「ドラゴン年」は、新型のデッキ・ビルダーの搭載もアピール要素の一つとしています。
デッキを構築する際の、未完成であるデッキを全自動で完成させる機能を大幅に改良したと公表されました。
その改良版のビルダーが、試験も兼ねる目的によって「ドラゴン年」の開幕に先立ち、すでにゲーム内に搭載されています。
実際に使ってみた新型デッキ・ビルダーの使用感と、コミュニティの初期フィードバックのレポートを以下に掲載します。
まずは、公式に発表されている改良版のデッキ・ビルダーの仕様をまとめます。
- デッキの解析システムが、実際にプレイされているデッキの対戦データを自動的に取り込み、毎日更新する。
- そのデータが各デッキの成功度を個別に判定してアーキタイプごとに分類する。
- 実際に利用されるときには、データ、コレクション状況、すでに組み入れ済みのカードを判断材料にして、採用するアーキタイプと不足分のカードを自動的に選定する。
- 選定の基準は「所有、および組み入れ済みのカードを使用するビルド・パターンの中で、最も勝率が高くなる」と見込まれること。
- データが持つアーキタイプのいずれにも当てはめられない場合は、代わりにマナ・カーブに沿ったカードの中から最強であると判断されたカードが選ばれる。
- メタの環境が激変した直後の数日間はデータが安定しなくなる。
- 現在はワイルド・フォーマットには対応していない。
現時点では、利用する際の注意点が3つあります。
まずは、実際に活躍していないタイプのアーキタイプの作成は不得意であることです。
「いかに勝率が高いアーキタイプに寄せるか」を果たすツールであり、実戦のサンプルがない「凍結シャーマン」などのテーマ・デッキを作らせる用途には向いていません。
続いて、新拡張のリリース、およびバランス調整の直後は、メタ環境が大きく揺れるために、収集データが正確ではなくなることです。
その数日間におけるデッキ・ビルダーのパフォーマンスには、さほど期待できません。
最後に、「ワイルド」デッキの作成モードには、今はまだ改良版の新システムが採用されていないことです。
これはもっと公式が周知させるべきではあると思われますが、とにかく「ワイルド・デッキの自動構築は何が改良されているのか」という批評があふれ返っていました。
日本時間の3月16日午前8時過ぎには、以下の修正が施されたと公式に発表されました。
まず最初に、全てのカードを収集しているアカウントでデッキを作らせてみました。
プリーストのデッキを一から自動構築させてみると――
2019年3月時点でプリーストの最高使用率のアーキタイプである、「壁プリースト」が組み上げられました。
構成内容はice選手のレジェンド3位到達デッキと全く同じであり、HSReplay.netにおける「壁プリースト」カテゴリー内でも使用率2位のこのデッキが、現在に「最も成功度が高いプリースト・デッキ」であるとAIに判断されているようです。
マリゴスかヴェレンを1枚だけ組み入れた状態で完成させると「クローン・プリースト」が、アレクストラーザやダスクブレイカーなどを組み入れた状態で完成させると「コントロール・プリースト」がそれぞれ組み上げられました。
いずれも、実際に流行しているビルドと構成内容がさほど変わっていません。
現時点のメタに存在するプリーストの3大デッキをしっかりと把握し、それらを組み上げるポテンシャルを有していることが示されました。
パラディンのデッキを、以下の組み入れ途中の状態から完成させると「奇数パラディン」が出来上がりましたが――
そこに1枚でも偶数のカードを混ぜてから完成させると、「秘策パラディン」が組まれるようになります。
そしてどちらも、現時点で採用率が高いパラディン・デッキのビルド内容とあまり誤差がありません。
搭載直後に生じていた「バクを入れているのに偶数カードが組み入れられる」などの「奇数・偶数」関連の問題は解消されたようであり、それらだけを組み入れている場合は無理矢理にでも「奇数デッキ」または「偶数デッキ」を作成します。