私はこれまでWoWでの活動時間の多くを5~40人制のInstanceに費やしてきた。
そのPvEのシーンにおいて、誰でも導入するだけですぐに便利を享受できるような、手軽なAddonを紹介していく。
今回取り扱う「Premade Groups Filter」は、Pug(野良)グループの応募と募集における検索を強化するAddonだ。
サーバーも陣営も関係なくPugを組めるようになった現在、Group Finderでは大量のグループがリストアップされるようになった。
その多数の候補の中から、希望する条件を詳細に指定して抽出する機能を提供してくれる。
「攻略先がAまたはBまたはCのダンジョンで、キー・レベルが15から18の範囲で、リーダーのスコアが2,000以上で、すでにTankがいて、まだMelee DPSが1人までしかいない――」などといった複数の希望に全てマッチするグループだけをリストアップさせることも可能だ。
このガイドにおいては「Dungeons」、すなわち5人制InstanceのFilnderを題材にして解説を進める。
もちろんRaidやその他のグループのFinderでも活用できるAddonであることは前置きしておく。
Addonを導入してから「Group Finder」→「Premade Groups」→「Dungeons」→「Find a Group」と進めて開くと、フィルターのウィンドウが右側に付随して表示される。
とりあえず最上部の「Difficulty」以外のチェックは全て外し、最下部のテキスト・ボックスも空欄にしていい。
Mythic Keystoneへ挑むなら「Difficulty」を「mythic+」に指定しておく。
指定しておくことによって、他の難度(Normal, Heroic, Mythic 0)を募集するグループは一切表示されなくなる。
このAddonの核心部分は、下部のテキスト・ボックスだ。
ここに固有のキーワードを羅列することで、独自の検索フィルターを適用させることができる。
キーワードの一つであるdpsは、グループ内にいるDPSの人数をリストアップの条件に指定する。
dps<=2と指定すれば、DPSの人数がまだ2以下であるグループだけを抽出できる。
キーワードの多くは、このように等号あるいは不等号――「>」「>=」「==」「<」「<=」――を含めた数式にする。
等式にする場合は「==」と2つのイコールで表す必要がある点に注意する。
キーワードはandやorで複数を連結することができる。
dps<=2 and tanks==1などと指定すれば、DPSの人数が2以下で、かつTankがすでに1名含まれているグループに限定してリストアップできる。
さらにdps>=2 and tanks==1 and (strt or gmbt)と追加すれば、上記の条件に加えて攻略先が「Tazavesh Streets または Tazavesh Gambit」であるグループに限定できる。
利用できるキーワードの一覧は以下のリストから参照できる。
参考までに、私がよく用いてきたキーワードを以下に列挙する。
リーダーのMythic+の総スコア
数式で表す(※例:mprating>1000)
左から順にTank、Healer、DPSの人数
数式で表す(※例:dps<=1)
左から順にMelee DPS、Ranged DPSの人数(それぞれHunter, Shaman, Druidを含む)
数式で表す(※例:melees==0)
左から順にMelee DPS、Ranged DPSの人数(それぞれHunter, Shaman, Druidを含まない)
数式で表す(※例:ranged_strict>=2)
左から順にPaladinクラスのTank、PaladinクラスのHealer、PaladinクラスのDPSの人数
クラス名は置換可能(deathknights,demonhunters,druids,hunters,mages,monks,paladins,priests,rogues,shamans,warlocks,warriors)
pf / dos / hoa / mists / sd / soa / nw / top
攻略先のダンジョン(全てのダンジョンの対応キーワードは上記リンク先のリストを参照のこと)
希望するダンジョンを(gd or id or lowr)などと複数指定できる
リーダーのプレイ地域(左から順にOceanic, Chicago, Los Angeles, Mexico, Brazil)
(chi or la or mex or bzl)とすれば、過度のラグに見舞われやすいOCE地域のグループを除外できる
グループをFinderに登録してから経過した時間(分単位)
age<30とすれば、30分以上にわたって登録されている広告グループや放置されたグループを除外できる
Healer枠のHoly Paladinとして参加したい場合の、要求てんこ盛りのグループ抽出条件のキーワード例は以下のとおりだ。
- リーダーに求めるMythic+の総スコアは2,000以上 → mprating>=2000
- Healerがまだ所属していない → heals==0
- Meleeが多いほど楽なのでMelee DPSが2人以上 → melees_strict>=2
- 最強TankのBlood DKを確保済み → tank_deathknights==1
- 今回は楽なダンジョンに行きたい → (yard or strt or gd or gmbt)
- OCEサーバーはごめんなさい → (chi or la or mex or bzl)
- 広告グループがうっとおしい → age<30
mprating>=2000 and heals==0 and melees_strict>=2 and tank_deathknights==1 and (yard or strt or gd or gmbt) and (chi or la or mex or bzl) and age<30
この「Premade Groups Filter」でできないことは、グループ名の検索だ。
グループの名前(および追加説明文)に含まれるテキストを対象にして抽出することはできない。
グループ名を検索するには、依然として上部にあるデフォルトの検索フォームに頼ることになる。
幸い、デフォルトの検索と「Premade Groups Filter」の検索の抽出条件は重複させることができる。
ほぼ全てのグループは、攻略先のキー・レベルをグループ名に表記して募集している。
よって、挑みたいキー・レベルは「Premade Groups Filter」ではなくデフォルトの検索フォームで指定せねばならない。
デフォルトの検索フォームにおけるキー・レベルの指定の補足を以下に記載しておく。
単数字を入力すると、その数字の前後1も検索結果に含まれる。
「8」と入力すると、7、8、9、17、18、19、27、28、29が検索結果に表示される。
2つの単数字をハイフン「-」でつなげると、その範囲の数字に限定してリストアップされる。
「15-18」と入力すると、15、16、17、18が検索結果に表示される。
「15-15」と入力すると、15だけが検索結果に表示される。
グループの追加説明のテキストも検索対象に含まれる。
追加説明の方に記されやすい優待条件の「lust」「hero」「bre (bres&brez)」「soothe」「ranged」なども抽出できる。
名前が緑色のグループは、検索後に新たにリストアップされたグループであることを示している。
名前が赤色のグループは、すでに応募を断られたグループであることを示している。
名前が赤色のダンジョンは、すでに自分は全てクリアしていて何も報酬を得られないダンジョンであることを示している(Mythic 0やRaid)。
名前が白色のダンジョンは、自分と全く同じ攻略状況にあるダンジョンであることを示している(Mythic 0やRaid)。
「Premade Groups Filter」を利用するもう一つの利点は、通常では外部からは伺えないグループ内のクラス構成を参照できることだ。
Melee DPSなのに、すでに2人のMelee DPSを含むグループへ応募してしまう、などといった無駄を省ける。
クラス構成をさらに見やすくできるWeakAurasが「Dungeon RIO and Classes」だ。
導入するだけで、Dungeons Finderのロール・アイコンの上部にクラスごとの色で塗り分けられたラインが表示される。
このWAは他にも、募集リーダーや応募者のmythic+スコアを表示させる機能や、スコアによるソート機能も備えている。
いずれも「/wa」→「Dungeon RIO and Classes」→「Custom Options」から設定可能だ。