Warcraftの世界におけるガジェッツァンは、砂漠地帯に存在する都市です。
ゴブリン種族のスチームウィードル・カルテルが、交易の本拠地とするために建設しました。
数あるゴブリンの商人連合の中でも最大の規模を誇る集団がスチームウィードルです。
世界中のあらゆる取引先と、運送ルートを豊富に確保しており、アゼロスで最も商魂たくましい集団として知られています。
ガジェッツァンでは、機械製品を中心とした貿易品が、連日ひっきりなしに集められては出荷されていきます。
スチームウィードルに所属するゴブリン種族の一流のエンジニア、職人、ビジネスマンたちがガジェッツァンに集い、この交易都市を大いに活気づけています。
そのガジェッツァンとスチームウィードルが、切り離したくても切り離せない存在であるのが盗賊と海賊です。
価値ある貿易品を狙う賊党の被害に、ガジェッツァンは長年悩まされ続けています。
設立当初からの天敵である賊党が、ウェイストワンダー(Wastewander)です。
当初は海賊であったウェイストワンダーは、お粗末にも、活動に欠かせない海賊船を盗まれてしまいました。
砂漠地帯で置き去りにされた彼らは、ガジェッツァンに目をつけました。
そして海賊から山賊に成り代わり、ガジェッツァンの貿易品を強奪することで生計を立てるようになりました。
さらにガジェッツァンの治安を脅かすことになった事象が、デスウィングがアゼロスに降臨した際に発生させた地殻変動です。
それによって、ガジェッツァンの砂漠地帯では東側の地表が全面的に崩壊し、はるか東にあった海岸線がガジェッツァンのすぐ隣まで到達したのです。
このことは、当初はガジェッツァンとゴブリンたちに大きな利益をもたらしました。
すぐそばに出来た海岸線に港を設けることで、船による貿易品の輸出入が格段にしやすくなり、取引がより活発になりました。
海岸線沿いにビーチを設けることで、観光客の取り込みにも成功しました。
ガジェッツァンは「砂漠地帯にある港町」として、さらなる成長を見せ始めていました。
ところが、海岸線の到来は、新たな災厄もガジェッツァンに招き入れることになっていたのです。
海賊の脅威です。
船による運送量が増えたことで、海上で待ち受ける海賊に襲われる事件が相次ぐようになりましたた。
街のすぐそばに海賊船を停泊させることが可能になったために、上陸した海賊によってガジェッツァン内部が荒らされることにもなりました。
これに対抗すべく、ガジェッツァン市長のノッゲンフォッガーは、警備の強化を敢行しました。
様々な種族や職種の人物が入り乱れるガジェッツァンでは、物々しいパトロール隊もあちこちに点在するようになり、半ば混沌とした様相を呈しています。
活気あふれる一大商業拠点でありながら、常に危険と隣り合わせである、交易都市ガジェッツァンがカードセットのテーマとして採用されます。
ガジェッツァンは初代「World of Warcraft」から存在し続けている有名な街であるために、同作品の古参プレイヤーならば全員が知っています。
ファンに対する訴求力が十分に高いテーマです。
ガジェッツァンの特徴を一言で表すと「中立都市」です。
「World of Warcraft」のほとんどの都市や街は、アライアンス陣営のプレイヤー専用か、ホード陣営のプレイヤー専用に分けられています。
両陣営は敵対する関係にあるからです。
その中でガジェッツァンは、両陣営のプレイヤーが利用できる、特殊な中立の滞在所として存在しています。
運営者であるゴブリンのスチームウィードル連合が、国家への忠誠心よりも利益の確保を重んじている背景があるからです。
陣営や種族に関係なく、あらゆる顧客と取引することで、スチームウィードルはアゼロス最大級の商人連合に成長しています。
ガジェッツァンを大きく象徴している要素は2つあります。
まずは、もちろんゴブリン種族です。
ゴブリンの商人や技師たちが設立し、交易や商売の本拠地としているのですから、街中のいたるところにゴブリンのキャラクターがいます。
ゴブリンが製造したメカニカルな工作品や、見るからに危険そうな爆発性物質なども点在しています。
もう1つは、中立オークションです。
普段は交流できないアライアンス陣営のプレイヤーとホード陣営のプレイヤーが、お互いにアイテムを出品し合って売買できる、唯一の金品の交換手段を提供する場所です。
すでにガジェッツァン付近のクエストを卒業した高レベルのプレイヤーも、この中立オークションを利用するためにガジェッツァンを訪れることが度々ありました。
ガジェッツァンの競売人は、上述したガジェッツァンの中立オークションを取り仕切る進行役です。
ガジェッツァンの槍試合選手は、ガジェッツァン市内の中央にある闘技場に出場している選手です。
スチームウィードルの狙撃兵は、スチームウィードル連合に所属する護衛隊員です。
南海の甲板員、南海の船長、南海のスキッドフェイスは、ガジェッツァンおよびスチームウィードルを悩ます南海の海賊たち(Southsea pirates)です。
ブラッドセイルの海賊、ブラッドセイルの略奪者、ブラッドセイルの狂信者は、ガジェッツァンおよびスチームウィードルを悩ます海賊のブラッドセイル・バッカニーア(Bloodsail Buccaneers)に所属しています。
コバルトの守護者は、そのフレーバーテキストによると、現在はガジェッツァンで製造されているようです。
それに伴い、原材料が高価なアダマンティウムから安価なコバルトに変更された模様です。
- 概要とイントロダクション
- ガジェッツァンの3つの勢力
- 新要素: マルチクラスカード
- 新要素: 翡翠のゴーレム
- 新カードの詳細情報
- 「スタンダード」のローテーションと先行販売
- 特別コラム: ガジェッツァン(Gadgetzan)とは
- ガジェッツァン――海賊が狙う「砂漠の港町」
- 「World of Warcraft」におけるガジェッツァン
- すでにハースストーンで登場しているガジェッツァン関連キャラクター
- 付録
- 専用のゲーム・ボード
- 公式予告動画
- 関連投稿一覧