「悪いニュース: ここまで来た交通手段を考えると、この巣は巨大な飛行恐竜のものだ」
そのように探検日誌へ書き上げる余裕があるほどに、飛行恐竜プテロダックスによって巣で保護されていた二人の安全な生活は、ドイル教授が巣の中の卵をうっかり踏み割ってしまったことで、唐突に終わりを告げました。
「エディ、バレないように代わりの卵を――」
「――ああ、ママのお帰りだ――ドイルの大脱走だ!エディ!」
帰還してきたプテロダックスの親鳥の怒りを恐れた二人は、巣を出て命懸けで走り去りました。
その途中で二人は、タールの沼の中から突然立ち上がった何者かに見つめられたり、ドワーフみたいな声の生き物に「出て行け!獲物が逃げちまう!」などと怒鳴りつけられましたが、霧が立ち込める視界不良の中における逃走であったために、何が何だかよく認識できませんでした。
そびえ立つ、木々よりも高い柱の列――
その上に乗る巨大な石の輪――
ツタに覆われているものの、真新しく見える大理石――
逃走の末に、雨風をしのげる場所を探してたどり着いた遺跡の景観に、マローンは驚きと感動を隠せませんでした。
(ウンゴロはタフで危険だけど、こんな美しい場所があるなんて――!)
しかしながら、二人がこの遺跡の内部に踏み入れるには、はっきりと目視できる困難が立ちはだかっていました。
「教授、そこら中にいるヒョウでケンタウルスな連中は、この遺跡の守護者だと言ってます」
その中でもリーダー格と目されるケンタウルスは、十分なクリスタルを持参しないと遺跡の内部に入れることができないと説明してきました。
「教授…!――僕は先日、ここの近くに内部が光る洞窟があるのを、上空から見かけたんです」
「もしや、そこにクリスタルとやらが――」
そうマローンが発言している最中に、ドイル教授は奇妙な表情を見せながら、例のフレーズを小声でつぶやき続け始めました。
「きょ、教授……?」
<目次>
中立 | 霊の歌い手ウンブラ |
中立 | ヴォラックス |
中立 | 先遣隊長エリーズ |
中立 | ジャングルハンター・ヒーメット |
ヒーメット・ネッシングウェアリー――狩猟道を極めんとするアゼロス至高のハンター | |
中立 | オズラック |
ドルイド | ティランタス |
ドルイド | ジャングルの巨獣たち / 圧踏のバーナバス |
ハンター | 沼の王ドレッド |
ハンター | 沼地の女王 / クイーンカルナッサ |
メイジ | パイロス |
メイジ | ウェイゲートの開門 / 時間湾曲 |
パラディン | 太陽の番人タリム |
パラディン | 最後のカレイドサウルス / ガルヴァドン |
プリースト | 太陽の砕片ライラ |
プリースト | 目覚めよ創造主 / 希望の番人アマラ |
ローグ | 死体花シェラジン |
ローグ | 地底の大洞窟 / クリスタルコア |
シャーマン | 原始の王カリモス |
シャーマン | マーロック大連合 / メガフィン |
ウォーロック | クラッチマザー・ザヴァス |
ウォーロック | ラッカリの生贄 / 冥界のポータル |
ウォリアー | キングモッシュ |
ウォリアー | ファイアプルームの中心で / サルファラス |
特別編 | ジョージ・ハーバート・ドイルIV世 |