現地時間の11月5日に、「BlizzCon 2016」で2016年度のハースストーン世界選手権の決勝戦が行われ、勝利したPavel選手(18歳 / Millenium HS所属)が世界王者となりました。
おめでとうございます!
初代王者のFirebat選手、2代目王者のOstkaka選手に続く、3代目の世界チャンピオンです。
Pavel選手は、e-Sports分野での成長が著しいロシアの選手であり、同国の選手としては初めてメジャーなハースストーンの大会で賞金を獲得した経歴を持ちます。
昨年度は、若干17歳でありながらランク戦で好成績を収め続け、「ラダー・モンスター」と呼ばれるまでになりました。
そして、世界選手権のヨーロッパ最終予選への進出も果たしました。
ここでPavel選手は、決勝大会まであと1勝というグループ・ステージで惜しくもLifecoach選手に敗れ、進出を果たせませんでした。
ヨーロッパの期待の新星として大きな注目を浴びましたが、本人は来年に雪辱を果たすことを誓っていました。
なお、当時のPavel選手は、一手ごとに即決するのではなく、時間をかけてプレイするスタイルでした。
今年に入ってからのPavel選手には、まず試練が訪れました。
ロシアで唯一、ハースストーンを取り扱うチームのEmpireから、Pavel選手は去ることになったのです。
EmpireはPavel選手以外に目立つ活躍をする選手が現れず、すでに大勢のハースストーンの選手が離脱していました。
Empireはハースストーンの活動を休止し、Pavel選手はつい最近の10月末にMillenium HSと契約するまで無所属の状態でした。
そのPavel選手が一躍脚光を浴びたのが、2月に開催されたヨーロッパのハースストーン・チャンピオンズリーグです。
Kolento、Dog、Xixo、Ek0p、Hoej、Rdu、SjoW、StrifeCro、Lifecoach、TidesofTime、ThijsNL――そうそうたるタレントが出場したこの大きな舞台で、Pavel選手は、昨年度の世界王者のOstkaka選手を決勝で破り、見事に優勝を果たしたのです。
冬季、春季、夏季のシーズン選手権への出場は果たせませんでしたが、ヨーロッパ地域の最終選抜を勝ち上がって何とか世界選手権へ滑り込みました。
世界選手権本大会でのPavel選手を一言で表すと、「ドルイド・キラー」です。
対ドルイド戦にはめっぽう強く、12勝1敗という戦績を残しました。
特に、OmegaZero選手との対戦で0-3からドルイド相手に4連勝し、さらに続くAmnesiac選手との対戦で同じく0-3からドルイド相手に4連勝したことは、今後長く語られ続ける伝説になるのかもしれません。
優勝したPavel選手には、トロフィーと賞金25万ドル(約2,577万円)が贈られました。
Pavel選手は記者会見で、「この感情を説明する言葉が見当たらない」と喜びを表現しました。
準優勝は、ウクライナの実力者であるDr.Hippi選手です(賞金15万ドル)。
ベスト4はアジアの2選手で、中国のJasonzhou選手と韓国のChe0nsu選手です(それぞれ賞金10万ドル)。
アメリカ地域の選手は、初めてベスト4への進出を逃す結果となりました。