アンデッド種族の一派です。
リッチキングに仕えるアンデッドが「スコージ」と総称されます。
凍てつく玉座で拘束され、アゼロスを崩壊させることを命じられたリッチキングは、疫病と死霊をそれぞれ創造する能力を与えられていました。
アゼロスへの降臨直後に、リッチキングが付近の村民に対して能力を試行した結果として、スコージは初めて誕生しました。
スコージの特殊性は、すべてがリッチキングの忠実なしもべとなることです。
スコージとして生まれ変わった生物は皆、それぞれが備えていた戦闘能力はそのままに、意志だけはリッチキングの鉄の掟によって統制されるのです。
初代リッチキングのネルズールは、そうした性質を持つスコージを、反乱や内紛を繰り返して悩ませたオークの配下たちと比較して感嘆したほどです。
二代目リッチキングのアーサスは、そうした性質を利用して、シルヴァナス・ウィンドランナーなどの英雄たちを意図的にスコージとして蘇生し、味方に歯向かわせ、反逆者である自分と同じ経験をさせようと企みました。
リッチキングは大陸の最北部を拠点としていたため、念力の影響が及ぶ北側から徐々に、「疫病拡散 → 大量病死 → 死者蘇生」という流れによるスコージ軍の規模拡大を果たしていきました。
アゼロス連合がリッチキングへ反撃した際には、すぐ近くにいるリッチキングの力によって戦死者がただちに敵のスコージとして蘇ることから、容易に死なない精鋭だけを選定するアージェント・トーナメント(後のハースストーンにおけるグランドトーナメントの舞台)が開催されました。
二代目リッチキングのアーサスが倒されると、リッチキングの管理下で統制されていたスコージの全軍が、主の命令を失って暴走し始めるという危険が判明しました。
スコージの抑制にはリッチキングの永続が必要であることから、囚われの身であったパラディンのボルヴァー・フォードラゴンがその役を買って出て、今なお凍てつく玉座から三代目リッチキングとしてスコージをコントロールし続けています。
何かしらの理由によってリッチキングの影響力が弱まった結果として、アンデッドの状態のまま生前の意識を一部(あるいは全部)取り戻したスコージは、フォーセイクンと呼ばれています。
フォーセイクンはリッチキングの支配下から解放されたアンデッドという設定であり、「World of Warcraft」のプレイヤーがキャラクターとして扱えるアンデッド種族もフォーセイクンという設定になっています。
フォーセイクンの代表的な存在がシルヴァナス・ウィンドランナーです。
彼女はフォーセイクンを束ねて、アンダーシティと呼ばれるフォーセイクンの帝国を新たに築き、自らをこのような姿にしたアーサスへ復讐することを誓いました。
「World of Warcraft」には2種類のデスナイトが存在します。
1つは、グルダンがアゼロス侵攻の際にストームウィンドの兵士の死体から創造した、ホード陣営配下のアンデッドの騎士であり、これらは第2次大戦の際にほとんど絶滅しました。
もう1つは、リッチキングの負の能力によって精神を蝕まれた(むしばまれた)、リッチキング配下の暗黒騎士です。
「World of Warcraft」およびハースストーンにおけるデスナイトとは、主にこちらの方を意味します。
様々な種族がリッキングのデスナイトに堕落しましたが、当初は人間種族のパラディンがデスナイトのほとんどを占めていました。
そのいきさつは、アライアンス陣営の落日とともに流浪(るろう)の守護者となったパラディンたちが、疫病に苦しむ民を善意で救おうとすることから始まります。
リッチキングによる無慈悲な病魔の拡散は、人々の心をひどく傷つけ、彼らの人間性を大きく損なわせていました。
パラディンたちは聖なる力によって疫病を寄せ付けない性質を持っているのですが、それを知らない一般人たちは、病が流行している土地を往来するパラディンたちが病気に感染していると思い込み、パラディンたちを執拗(しつよう)に迫害しました。
結局パラディンたちは、疫病の発生源を突き止めようと、必然的にリッチキングがいる北部へ探索に赴くのですが、度重なる理不尽な迫害を受け続けたことによって、その頃には彼らの精神も大きく荒んで(すさんで)いました。
苛立ちと憎しみを内に秘めたパラディンたちが、混迷したままリッチキングのすぐそばまで到達してしまったならば、彼らがリッチキングから精神を支配されることなど造作もなく、彼らはデスナイトに変えられてスコージ軍の近衛兵にさせられました。
リッチキングのデスナイトの第1号もまた、人間種族のパラディンでした。
屈強なローデロンの王子、アーサスその人です。
魂だけのリッチキングが、自身の肉体として取り込むために、リッチキングは彼を特別な標的としました。
自身の魂の一部であった魔剣フロストモーンにアーサスを導いたリッチキングは、フロストモーンに触れさせることで念力を直接送り込み、アーサスをデスナイトにして自らのもとへ参じるよう命じました。
デスナイトは騎士でありながら、ルーンの力によってブラッド・スペル、コールド・スペル、アンホーリー・スペルの3種の暗黒術をも使いこなします。
聖なる力によって光の法術を用いる騎士のパラディンとは対極に位置する存在です。
二代目リッチキングのアーサスが、同化していた初代のネルズールを追い出すと、リッチキング自体の強化に伴って、デスナイトも全体的に強度を増しました。
その一方で、何かしらの理由によってリッチキングの影響力が弱まった場合には、スコージと同じようにデスナイトもリッチキングの統制下から離れることがあります。
そうした一部の「はぐれ」デスナイトたちは、意志が戻るも暗黒にまみれた体が元に戻らない有り様を嘆き、これまでデスナイトとして残酷な振る舞いをしてきた記憶にさいなまれながら、今後に生きる意味を模索しながらさまようことになるのです。
「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」においてプレイヤーの新クラスとなったデスナイトたちも、リッチキングの影響から外れた元英雄という設定になっています。
- 「凍てつく玉座の騎士団」の概要
- World of Warcraft: Wrath of the Lich King ―― 世界最高記録を達成した伝説のMMO
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- アーサス・メネシル ―― 暗黒騎士の王へいざなわれた聖騎士の王子
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