初見では少しわかりづらいと思われる、オーク側の世界が描写された映画の冒頭部分を解説します。
解説が不要な方や、事前に内容を知りたくない方は、閲覧しないようご注意ください。
一番最初の人間とオークの戦闘シーンは、メイン・ストーリーとは関連がありません。
オークの人間界への侵攻を象徴することと、「Warcraft 3」のオープニングを模したファン・サービスを目的とするシーンです。
1作目と2作目の「Warcraft」にはオープニング・ムービーがなかったため、最初にムービーが登場した「Warcraft 3」のオープニングが採用されました。
まずは、今作におけるオーク側の主人公とも言うべきデュロタンが登場します。
オーク氏族の一つである、フロストウルフ氏族のリーダーです。
オーク氏族は他に、
ブラックハンド(レンドの父)が率いるブラックロック氏族、
グロム・ヘルスクリーム(ガロッシュの父)が率いるウォーソング氏族、
モゴールが率いるラーフィング・スカル氏族、
チョ=ガルが率いるトワイライト・ハンマー氏族などがあります。
オークたちが住む世界で夜を過ごしているデュロタン。
妊娠している妻を気遣っています。
デュロタン「全てのオーク氏族が集っているのか?」
オークたちは今、荒れ果てた自分たちの世界を捨て、別世界への大移住を決行しています。
映画のドラエナ大陸が荒廃した主な要因は、グルダンの魔術が自然の生命力を奪い続けたことです。
デュロタンは、オークと自然をむしばむグルダンの魔術に疑念を抱くようになります。
檻(おり)から助けを乞う青色の肌のキャラクターは、同じ世界で共存していたドラエナイという種族です。
オーク種族による突然の猛攻によってドラエナイ種族は支配され、とらわれの身となっています。
強力な悪魔の黒魔術を求心力として、オークの全軍を率いているグルダンが登場します。
新天地では豊富な資源と戦闘が待っていると扇動し、魔法のポータルから人間界への侵攻をうながしています。
魔法のポータルの正式名称はダーク・ポータルです。
オークたちが住むドラエナ大陸と、人間たちが住むアゼロス大陸を結ぶテレポーターです。
ダーク・ポータルの開通によって生じた、人間界へのオークの侵攻を描いた作品が「Warcraft 1: Orcs & Humans」です。
グルダンが使用する悪魔の黒魔術は、生物から生命力を吸い取ることで魔力に変換されます。
グルダンは、無抵抗であるドラエナイの市民から生命力を吸い取り、魔法のポータルを開く原動力とします。
映画におけるダーク・ポータルは、多大な魔力を集めれば一定時間だけ開くという仕様です。
先ほど登場した捕虜のドラエナイたちは、グルダンが一斉に生命力を奪ってダーク・ポータルを開く魔力とするために、事前にここへ集められました。
開いたポータルに続々と入っていくオークたち。
人間界へテレポートしている最中です。
原作のデュロタンと妻のドゥラカは、この時点ですでにグルダンを嫌悪しており、アゼロスに着いた途端に亡命して北の雪山地方を拠点としました。
その後に、レンド・ブラックハンドたちによってデュロタン夫妻は暗殺されました。
映画では人間に協力を要請してグルダンを討伐しようとします。
イントロダクションの最後では、デュロタンの子供が生まれます。
今作では描かれませんが、このオークの子は、将来ホード陣営の最高の指導者として成長します。
ゴエルと名付けられたこの子は、原作ではデュロタンたちが亡命してしばらくしてから誕生しました。
誕生直後に暗殺された両親の血を浴びた状態で発見され、人間に引き取られました。
映画では、次回作以降で、引き取られた過程や立派に成長した姿が映されることが期待されています。
http://warcraft-movie.jp/