その条件とは「Scouting Map: A Stormstout’s Guide to Pandaria」の所有だ。
パンダリア全探索で得られる「Pandaria Explorer」のアチーブメントを獲得した上で、IronforgeまたはUndercityにいるHeirloom Vendorから1万ゴールドで購入する。
「Pandaria Explorer」は20分もパンダリア大陸を飛び回っていれば獲得できるが、金策未経験者にいきなり1万ゴールドの出費は厳しいかもしれない。
このMapはAccount-Wideとして残り続けるので、メイン・キャラクター等であらかじめ購入して使用しておく。
新規キャラをレベル10にしたら、まずEngineeringの生産スキルを習得しておこう。
Seven StarsのオークションはEngineerでないと利用できない。
そして、首都の地図上で砂時計型のアイコンで示されているChromieの場所まで行く。
彼女に話しかけて「Wilds of Pandaria」を選び、パンダリア行きのクエストを受注する。
いくつかのお使いクエストと、簡単なシューティング・ゲームのクエストを終える。
戦艦からパンダリア大陸に降り立ったら、その後のクエストは無視して北上する。
Paw’don VillageのFlight Point (46,85) に着いたら、ここで「Collections」の「Toy Box」タブを開き、「Scouting Map: A Stormstout’s Guide to Pandaria」を使用してパンダリア大陸のFilght Pointを全部アンロックする。
そうしたら、後はShrine of the Seven Starsまでフライトするだけだ。
正門から入ったら、大きな階段の左側にあるエンジニアのエリアを訪れる。
Engineeringを習得したキャラだけが利用できるオークションNPCと銀行NPC、そしてメール・ポストが0歩圏内に集結している。
なお、Horde陣営向けのパンダリア大陸の拠点であるShrine of Two Moonsにも同じようなEngineer用のオークションが存在するが、残念ながらこちらにはゼロ歩圏内に銀行がない。
基本的に、これらの専用キャラは、一度設置したらそれ以降に配置や役割を変えることなく何年でも使い続けられる。
せいぜい出品キャラたちが扱う出品アイテムの分担を変更する程度だろう。
アイテムを登録するグループの枠組みを前回に整え、今回はそのシステムを輸送する体制を整えた。
次回は、商品となる生産アイテムの選定と、それらの割り当てについて解説する。
TSMガイド一覧