引き続き、PvEのシーンにおいて「導入するだけ」に限定した、お手軽なAddonをいくつか紹介していく。
もはや言わずもがなの、RaidとDungedon攻略用の警告Addon。
これか「BigWigs」のいずれかはRaiderなら最低限導入しておくべきと、配布が開始された15年前から一般的に忠告され続けている。
BigWigsがカスタマイズ性に優れる一方で、DBMはまさに「導入するだけ」でどこでも必要最低限のサポートを受けられる。
重要なシーンではやかましいほどに警告音をガンガン鳴らして導いてくれるので、特に初心者に対してはDBMの方をお勧めしたい。
「導入するだけ」で機能するとはいえ、やはり警告の表示を自己流にカスタマイズする方が使い勝手はよくなる。
DBMの登場時から絶えない初心者からの質問は、表示される各警告やバーの移動方法だ。
これは「/dbm」→「Options」タブからたどれる「Move me」ボタンを押すことで、テスト表示と移動が可能となる。
現在は「Alerts – Announcements」「Alerts – Special Announcements」「Timers – Bar Appearance」「Frames & Integrations – Infoframe」の4種の表示を「Move me」で動かせる。
ついでに「Move me」がある設定画面でそれぞれの表示の大きさや色も同時に設定できる。
「/dbm unlock」のチャット・コマンドでも動かせるようになるが、こちらは警告メッセージの表示についてはカスタマイズできない。
中級者以上にお勧めしておきたい、実に簡単な設定のカスタマイズが、ボスの能力のCooldownを知らせるカウントダウンだ。
重要なCooldownは常にバーで表示されるが、それが完了する直前のカウントダウンを「Three, Two, One…」の音声で再生させることもできる。
「/dbm」→「Bosses」タブより目当てのInstanceを「Load Addon」で読み込ませ、ボスを選択し、対象となる能力のプラス「+」ボタンを押して展開させる。
DBMがCooldownの表示を行う能力には「Show timer for ○○ cooldown」の項目が設けられている。
そこの「None」のドロップダウン・メニューから好みの音声を選択するだけで、カウントダウンの有音化を果たせる。
ハイエンドのエンカウンターにおいては、忙しいさなかにあっても、ボスのCastと同時に何かしらの動作をし始めなければならない場面も多い。
その場面一つ一つを確実に見落とさないためにも、自分にとって重要なCooldownに限っては聴覚からでも確認できるように準備しておく方がよい。
5人制Instanceのダンジョンのルート・プランを設計し、それを共有するためのAddon。
これも「導入するだけ」で構わない。
構わないから、導入だけはしておくべきだ。
このAddonで綿密なルート・プランを表現するには、Addonの操作方法だけでなく、効率よいダンジョンの踏破方法を熟知しておかねばならない。
そんな大変な作業をするために導入しろと提言しているのではない。
グループ内のリーダーやTankが進める予定である、彼らが作成して提示するルートを閲覧するためだけに導入する。
普段からルートを作成せずに付き従うだけの私も、ルートの作成の仕方については実はよくわかっていない。
特に時間制限があるMythic+のダンジョンにおいては、進むルートを5人全員で共有しておくことは、ほぼ必須である準備項目の一つだ。
全員は指示がなくとも次の行き先へスムーズに移らねばならないし、要注意の敵グループや個々のCooldownの配分も事前に把握しておく必要がある。
ルートは、このAddonのパネルを用いてゲーム内で共有される。
リーダーやTankがパネルを表示させるためのリンクをチャットに貼るので、それをクリックして開き、「Import」ボタンを押してルートを確認する。
このAddonを導入しておかねば、パネルの表示はおろか、そのリンクをクリックすることさえもできない。
Pugグループにおいて、メンバーが「リンクをどうやって開くんだ」などと尋ねた瞬間にグループから外されたケースも二度ほど見かけている。
ダンジョンの進行の習熟にも活用できるAddonだ。
ルートのインポート・コードを公開している外部サイトが複数存在している。
真っ先に倒すべき敵のHealerを大きなアイコンで指し示すAddon。
PvP向けのAddonとして長く愛用され続けてきたが、PvEに対応してからはPvEでも重用される傾向がある。
PvEのコンテンツにおいても敵のHealerは、真っ先に倒すか、回復能力を阻むためにInterruptやCCの対象とするケースが多い。
頭上で目立つアイコンによって彼らを視認できるので、注意すべきHealerの名前と居場所をいちいち予習しておく手間が省ける。
Pugグループにおいて、敵のHealerが放置されて回復能力が通しっぱなしの惨状に成り果てると、「全員HHTDくらい入れておけ」との怒号が飛び交うケースも実際にある。
要設定が山盛りの「ElvUI」などのAddonにも同様の機能は含まれているが、こちらは単体で「導入するだけ」で機能する。
しかもビジュアル性を度外視するほど大きく目立つので、見逃しようがない。
特別な設定は不要だが、自分好みにカスタマイズしたい場合は「/hhtdg」のチャット・コマンドで設定画面を呼び出せる。
そこらにいる敵(Target Dummyでも可)をターゲットしてから「Test HHTD’s behavior on current target」を押せば、実際の表示例が現れる。
画面下部にデカデカと現れるセリフのパネルを非表示にするAddon。
このセリフのパネルは、InstanceやRaidの戦闘中でもお構いなしに繰り返し出現する。
UIのデザインによっては、目視が必須のUIを隠して覆いかぶさるように表示されるものだから、うっとおしくて仕方がない。
これらのセリフはチャット・ウィンドウにも併記されるので、非表示にしても問題なく目を通すことはできる。
演出面を気にするなら「MoveAnything」等で移動やリサイズする手段もあるが、私は面倒なくきれいサッパリと消すことにしている。
やはり「導入するだけ」で機能する。
設定はない。