5月のパッチ「11.2」の内容に、ナーガの海の魔女、性悪な召喚師、暗黒の契約、取り憑かれた従者、動員、クリスタルコア（地底の大洞窟の報酬カード）の6種のカードが弱体化されることが発表されました。

この発表の直前にはゲーム・デザイナーであるディーン・アヤラ氏がRedditで「現在は複数のカードが修正対象として検討されている」として、上記の他に太陽の番人タリム、コボルトの司書、ドゥームガード、屍山血河のグルダン、ザ・シルバーハンド（パラディンの強化版ヒーローパワー）も弱体化候補として挙げられていたために、一体どのカードが実際に修正されるのだろうかと予測する意見が多発しました。

いずれも「ストレスを与える戦術」や「過剰なカードおよびデッキの使用率」を抑止するための調整でしたが、中でも反響が大きかった修正は「ワイルド・フォーマット」で問題視され続けてきたナーガの海の魔女の弱体化でした。

大型ミニオンの巨人を一斉に並べるナーガ・デッキは、すでに強さや使用率が最高クラスではありませんでしたが、「ナーガを引いた者勝ち」という対戦内容がゲーム性を壊していると、半年以上もコミュニティから訴えられていたのです。

ついには「ナーガの海の魔女は面白くない」という題名の個人的な修正要望の広告までもがRedditに登場。

「ワイルド」プレイヤーの訴えが無視され続けてきたかのように映っていた「ナーガ問題」に、ようやく終止符を打つ発表でした。

ハースストーンで一躍人気キャラクターとなったドクター・ブームを主役に据えて、科学とメカ種族をテーマとする拡張セットが今夏にリリースされました。

ドクター・ブームの研究所における実験を表現するべく、メカ種族同士の合体をもたらす超電磁の新キーワードや、1人用モードでは初の試みとなるパズル・モードを追加した意欲作でした。

「ゴブリンvsノーム」セット以来に多数登場したメカ種族のミニオンたちが大々的に取り上げられ、とりわけメカ化した旧神のメックトゥーンの発表は、今年にリリースされた全405種の新カードの中でも断トツに高い反響を巻き起こしました。

クエスト呪文以外で初めてレジェンド・レアリティの呪文カードが発行されたことや、ウォーロックのヒーローのメカ・ジャラクサスが登場したこと、そしてモビルスーツに搭乗してメカを操るヒーローカードのドクター・ブームが登場したことも、それぞれ大きな特徴です。

競技シーンでは、後に弱体化される含み笑う発明家が多種多様なデッキで採用され、入魂および魂箱を得た「ズー・ウォーロック」とドリームペタル栽培師を得たコンボ系のドルイドのデッキが人気を博しました。

カード資産が乏しい初心者に様々なデッキを体験させるワンダフル・ウィズバンは高い評価を受け、すでに「ウィズバンをいつの時代も使えるクラシック・セットに移行させてほしい」という要望が多数寄せられています。