
ピーター・ウェイレン
- 彼はこれまでに多くの進化を遂げている。
実にたくさんの異なるバージョンのドクター・ブームを、私たちは作ってきた。
いずれにせよ、「ゴブリンvsノーム」版のドクター・ブームよりも、さらにクールなドクター・ブームにデザインすることが決められていた。 - ブーム・ロボの強化版にあたるブーマーロボを召喚することが、当初のヒーローパワーの能力だったが、結局は取り止められてブーマーロボが中立のミニオンカードになった経緯がある。
そのヒーローパワーはクールだったけれども、それほど楽しい要素ではなかったし、ファンタジー面における魅力も不足していた。 - ドクター・ブームはクレイジーかつマニアックな天才であり、計画性などは持ち合わせておらず、全ての事象について何が起こり得るのかを正確に理解していない。
であるからこそ彼は、彼自身が発明した最新のメカ・スーツですらも、その操作方法をよく理解していない。
メカ・スーツに備え付けられた大きな赤いボタン1つをただただ連打しては、レーザーやマイクロロボやシールドをむやみに放出する――そのような楽しげなフレーバーが加味され、それが実際にデザインされて具現化されたときに、私は大変満足した。
“雄叫び: 1/1のブームロボを2体召喚する。爆発は必須。”

ディーン・アヤラ
- 狂気の天才ドクター・ブームは、私の意見とことごとく対立してきたカードだった(笑)。
そもそもウォリアー・クラスであるということからして私の気分を害しており、「ウォリアーなんて馬鹿げている!」などと感じていたものだ。 - だからといって、ドクター・ブームの理想的なポジションを自分なりに描いていた訳でもなかった。
肌が緑だからという理由だけで「ハンター・クラスが適当かな」などとも考えていた時期があった。
振り返ってみると、彼のデザインの過程における何がそれほど自分の気分を害していたのか、自分でもよくわからない。 - そしてドクター・ブームが巨大なメカ・スーツに搭乗する実際のカード・アートが提出された際に、ひと目で「ああ、これは間違いなくウォリアー・クラスだ」と、誰もが感じるように自分も否応なく認識させられた。
それは決して「赤いから」などという理由ではない。 (※ピーター・ウェイレン氏) ――「赤」もウォリアーを連想させるけれどもね(笑)

ディーン・アヤラ
- この大きいメカ・スーツで武装するドクター・ブームのカード化は、間違いなく正しいコンセプトであると思った。
ただ、「ゴブリンvsノーム」時代のゲーム・プレイにおいてもブーム・ロボの存在が彼を象徴していたという、フレーバー面での整合性が問われていた。ブーム・ロボを持たないドクター・ブームとは一体?――
ブーム・ロボこそが彼のアイデンティティーの全てではなかったか?―― - 必ずしもブーム・ロボを扱わないドクター・ブームなんて、考えられない――そう感じ取られるかも知れない。
だが、ドクター・ブームは、それよりもずっと大きな存在であるはずだろう?――「メカメカ大作戦」における彼は、研究所および科学者たちのリーダーであり、まことに邪悪な天才というキャラクターであるはずだ。
そうであるならば、ブーム・ロボがドクター・ブームというキャラクターのアイデンティティーを独占する必要はない。 - クレイジーな事象を巻き起こす狂気の天才ドクター・ブームには、蓄えた装甲をシールドスラムなどで活用するようなガロッシュたちとは全く異なるフレーバーがある。
結局このカードは、全ての面において綺麗にまとまったのだと個人的に感じている。
“この対戦で自分がメカに費したマナ1点につきコストが(1)減る。”

ピーター・ウェイレン
- ヒーローパワーだけでなく、ヒーローカードのプレイ時の能力についても様々なパターンが試されていた。
私たちがメカとのシナジーを求めていることに気付くと、メカのプレイがドクター・ブームのコストを減らしたり、メカのプレイがドクター・ブーム使用時の装甲獲得量を増やすなどの能力のアイデアも提案され始めた。 - やがて「巨大なメカ・スーツからメカ軍団を指揮するリーダー」というキャラクター性が彼に与えられると、そのフレーバー面からの直接的なトップダウン方式のデザインに切り替わった。
「よし、じゃあ能力はメカ全てを強化するタイプにしよう――ならば、彼は急襲を与えたがるだろう」
「ヒーローパワーは毎回ランダムに変更させよう――彼はメカ・スーツで赤いボタンしか押さないからね」このようにして、能力もヒーローパワーも同時期に決定された経緯がある。