このバグの対象となった少数のプレイヤーには、2000魔素がゲーム内で配布されるという補償の内容で、このバグの問題は決着されました。
対象者には、8月3日までの時点で、その旨を説明するメールがブリザード社から送られています。
本日の午前に、コミュニティ・マネージャーのMolly氏が公式フォーラムで、パッチ8.4の適用時にバグが含まれていたことを発表しました。
その内容は、全ての種類のカードパックに設定されている、通称「救済タイマー(Pity Timer)」がリセットされてしまったという不具合です。
救済タイマーとは、同一種類のカードパックの開封において、「40回以内に1枚のレジェンド獲得」「10回以内に1枚のエピック獲得」をそれぞれ保証するという、公然の隠し要素です。
ところが最近に、「同じカードパックを合計15回開封してもエピックが出なかった」などといった、救済タイマーが正常に機能していないのではないかと疑問視する声が挙がっていたようです。
今回のMolly氏による発表は、それらの報告に応えたものであり、救済タイマーの不具合を正式に認めるものでした。
このバグの対象者は、パッチ8.4の適用以降にカードパックを開封したプレイヤーのうち、最低保証回数を超えて開封してもレジェンドやエピックを獲得できなかった人全員です。
パッチ8.4以前にエピックが9回連続で出なかったカードパックの開封は、本来ならば確定する次の開封時におけるエピックの出現が保証されなくなり、「10回以内に1枚確定」をまた最初から繰り返すことになります。
レジェンドが39回連続で出なかったカードパックの開封は、本来ならば確定する次の開封時におけるレジェンドの出現が保証されなくなり、「40回以内に1枚確定」をまた最初から繰り返すことになります。
開封数 | 出現率 | 開封数 | 出現率 | 開封数 | 出現率 | 開封数 | 出現率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4.06% | 11 | 5.04% | 21 | 6.99% | 31 | 12.86% |
2 | 4.14% | 12 | 5.17% | 22 | 7.30% | 32 | 14.17% |
3 | 4.22% | 13 | 5.32% | 23 | 7.65% | 33 | 15.80% |
4 | 4.30% | 14 | 5.47% | 24 | 8.03% | 34 | 17.89% |
5 | 4.39% | 15 | 5.64% | 25 | 8.46% | 35 | 20.69% |
6 | 4.48% | 16 | 5.82% | 26 | 8.95% | 36 | 24.60% |
7 | 4.58% | 17 | 6.02% | 27 | 9.51% | 37 | 30.46% |
8 | 4.68% | 18 | 6.23% | 28 | 10.15% | 38 | 40.24% |
9 | 4.79% | 19 | 6.46% | 29 | 10.91% | 39 | 59.80% |
10 | 4.91% | 20 | 6.72% | 30 | 11.80% | 40 | 100.00% |
そのような状況下である現在に、パッチ8.4の適用をまたがって、合計40開封以内にレジェンド、あるいは合計10開封以内にエピックを獲得できなかったプレイヤーがバグの「被害者」にあたります。
また、保証回数以内の開封でそれぞれ獲得できたとしても、それは通常より低い獲得率で引き当てていたことになり、もう少し早い段階でそれらを獲得できた可能性があります。
このバグは、公式に認識されながら現在も継続して発生しており、来週あたりに解決(修正とは言っていない)される見込みであることが併せて発表されています。
「凍てつく玉座の騎士団」がリリースされると同時に、カードパックからレジェンドが出現する仕組みに変更が加わり、それらは所持していないカードになる――すなわちレジェンドが「ダブらない」ようになることが、すでに公式にアナウンスされています。
そのカードパックの改良の下準備をパッチ8.4で搭載した影響によって、今回のバグが発生したとのことです。
コミュニティ・マネージャーのMolly氏は、この件に関してコミュニティへ謝罪の意を表するとともに、対象となったプレイヤー全員に対する補償の内容を数週間以内に決定したいと説明しました。
実際のところは、このバグの「被害」は想定よりも件数が少なかったのではないかと思われます。
なぜならば、前述した「パック開封によるレジェンドのダブり回避」の仕様変更は、いま獲得してある未開封のカードパックにも適用されることが公式に認められており、それが施行されるまでカードパックを開封せずに取っておくプレイヤーが多数存在したからです。
むしろ、「被害」を受けた対象プレイヤー全員を確定させて、新セットのリリース直前に補償すると決めた運営サイドに対して、その煩雑(はんざつ)さを心配する声が複数挙がっているほどです。
このバグに対する一般的な対策は、「いまはカードパックを開封しない」ということです。
来週以降に救済タイマーのバグが元に戻る(次のエピックおよびレジェンドの出現率が高まる)可能性があるうえに、上記のカードパックの改良(パック開封によるレジェンドのダブり回避)が実際に施行されてから開封する方が断然得であるからです。
ただ、バグに対する「補償」というものが、どういう内容であるのかは気がかりであり、コミュニティは以下のように意見および推測しています。
- いま1パックだけでも開封して「補償」の対象になる方が得をするのか?.
→ その「補償」の内容の大きさによる
→ 「パッチ前後で合計40回開封してもレジェンドが出なかったプレイヤーだけが対象なのでは?」という声も - 8.4以降に開封していない状態ならば救済タイマーが元に戻るのではないか.
→ 「補償」目当てに動くことのリスクを示唆 - 作業量を考慮しても全プレイヤー無差別に「補償」だろう.
→ 多分気にすることはないという意見
プレイしてから一度も開封していないセットのカードパックについては、今回の「補償」とは関係なしに、「凍てつく玉座の騎士団」がリリースされるまでは開封しないことを推奨します。
前述したカードパックの仕様変更には、未開封のセットのパックに関しては追加の措置が施される内容が含まれるからです。
通常は「少なくとも40回開封以内にレジェンド1枚確定」であるところ、未開封のセットのパックに限っては「最初の10回開封以内にレジェンド1枚確定」となるよう変更されるのです。
例えば、過去に一度も「旧神のささやき」パックを開封したことがないプレイヤーは、「凍てつく玉座の騎士団」がリリースされてからそれを開封すると、最初の10回以内に必ず「旧神」のレジェンドを1枚獲得できることになります。
ところが、いま未開封であるカードセットのパックの初開封を果たしてしまうと、それが1パックだけの開封であったとしても、「凍てつく玉座の騎士団」のリリース後に「最初の10開封以内にレジェンド1枚」という初開封の特典が得られず、通常の「40開封以内にレジェンド1枚」の仕様となってしまいます。
新カードセットの購入を促し、初心者を大きく奨励することになる変更なのですが、いまプレイしている初心者の方にとっては悩ましい問題でもあります。
とにかくカードプールを増やしたい時期であるにもかかわらず、数週間も待って「凍てつく玉座の騎士団」がリリースされてから初開封を果たす方が、結果としては得であるからです。
コミュニティの間では、この「最初の10回開封以内にレジェンド1枚確定」という初開封の特典を、既存の全プレイヤーの全種類のパックに適用することが、最も手っ取り早くて誰もが納得するバグの「補償」の解決法ではないかと議論されています。