「World of Warcraft」におけるキャスリーナ・ウィンターウィスプは、ナイト・エルフの寺院の遺跡において、地殻変動後の周辺地帯のパトロールを務めているハンターです。
プレイヤーにクエストを授ける一般的なキャラクターであり、特別なバック・ストーリーや身分が設けられている存在ではありません。
拡張セット「Cataclysm」から新規に登場した、低レベル帯向けのクエスト・キャラクターであるため、彼女の存在を知らなかったプレイヤーも少なくないものと思われます。
デスウィングが降臨した際の衝撃による地殻変動は、アゼロス全土に甚大な被害をもたらしました。
ナイト・エルフが住む森林地帯も例外ではなく、キャスリーナと知識の古代樹たちは身を挺(てい)して、地震、地割れ、津波、火山噴火、その他あらゆる荒天や自然災害の脅威から同族と動物たちを守りました。
その後に彼女は、付近の森に住み着いている熊たちが陰鬱(いんうつ)な様子を見せながら、これまで見かけたこともない病気にかかっていることに気付きます。
キャスリーナは、旅の途中に訪れたプレイヤーに対して協力を要請し、2つの願い事を申し出ました。
まずは、熊たちの間で流行している病がこれ以上広まらないように、生命の苗木で病を予防させることです。
生命の苗木は、知識の古代樹たちが作成できる、自然の生命力のエッセンスが凝縮された特殊な植物です。
プレイヤーは、その材料を収集した後に、キャスリーナと共に飛行動物に乗って、動植物を保護するために上空から生命の苗木のエネルギーを散布(さんぷ)します。
もう1つの依頼は、病を拡散させた黒幕を退治することです。
この病は、実は旧神がもたらす腐敗の力が病原体であり、付近に棲息し始めた1体の旧神の手下が広めていたのです。
旧神の最強の手下であるデスウィングが突如として降臨したり、旧神の狂信者集団「トワイライト・ハンマー」の活動が最盛を迎えたことなどが物語るように、この頃のアゼロスは、封印されていた旧神たちの影響力が大変強まった時期にありました。
キャスリーナが居住する地方の静かな山奥にも、旧神の手下が平然と現れるようになり、あらゆる生物を旧神に従わせて旧神たちの早期の解放を実現しようとしていました。
黒幕である討伐対象は、水中を好んで湖に棲息していた、不気味な無貌のものでした。
これを倒したことを報告すると、旧神の魔の手が蔓延することを危惧していたキャスリーナは大変喜び、今後は自分たちで生命の苗木の植樹を進めることで、周囲の自然の保全に取り組むことをプレイヤーに宣言しました。
そして、彼女はプレイヤーに対して「今にもあなたに抱きつきたい!」と好意を示したのですが、「――でも、クラム・チャウダーみたいな今のあなたに対しては、抱きつくことができないことは、よくわかるわよね…」と続けました。
どうやら、軟体生物である敵を倒した直後だったプレイヤーは、まるでクラム・チャウダー――魚介類のスープ――を浴びたかのように、ドロドロの液体や触手の切れ端にまみれた姿であった模様です。
※追記 日本ハースストーンおよびWarcraftのコミュニティの一員である丸氏から、キャスリーナ・ウィンターウィスプとデイブ・コサック氏(ハースストーンのゲーム・デザイナー)との関連性について、以下のように教えていただきました。
キャスリーナの事ですが、元々キャスリーナはデイブ・コサックがブリザードに入社する前、wowのプレイヤーだった時期に作ったオリキャラであります
— 丸 (@jinchangz) 2018年3月15日
ゲームスパイと言うサイトで連載したwowを題材にしたウェブ漫画のキャラクターで、その後鰤に入社した後自分の漫画のキャラをNPCとして追加しました
そのデイブ・コサックは今ハースストーンに移っており、その自分のオリキャラをまた自分のゲームに出した訳であります
— 丸 (@jinchangz) 2018年3月15日