「ハロウェンド = Hallow’s End」は、「World of Warcraft」がリリースされた翌年の2005年10月から、同ゲーム内において毎年開催されている期間限定の季節イベントです。
もちろん、現実の世界のハロウィンを由来とするイベントです。
10月の中旬ごろから末日にわたって開催されます。
Warcraftの世界における「ハロウェンド」は、もともと北方のローデロン地域の農村で、秋の収穫期と冬の訪れの中間となる時期に行われてきた、伝統的な祭りの一つでした。
他にも陽気にお祝いする祭りや、陰気で厳粛な祭りが数々存在しましたが、「ハロウェンド」の祭りはその両方の特徴を持っていました。
麦わらや農作物でかたどられた人形を用意して、夜が訪れるあたりにそれらを燃やし、次々とくべる火を活気に見立てることで、参加する人々は英気と意欲を養いました。
それと同時に、燃料とするものに不安や悲しみなどの感情を込めて、それらを燃やし尽くして追い払うことで、不活発となる冬の季節を乗り切ろうと奮いました。
かつてのローデロンの王子アーサスも、当時の恋仲であったジェイナ・プラウドムーアと二人で、この祭りに参加したことがあります。
そのアーサス王子がリッチキングに成り果てると、彼が蘇生した死体のアンデッドたちが彼に付き従い、邪悪なスコージ軍を形成しました。
スコージの中で、弱まったリッチキングの影響から解放されて自我を取り戻したアンデッドたちは、フォーセイクンと称され、独自のアンデッド種族の社会をローデロンで築くようになりました。
ローデロンのフォーセイクンたちは、生前にその地方で参加していた「ハロウェンド」の祭りに、リッチキングからの独立を記念する意味合いも含めるようになりました。
フォーセイクンのリーダーであるシルヴァナス・ウィンドランナー自らが、この独立記念の祭りでスピーチをするなど、「ハロウェンド」はフォーセイクンの社会において一大イベントとなる行事に発展しました。
人間種族の社会においても「ハロウェンド」は世界的に広まるほどのイベントになり、アライアンス陣営に属する全種族が参加する祭りに発展しました。
ホードやスコージなどの身近に差し迫った脅威を、追い払う意味合いを「ハロウェンド」に込めるようになったからです。
そしていつしか「ハロウェンド」は、現実世界のハロウィンのように、開催される本当の意図が人々の記憶から薄れる季節イベントになりました。
最近にアライアンス陣営へ参加してきた、「ハロウェンド」の伝統行事の詳細を知るウォーゲン種族は、アゼロス全土で流行するイベント「ハロウェンド」の本当の意味を周知させようと躍起(やっき)になっています。
「World of Warcraft」のゲーム内においては、「ハロウェンド」の期間中は、アゼロス大陸のいたる所にカボチャの頭などのデコレーションが設置されます。
ハロウィンに関連した特別アイテムを購入できるようになり、「トリック or トリート」の「トリック」に相当するコスプレ変身用のアイテムや、「トリート」に相当するお菓子のアイテムを入手できるようになります。
固有のクエストを達成することで、装備品の獲得やアチーブメントの達成などを果たすこともできます。
そして、スカーレット修道院(Scarlet Monastery)の墓場から蘇った首なし騎士(Headless Horseman)が、この季節イベントのボスとして登場するようになります。
プレイヤーたちは、グループを組んで首なし騎士の討伐を果たすことで、エピック級の装備品(大型ダンジョンのドロップ品に相当)を獲得することができます。