3月の第48シーズンの開幕日より、ハースストーンのランク戦で生じていた不具合が、日本時間の2日午後8時頃に解消されました。
全地域のサーバーのランク戦において、1勝するだけで勝ち星が5個も得られたり、逆に1敗するだけで勝ち星が5個も失われたり、あるいはたった1勝でレジェンドに到達するなどの現象が相次いで発生していました。
また、2月のシーズンをランク25で終えたと誤って判断されて、シーズンの宝箱の報酬を獲得できないプレイヤーも続出しました。
とてもこのランク戦の稼働は継続できないと判断されて、開発チームは急きょ全地域のランク戦の入場を遮断させて、全面的な修正作業に取り掛かりました。
ハースストーンがリリースされてから最大級の障害となった今回の件は、ランク戦の稼働停止から約48時間が経過した後に、ようやく復旧に至りました。
その影響によって、本日に予定されていた「2018 スタンダード: ワタリガラス年」に関する公開Q&Aのライブ中継が中止される事態になっています。
サーバー・メンテナンス以外の状況下における、ハースストーンの根幹を成すプレイ・モードの長期停止は前例がありません。
そのような事態に陥ったことに対する謝罪を表するために、全プレイヤーに「コボルトと秘宝の迷宮」のカードパック3つが配布されることが決定しました。
配布時期は来週と発表されています(現時点では配布されていません)。「Blizzard Battle.net」アプリのギフト機能を介して配布されます。
モバイル端末の利用者は、以下のリンク先より受け取れます。
なお、復旧作業の過程で、いくつかのアカウントにおいては、ランク戦の勝ち星(スター)があるべき数より増やされる状態になったようです。
今月のシーズンより「前シーズンの最高到達ランク -4」が開幕時のランクになるべきところ、例えば私はランク2の途中でシーズンを終えましたが、復旧後は「ランク5&勝ち星5つ」の状態となっています(本来ならランク6&星2~3つ)。
ランク戦の不具合が生じた直接の原因は、ランク戦の大規模な改革が今月に施行されたことです。
ランク戦のシステムについては、かねてより改革の必要性が訴えられていました。
とりわけ、新シーズンのランク・リセットの直後において、初心者が低ランク帯で上級者とマッチングする現象は問題視されていました。
それを解消する手段として、高ランク到達者が低ランク帯まで降りてこないように、新シーズンは「前シーズンの最高到達ランク -4」が開幕時のランクとなるよう変更されることになったのです。
また、全体的なランクの昇格と降格を緩やかにするべく、ランク上昇に必要な勝ち星が全ランクにおいて「5」に増やされました。
ランクの昇降に関するシステムの変更の適用は初めてのことであり、その際に予期せぬバグが発生していたことによって、今回のランク戦の大規模な不具合につながったのです。
そもそもランク戦の改革に対する議論が強まったのは、開発陣のベン・ブロード氏が、2016年の秋にランク戦の改革について力説したことがきっかけです。
この頃にハースストーンのランク戦は、勝ち星が2つ増える連勝ボーナスが、本来の3連勝ではなく2連勝するだけでもたらされるバグが発生していました。
ベン・ブロード氏は、「これはバグで修正中である」と弁明する際に、同時にランク戦の改革の必要性を広く訴えたのです。
それに応えるかのように、ランク戦の環境の改善に関する議論が、コミュニテイの間で活発になり始めました。
特に低ランク帯で実力差が離れたマッチングが続くことは危惧されていたようで、予想に反して初心者や新規参加者の対戦環境の改善が強く訴えられるまでに発展しました。
その後も多数の意見が開発チームの内外で長期に交わされ、そしてようやく今月にランク戦の改善の第一歩が踏み出された訳なのですが、その結果として大規模な障害が発生してしまいました。
ランク戦のバグが契機となって本格的に着手され、実施されるまでに至ったランク戦の改革は、再びランク戦のバグを引き起こすことになったのです。