「World of Warcraft」における炎の王ラグナロスは、同ゲームがリリースされたときから存在した最古参のボスの1体です。
大型ダンジョンのモルテン・コアで、最終ボスとしてプレイヤーたちの前に立ちはだかりました。
尋常ではないダメージ量の炎属性のスペルを多用するので、全員が耐火能力を高めることが必須となるボスでした。
周囲に誰もいないと破滅的な威力の炎弾ばかりを連射するのは、ハースストーンにおけるラグナロスの能力を思い起こさせます。
もともとラグナロスは、炎のエレメンタル種族の頂点に立つ存在であり、旧神たちの副官の1体でした。
アゼロス大陸に平和と安定をもたらそうとしたタイタン種族を苦しめましたが、ついには旧神ともども封印されて大陸から姿を消しました。
それから文化が繁栄したアゼロス大陸では、ドワーフ種族の間で派閥抗争が起きていました。
その抗争の中で窮地に立たされていたダーク・アイアン・ドワーフは、起死回生の一手として、この世のものとは思えぬ力を召喚することをたくらみます。
―炎のエレメンタル・ロード、すなわちラグナロスの召喚です。
ダーク・アイアン・ドワーフは、ラグナロスの破壊力を利用して、他のドワーフたちを圧倒しようとしました。
ですが、ラグナロスは、とても彼らが支配できるような存在ではありません。
想像を絶する恐怖をこの世に呼び戻してしまったことを、彼らは召喚直後に思い知らされます。
解放されたラグナロスとその手下たちによって、召喚した者たちは即座に焼き殺され、ダーク・アイアン・ドワーフの首都は焼き払われて不毛の地と化しました。
ラグナロスが召喚された地域で噴火した活火山は、ブラックロック・マウンテンと呼ばれるようになりました。
長いときを経て再びアゼロス大陸に降臨したラグナロスは、そのブラックロック・マウンテンの地底に位置する、溶岩が一面に満ち広がるモルテン・コアを本拠地としました。
手下である炎のエレメンタルや炎の巨人の他に、ラグナロスの力を目の当たりにしてその狂信者となったダーク・アイアン・ドワーフの生き残りが、ラグナロスのもとで活動しました。
旧神の支配下にあるラグナロスの目標は、旧神たちの目標でもある、大陸全土へ破滅と混沌をもたらすことです。
「World of Warcraft」におけるネファリアン(Nefarian)は、同ゲームの代表的な敵対キャラクターです。
大型ダンジョンのブラックウィングの巣(Blackwing Lair)と、大型ダンジョンのブラックウィング・ディセント(Blackwing Decent)の最終ボスとして登場します。
ネファリアンとその父のデスウィング、および妹のオニクシアは、ブラック・ドラゴンフライトに属する黒のドラゴン種族です。
狂気に陥ったデスウィングに付き従い、他の赤、緑、銅、青のドラゴン種族と争い、さらにはアゼロス大陸を破滅させようと目論んでいます。
ネファリアンは、アゼロス大陸へ降臨すると、まず自軍のブラック・ドラゴンフライトの強化に着手しました。
ブラックロック・マウンテンの山頂に「ブラックウィングの巣」を築き、そこをブラック・ドラゴンフライトの本拠地としました。
また、同じくブラックロック・マウンテンの上層部に居を構える、レンド・ブラックハンドが率いるダーク・ホード軍を配下に加えました。
さらに、ネファリアンは「ブラックウィングの巣」の中に研究上を設け、残忍な生物実験を繰り返して新種のドラゴン種族を開発します。
その結果として、半分が人型であるドラゴンの「ドラコニッド」が量産され、赤と黒のドラゴン種族によって合成された強力なクロマティック・ドラゴンフライトが誕生しました。
ただ、ブラックロック・マウンテンには炎の王ラグナロスという、もう1体の凶悪強大な存在がいました。
ともに領土の所有権を譲らない両者は、ブラックロック・マウンテンの覇権をかけて長く争うことになります。
暴力的なラグナロスは、炎のエレメンタルを従えて攻撃的に迫りました。
狡猾的なネファリアンは、そのエレメンタルを捕獲して分析するなどして、敵の力を利用しながら頭脳的に応戦しました。
両者がプレイヤーによって倒された後、「World of Warcraft: Cataclysm」においてネファリアンは自ら蘇生し、同拡張セットの主役であるデスウィングに再び仕えます。
復活したネファリアンは、以前にあった慢心さを省みて、慎重に行動するようになりました。
ブラックロック・マウンテンの奥深くに新たな要塞のブラックウィング・ディセントを設立し、そこで今度は不死と魔法の力について研究する狂気の実験を繰り返します。
プレイヤーはブラックウィング・ディセントで、蘇ったネファリアンとオニクシアを同時に相手にすることになります。
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