担当記者: 調査レポーター長 Dora R
複数回の爆発関連の遅延を経て、本日、ゴブリンの建設業者はついに、最新鋭の技術を盛り込んだガジェッツァンのメイン・バンクの建築を完了させた。
契約企業のゴブリンの報道官は、爆発事件はいずれも契約で指定された休業期間中に起こったものであるため、深刻な負傷者は発生しなかったと説明した。
竣工に遅れが生じたにもかかわらず、最新の建築設備は極めて印象的だ――ネオン・サインから金色に輝く円柱まで、上流階級向けであることを否応なく漂わせている。
新しい銀行のオーナー陣と共に市長は、プロジェクトに関心がある報道関係者と組織団体を、この新たに建造された金融機関に招待するツアーを開催した。
銀行設立の契約企業と提携した張本人であるノーゲンフォガー市長は、自らこのツアーの案内役となり、施設内に導入されたセキュリティー・システムを次々と誇らしげに紹介した。
入り口の回転ドアは、コドーを収容する檻にも採用できるほどの耐久性があり、呪術を無効にする特殊ガラスが用いられている。
ロビーには優雅なオレンジ色と紫色のカーペットが敷かれており、ここにもコドー対策の防壁が一定の間隔で設けられている。
加えて、全ての窓口にはキャンディーのような形の大きな赤いボタンが設置されており、これを押すと、天井のくぼみから紙吹雪が噴射されて爆発物が投下される仕組みになっている。
2つの「スプロケットスプリング 5000」型の金庫扉に備え付けられたヒューズ式のロック・システムだけが、洞窟のように広がる貯蔵庫を開放することが可能であり、その貯蔵庫にはゴールドや魔素などの貴重品が保管されている。
ノーゲンフォガー市長は、この2つの金庫扉については素早く言及し、仮に強盗が現れたとしても、何百回というコドーの突進に加えて爆弾の爆発によっても突破されないという、扉の耐久評価について説明した。
「これまで銀行は、不適切な管理と無力なセキュリティーによって廃れてきた」
「無法者、悪党、コドーの愛好家である強盗たちにとって、銀行は格好の餌食となっていた」
ノーゲンフォガー市長はこう切り出した。
「ガジェッツァンの景気はロケット・チキンのように急上昇しており、ガジェッツァン市民は富を保管するにふさわしい安全な場所を必要としている!」
「新オーナーによる巨額の投資のおかげで、ガジェッツァンのメイン・バンクは素晴らしいテクノロジーを備え、我々の美しい街の中心的存在になるにふさわしい建造物となった」
「事実上、私はこの銀行が強盗を阻止する確率が110%であることを宣言しよう」
「強盗を試みようとした哀れな間抜けの顔を、この目で見る機会が訪れるのを待ちきれん!」
これまでにガジェッツァンの犯罪件数がうなぎ登りに増えているのを否定し続けていたのに、なぜ今になって窃盗対策に注力しているのかを市長側に問い詰めると、市長は治安に関する話題をそらした。
「ちょっと、外にいる若い婦人に付き添って案内していただけませんかね? どうやら彼女は道に迷っているようだ」
ガジェッツァン市民は、来週に催されるテープ・カットの式典で、ガジェッツァンのメイン・バンクが一般向けに開業される模様を見届けることになる。
・「来週に催されるテープ・カットの式典」とは、来週に開催される「BlizzCon 2016」を意味し、新しい拡張セットの詳細が発表されることを指し示しているものと思われます。
・写真に映された金庫扉のデザインは、そのまま新しい拡張セットのカードパックのデザインとして採用されるのではないかと予想されています。
・「World of Warcraft」におけるグラップルハンマー(Hobart Grapplehammer)は、ゴブリン種族のスタート地点でプレイヤーにクエストを与える、商人であるゴブリン・キャラクター。
・宝石 → レアリティを表すジェム?
・ロープ → 時間切れ間近に現れるロープ?
・「PAYDAY」は、犯罪者による銀行強盗を描いた海外のゲーム作品。
・「World of Warcraft」におけるスミード(Smeed Scrabblescrew)は、森林地帯でクエストを与えるゴブリン種族のキャラクター。