「本日がブリザード社員として最後の日となります」――
現地時間の4月20日に、ベン・ブロード氏とお別れする日が、唐突に訪れました。
Today is my last day at Blizzard. 😢 Thank you for all the laughter and fun we shared. I will miss you.https://t.co/YKfNpg6WUs
— Ben Brode (@bbrode) 2018年4月20日
同氏は、公式フォーラムに退職の挨拶文を掲載し、新しい会社の設立に参加して新規の創作プロジェクトに携わる意向を述べました。
ハースストーンの象徴とも言える存在の損失は、コミュニティ全体に激震を走らせました。
その挨拶文でベン・ブロード氏は「現在の仕事の内容には十分満足している」と前置きしながらも、「従来のゲーム・デザインの職務に代わって、チームの統括や広報活動といった役割を求められることが多くなった」と吐露(とろ)しています。
推測の域を出ませんが、もしかするとベン・ブロード氏は、このままマネージメントやPR部門に専属し、設計業務に一切関与しなくなる可能性がある自身の将来について、思い悩んだのかも知れません。
依然としてハースストーンのデザインに少なからず関わり、自身のブログでもゲーム・デザイナーについて熱弁を振るい、そして挨拶文において「creating」という単語を意味深に斜体にして表記した同氏が、クリエイティブな作業に執心していることは明白です。
ハースストーンの開発チームが十分に成長したこのタイミングにおいて、今一度デザイナーおよびプログラマーとして活動したいという強い欲求が現れたのではないかと、複数のコミュニティやライターが推察しています。
急成長を遂げたそのハースストーンの開発チーム「Team 5」を、ベン・ブロード氏は「高い情熱を持つ偉大な組織」などと惜しみなく称賛することを繰り返し、「自分が抜けてもチームは盤石(ばんじゃく)の体制」であると保証しました。
しかしながら、稀有(けう)なカリスマ性を持つベン・ブロード氏の損失を補いきることは難題であるだろうし、メディアを通したコミュニティに対する応答の仕方や発信力が、まず注目されることになりそうです。
そうした心配や、ベン・ブロード氏が退社したショックなどが大きく広まったとしても、「偉大」な開発チームが発展させるハースストーンというゲームを引き続き楽しんでほしいと、同氏は心から願っているものと思われます。
ベン・ブロード氏が基礎を築いて大きく発展させたハースストーンを、これからも愛好し、そして同氏の今後の活動を心から応援する所存です。
ハースストーンおよびブリザード・ゲームのシーンから退場されることになりますが、それまでに彼の伝説的なアクションの数々をリアルタイムに目撃できたことは、後々に誇らしく感じられるのかも知れません。