原作のカラザンは、多くのWarcraftプレイヤーが知り尽くしている人気のダンジョンです。
そのために、「ワン・ナイト・イン・カラザン」に登場するボスや要素の大部分も熟知されています。
そこで、カラザンを経験していない方も簡易的な事前知識を得られるよう、原作のカラザンのボスを紹介する連載を投稿します。
第6回は、メディヴの実父であり、メディヴの指導者であり、そしてメディヴの最初の犠牲者であるシェード・オブ・アラン(Shade of Aran)の情報を掲載します。
シェード・オブ・アランは、倒さなくても先に進める、いわゆる「オプション・ボス」です。
しかしながら、魔法使い向けの有用な装備品が多くドロップしたり、倒すことで4階と5階の敵が再出現しなくなるなどの理由で、スキップされることがほとんどないエンカウンターでした。
アラン撃破後は、カラザンの入り口からアランの部屋にテレポートできるようになることも、スキップされずに消化される大きな理由です。
アランは大魔導師にふさわしく、炎、氷、アーケインの各属性の魔法を使いこなします。
ハースストーンでもおなじみである、ファイアーボール、フロストボルト、魔力の矢、冷気の放射、呪文相殺などの呪文を通常攻撃として繰り出してきます。
体力が低下すると、複数のウォーター・エレメンタルを召喚します。
このエンカウンターにおける最大の注意点は、アランが30秒毎に発動する必殺技です。
文字通り「必殺」の技で、各プレイヤーは対応を誤ると即座に葬られることになります。
必殺技は炎、氷、アーケインの3種類があり、そのいずれかの1つがランダムに選ばれて発動されます。
炎属性の必殺技はフレイム・リースで、ランダムなプレイヤー3人を炎の輪で囲みます。
誰かがこの輪を横切るたびに、グループ全体が壊滅的なダメージを受けるので、対象者たちは一歩も動いてはなりません。
氷属性の必殺技はブリザードで、時計回りにゆっくりと動くダメージ・ゾーンを発生させます。
範囲内にいると減速効果と持続的なダメージを被るので、グループ全体が回避し続ける必要があります。
アーケイン属性の必殺技は、「全員を中央に引き寄せ」→「全員に減速効果の付与」→「スーパー・アーケイン・エクスプロージョン」のコンボです。
アーケイン・エクスプロージョンは即死級のダメージを与えるので、その詠唱が完了される前に、減速状態のままエクスプロージョンの範囲外となる地点まで必死で逃げねばなりません。
アランはマナが少なくなると、全員を動物変身で羊に変身させて行動不能にし、ゆっくりとパイロブラストを唱え始めます。
この回避できないパイロブラストは、グループ全体に尋常ではない火炎ダメージを与えるので、回復役によって即座にリカバリーされる必要があります。
Warcraftの世界で登場する様々な魔法の被弾を存分に体験できるボス・エンカウンターでした。
シェード・オブ・アランは、メディヴの父親であるニーラス・アランの亡霊です。
成仏しきれなかったアランは、死後もアンデッドとなってカラザン城内の自分の部屋をさまよっています。
「アゼロスの守護者」に深く関わった、悲劇の秀才魔導師です。
ニーラス・アランは、多種多様な魔法を習得した逸材で、かつてはストームウィンド国王直属のウィザードでした。
トップ・クラスのメイジであるがゆえに、メイジの長老たちで結成された秘密組織のティリスファル評議会ともつながりを持ち、同評議会から一つの任務を依頼されます。
それは、ティリスファル評議会が育成した「アゼロスの守護者」のエイグウィン(Aegwynn)が失踪したので、彼女を発見して捕獲してほしいという内容です。
任務を受けてからしばらくして、アランはとうとうエイグウィンを探し出し、持てる魔力を振り絞って「守護者」の捕獲に挑みました。
数か月に及ぶ追走劇の過程で、アランは、予想に反してエイグウィンがアゼロスに災厄をもたらすような悪人ではないことを察知します。
また一方で、追われていた方のエイグウィンは、自分と同じくアランもティリスファル評議会の強権的な姿勢に疑問を持っていることを察知します。
やがて二人は急接近して和解し、ついには愛し合うようになり、夫婦として行動を共にするようになります。
アランは、エイグウィンが評議会から逃避することを助け、「評議会ではなく『守護者』が『守護者』を指名するべき」というエイグウィンの思想に同調しました。
そして二人の間に誕生したメディヴという名の男子は、類まれなる魔力を有する両親によって、新たな「守護者」として育てられることになります。
なおも追われる身であるエイグウィンは、メディヴの教育を夫のアランに託し、最愛の息子を遠方から見守りつつ危害が及ばぬよう姿を消しました。
さすがのアランはメディヴを大魔導師に育成できる人物であり、幼少期からメディヴに英才教育を施して、自身が備える多様な魔力を受け継がせました。
ストームウィンドで青春を謳歌(おうか)していたメディヴは、次期の「守護者」として順調に育っているように思われましたが、実は生まれながらにして悪魔の軍団の呪いがかけられていました。
メディヴが成人式を迎える14歳の誕生日の前日に、突如としてその呪いが発動されます。
呪いによる悪夢に苦しめられたメディヴは、父のアランに助けを求めます。
アランが苦しむ息子の手に触れると――メディヴの体内で蓄積されてきた悪魔の力が一気に噴出し、二人は昏睡状態に陥ることになったのです。
メディヴは12年後にようやく目覚めましたが、アランはここで帰らぬ人となりました。
この時点から悪魔の手先と化したメディヴは、「アゼロスの守護者」でありながら無意識の内にアゼロスへ危害を加えるようになりますが、その最初の犠牲者は肉親かつ恩師であるニーラス・アランでした。
アランは、昏睡時に多大な精神的ダメージを受けたためか、亡霊となってからは「もう私に関わらないでくれ!」「もう私を苦しめないでくれ!」「私の息子は…、狂気にとらわれてしまったのだ…!」などの悲痛な叫びを繰り返す存在に成り果ててしまいました。
「ワン・ナイト・イン・カラザン」のアランは、第4区画の「ザ・スパイア」の第1ボスとして登場する予定です。
すでに死亡していて、亡霊となったシェード・オブ・アランとして現れるとのことです。
息子のメディヴがいるときはおとなしい状態であるものの、メディヴの不在時には気難しく怒鳴り散らすキャラクターであるそうです。
カラザンの秘密が隠された、重要地区である城の最上部への侵入を阻む存在であるとアナウンスされました。